アトリエの夏
週末、画家・橋本憲治さんを訪ねて栃木へ。
各方面で“山道を越えて辿り着く家”に免疫のついた私でも「え、ここ!?」と不安になるぐらい、山道を奥へ奥へいく。ずーっといく。つきあたりまでいくと、壁際に薪が高く積まれた、大谷石の土台のある家が現れた。元は陶芸家の方の住まいだっただけあって、今は残念ながら、震災でめちゃめちゃに崩れてしまっているが、大きな登り窯もある。
電話の口調通りの穏やかな雰囲気の橋本さんが迎えてくれて、1階のアトリエを通り過ぎ、2階のリビングへ通される。高い天井にファンが回る。ゆるゆるとたゆたう夏の空気に包まれてどんどん気持ちがくつろぐ。奥さまが淹れてくれた美味しい珈琲と自家製オレンジピール入りのケーキや、懐かしい感じの炭酸水、瑞々しいお漬物などなどを勧められるがままいただいたりしているうちに、気分はすっかり夏休みの親戚宅・・・ふと、仕事ということを思い出し(おいおい)、アトリエに案内されて、橋本さんの作る青色世界に囲まれると、またリラックス・・・うっかり仕事モードを忘れるムードが満載のアトリエなのだ。
帰り道、アトリエから下ってすぐのところにある那珂川(関東随一の清流だそう!)で、鮎を眺めたり、川に入ってみたり、橋本さんに教えてもらった「山法師」というお寿司屋さんで予約のお客さんが入る前に美味しい寿司をつまんだり。帰りの高速では、あちらこちらで花火も上がっていた。いい夏の締めくくりだった。
画家・橋本憲治さんの魅力に迫る次回connect栃木は、9月12日頃にアップ予定です。どうぞお楽しみに。