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上野の秋 二つの展覧会

東京都美術館ギャラリー

 

・〈上野の記録と記憶〉 東京都美術館ギャラリー B
・ Everyday Life わたしは 生まれなおしている 東京都美術館ギャラリーA・C

という二つの展覧会が開かれている。パンフレットを読むと、
前者については、
〈……本展では、東京都が所蔵する美術コレクションの中から、上野に関連する約160点の作品・資料を展示します。……〉とある。
後者については、
上野アーティストプロジェクト2021
桂 ゆき 田村沙耶佳 貴田洋子 小曽川瑠那 常盤とよ子 丸木スマ
の名が並んでいる。そして、〈……毎年異なるテーマを設けて、公募展を舞台に活躍する作家たちを紹介しています。その第5弾である今回は、「EVeryday Life」をテーマに戦前から現代にいたる6名の女性作家を取り上げます。……〉ということである。
コロナ禍沈静化して、上野にいつもの秋が来たのだろうか。会期は、来年1月6日まで。

 


美蘭、遊覧

美蘭展

美蘭』が、千葉市美術館でひらかれている。

〈……  これまでも日本美術をもとにイメージを広げた作品を多く発表してきた福田ですが、本では、千葉市美術館のコレクションから、自らが選定した江戸から明治時代の美術をきっかけに、新たに創作された作品を中心に示します。  福田は、もとになった日本美術をどのように写し、読み解き、このように思いもよらぬ絵画を生み出していくのでしょうか。周密な観察力や入念なリサーチに基づく精緻な表現と自由な発表とが共存する福田の新たな作品は、私たちの日本美術への眼差しを更新するとともに作品を鑑賞するとは何かということを改めて考えさせてくれるでしょう。……〉
と、覧会の パンフレットは、語る。

美蘭、遊覧。(12月19日まで)

 

 


「私のセツ物語」余聞・余分

丸山伊太朗 デッサン

 

好評連載「私のセツ物語」。今回登場 丸山伊太朗さんは、セツでは、ガリガリのからだを買われて、モデルとして入学、その後、生徒となる。現在は、中野、鳥取などで、カルマなど、カフェを経営。そんな多忙の中、この“広場”でもおなじみ、毎週末にひらかれている「代々木デッサン会」に参加。原稿に添えて、こんなメールが届いた。

…… 久しぶりのデッサン会。やはり描き続けていないと、どこから描いていいか悪戦苦闘。でも、デッサンするのは、楽しい時間ですね。当日、モデルもやらせていただきました。さすが、ポーズは決まっているけど、オナカは出てきたねと、言われてしまいました。……

「私のセツ物語」は、こちらからごらんください。

 


『大・タイガー立石展 世界を描きつくせ!』プレスリリースから

大・タイガー立石展 世界を描きつくせ!

 

うらわ美術館 及び  埼玉県立近代美術館 の2館同時開催で   『タイガー立石』が開かれる、というお知らせが届いた。(11月16日~1月16日まで)

〈絵画、漫画、イラストレーション、絵本……。タイガー立石(本名・立石紘一/1941~98年)は、様々なジャンルで活躍したアーティストです。縦横無尽にジャンルまたぐそのスタイルは、世代越えて今日の若いアーチストにも刺激与えています。〉という紹介文。
文章よりも、たくさんの派手な絵がパンフレット飾っている。「世界描きつくせ!」というように。

 


村松友視家の庭と外ネコ

庭と猫
本誌の庭の特集にちなんで、村松友視の連載エッセイは「庭と猫」。
こんなふうに書き出している。

〈いまの家に住んでから、私にとって庭は外ネコの舞台となってきた。最初に庭にあらわれたのは、袖萩という名をつけた雌ネコだった。〉
さて、その袖萩がフェイドアウトすると、やけに男前の雄ネコが登場し、これは、高倉健をかさねて、ケンさんと呼ばれる。そのケンさんも、寄る年なみにあらわれ、消え去る。
そして、村松家の庭の昨今は〈そのケンさんの姿がわが庭から消えて何年になるか……近ごろこの界隈の野良ネコが減っているのか、わが家と外ネコの縁も断ち切れたままになっている。〉
と、エッセイは、静かに舞台の幕を閉じている。

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『チルチンびと』秋 109号は、特集「この庭が楽しい」。好評発売中です。

 

『チルチンびと』秋109「特集・この庭が楽しい」


ポツンと - カフェ

とまりぎ  山ノひゃくせい

 

夏の郡上踊りで有名な岐阜県郡上市郡上八幡の上流、大和町。国道から山あいの道をくねくねと登ると栗巣川の上流にたどり着きます。上栗巣地区、通称母袋は約38世帯の小さな村。緑を抜けると村のはずれに小さな一軒家がありました。「とまりぎ 山ノひゃくせい」は、民宿・喫茶で、どぶろくづしりもしています。……
こんな書き出しで始まる「つながる人びと」は『チルチンびと』の異色連載。ページを開くと、お店で働く3人の笑顔。緑に囲まれた店。カフェのランチ。麦ごはん、大根とセロリのスープ、ナガイモコロツケ、クルミ味噌、ゴボウサラダ……などなど、1500円の食卓。それらの写真を見ることができる。人里晴れたここ、店が開く週二回は 賑わいをみせるという。
ぜひ、いちど。

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『チルチンびと』秋 109号は、特集「この庭が楽しい」。好評発売中。

 

『チルチンびと』秋109「特集・この庭が楽しい」


小笠原のコーヒーノキ

小笠原からの手紙

 

秋。コーヒーのおいしい季節になってきた。
『チルチンびと』の連載コラム「小笠原からの手紙」は、毎回、独特の島の話題を書いてたのしいが、今月は島の コーピーノキの話。こんなふうに。
〈…… 小笠原は明治初期に日本の領有として認められ、明治政府による開拓が始まった。コーヒーは、当時の内務省勧農局が有用植物として選定した数少ない作物の一つであり、国内初の栽培が始まったという。この事業にかける資金や。導入規模の記録からみても、コーヒー栽培は国家の威信をかけた挑戦であったともいえるだろう。〉
ところが、収穫に至るまでの年月の長さや、それまでの苦難などから、この事業は殖産に値しないと縮小。六万本あったコーヒーノキの苗木のうち約九千本が島民に払い下げられた。そのコーヒーノキを、農園の片隅に植えた人がいた。そのキは、戦争を経て、戦後を過ごし、命を繋いできた。そして、いまも小笠原の地に存在する。この巡り合わせ。それを繋いできたひとびと。
小笠原とコーヒーノキの歴史は、一杯のコーヒーの中に、かなしくブレンドされて存在する。

……

「チルチンびと」秋109号は、特集「この庭が楽しい」。好評発売中。お早めに書店へ。

 

『チルチンびと』秋109「特集・この庭が楽しい」


この庭の記憶

塗り壁の四季

 

『チルチンびと』109秋号が、売れ行き好調です。特集「この庭が楽しい」は、秋晴れにぴったり。
そんな 賑やかな記事の中で、連載「塗り壁の四季」(小林澄夫)の「庭と壁」が、心にひびく。 こんな書き出しだ。
〈庭という言葉で私が思い出すのは、茶室の露地でもなく、山水の庭でも京都の町屋の坪庭でもない。子供の頃、農家で“ニワ”といっていた庭のことである。庭で遊びなさい、おもてで遊びなさいとよく言われた。そんな庭である。…… いつもは子供が遊ぶだけのなにもない、空っぽの地べたの庭のことであった。〉
そして、こんなふうに続いていく。
〈このなにもない、生垣に囲まれただけの空っぽの土の地べた。人だけではなく、虫も鳥も犬や猫も小さな生物もやって来た。人と自然との入会いの庭。そんな地べたの土が立ちあがり土塀になり、壁になった農家の住まいのことを懐かしく思い出す。………)
このコラムを、味のある脇役の役者、のように思った。

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『チルチンびと』秋109号は、好評発売中。お早めに書店へ。

 

『チルチンびと』秋109「特集・この庭が楽しい」


十月八日は「木の日」です

森のとびら

「今日は、何の日」というと 、たいてい何かの日であるようだ。例えば、十月早々の例をひくと
十月二日    豆腐の日
十月三日   登山の日
十月四日    天使の日
という具合である。
こんなふうに、数字の語呂合わせのことが多いように思われる。
では、十月八日は、何の日か、ご存知?   そうです。「木の日」です。『チルチンびと』別冊63号「日本の森林と地球を守る家づくり」の中で、長野麻子さんがこう説明している。漢字の「木」から「十」と「八」で十月八日を木の日とする。数字の語呂合わせでなく、この漢字の組み合わせからの発想は、どなたのものか知らないが、いかにも木が育っていく姿を見るようで、好感が持てる。
さて、その「木の日」にちなんで、全国一斉木育イベントが催される。

 

 

伐採ツアー・木工ワークショップ・木の家見学会・山と林業についてのパネル展示など
日本各地の地域工務店25社が木育イベントを開催します。

【開催日程】
2021年10月8日(金)~11月21日(日)

 

※詳しくは「森のとびら」公式サイトをご覧ください。

 


さよなら「ダンテ」

コーヒー店「ダンテ」

コーヒー店「ダンテ」

西荻窪駅南口、路地の奥左手のコーヒー店「ダンテ」が、閉店した
木の扉をギシギシいわせて開けて入る。すぐの階段を降りると、カウンター。降りないで左手は中二階のような席だった。薄暗くて山小屋風とでもいうのか。たいてい満席だったのは、コーヒーの味のよさと、この舞台装置に惹かれてではなかったか。
閉店してしばらく経つのに、店の前にはカメラを構える人が何人もいる。小さなカードが置かれ、お別れの言葉を書くようになっていた。「すてきな空間をありがとうございました」の文字が見える。ドアには、店主のご挨拶。「55年間、ご支援をいただき……」。

寂しい秋。