2021年8月 の記事一覧

木の利いた話

 

山と地域工務店が担う、地方創生と脱炭素社会

 

近日、チルチンびと別冊63『日本の森林と地球を守る家づくり』が発売されます。

「山と地域工務店が担う、地方創生と脱炭素社会」というテーマで、長野麻子さん(前・林野庁林政部木材利用課長)が、語っているのが、わかりやすく面白い。その中で、これは、埼玉大学の浅田茂裕教授の受け売りですがと前置きして、こんな「木の利いた話」をしている。

…… いままで木材価格が低迷していたので、伐った後に再造林できるだけのお金が山に戻っていませんでした。そうすると、稼げないなら人は山に行かず、「木を失った」都会へ行き、山では「木が遠くなる未来」になってしまいます。それに「木が付かない」人がいて、日本の森のことは忘れられてしまう。そこで日本の木を選んで生活に取り入れる、鉄やコンクリート、プラスチックから木に変える活動を「ウッド・チェンジ」と呼んで進めています。山にも仕事ができ、都会の人たちも森に行って「木を取り戻す」ようになる。……

いかがですか。
このほか、情報、論考が満載です。

………

チルチンびと別冊63『日本の森林と地球を守る家づくり』は、風土社刊。定価1,980円。9月2日発売です。おたのしみに。

 

チルチンびと 日本の森林と地球を守る家づくり


自画像展への期待

自身への眼差し  自画像展

 

『自身への眼差し  自画像』が、ひらかれるという。新宿・中村屋サロン美術館で、9月15日から12月5日まで。
〈「自画像」は、画家が自分自身の肖像を描いたものです。  伝統である日本画にはもともと「自画像」というジャンルはありませんでした。自分を描くという明確な意図をもって描かれ始めるのは、幕末以降になります。……本では、主に明治から昭和にかけて活躍した画家たちの肖像画約40点を一堂に会します。……〉
と、覧会のパンフレットの解説にあり、
高村光太郎、安井曾太郎、岸田劉生、佐伯祐三、宮本三郎、ピカソ、フジタらの名前が並んでいる。

どうか、コロナに負けず、開催を!

 


最中の戦後 神楽坂デイズ

梅花亭

鮎の天ぷら最中

先日、このブログで、北村範史さんの個展会場をご案内した時、坂の途中で100円ショップと鮎の天ぷら最中、という看板の間の路地を入る、と書いた。それについて、鮎の天ぷら最中とは何か、というお問い合わせをいただいた。
正しくは、梅花亭というお菓子屋さんである。 中には、たくさんの種類の菓子が並ぶ。そこに、あった。手書きの説明文がついている。お店の初代、松蔵さんが、シベリアに抑留されていた時、帰国したらおいしいものをつくりたいと考案したのだと、いう。一つ、281円。白あんとこしあんの二種類。
最中の皮を揚げたものである。だから、歯ごたえが、ふつうの最中と違って、パサっとしない。しっかりしている。
食べながら、ここにも戦争のかげがあったなと思った。

 


『池袋モンパルナス』と密の時代

池袋モンパルナス- 画家たちの交差点

 

『池袋モンパルナス -画家たちの交差点-』展が、開かれている。(しもだて美術館、9月26日まで)
パンフレットには、もう一つキャッチコピー「芸術家たちの集う日本のパリ」。そして、こう書かれている。〈1920年代以降、池袋界隈には芸術家向けの安価なアトリエ付き住宅が建ち並び、そこには日本各地から上京した芸術家たちが集い、いくつかの「アトリエ村」と呼ばれる一画が形成されていきました。この地域では、芸術家同士の交流も盛んで、新たなアートシーンを生み出しました。その様子は、パリの芸術家の街になぞらえて「池袋モンパルナス」と呼ばれています。……〉
池袋モンパルナスゆかりの作家として、松本竣介、難波田龍起、麻生三郎……その他の作家の作品が紹介されている。

愉しかった、密の時代を、しのびに行く。緊急事態宣言のおり、休館の心配をしながら。

 


とびだす絵本、真夏の大冒険

しかけが いろいろ! とびだす絵本展

しかけが いろいろ! とびだす絵本展

 

『しかけが いろいろ! とびだす絵本展』(八王子市夢美術館、9月5日まで)に行く。
ページを開くと、絵が動いたり、とびだしたりする絵本。展示内の説明によると、18世紀後半にイギリスで出版された絵本に始まるとのことである。いろいろなアイデアが驚かせてくれる。夏休み、親子連れの客が多く、『白雪姫』はじめ、たくさんの展示品を触ったり、眺めたりしている。楽しい。
帰りに、友人に会い、八王子に行って来たと言うと、「それは、真夏の大冒険だね」と、笑われた。なんでも、八王子は、毎日、気温40度近く。危険な悲暑地であるという。

 


真夏の4人展 神楽坂デイズ

ギャラリー  FRASCO

ギャラリー  FRASCO

ギャラリー  FRASCO

 

神楽坂を飯田橋に向かって降りてくる。左に100円ショップがある。いまは、夏ぽく、ゴムゾウリなどが店頭を飾っている。その向こうの店は、鮎の天ぷら最中、の看板。その間の路地を入ると、右にギャラリー  FRASCO。
そこでいま、北村範史さんが、お店を開いている。北村さんといえば、この広場では、代々木デッサン会の主宰者としておなじみ。
ここ、神楽坂フラスコでは、もう10回目の開催。たんなる展示でなくショップとしての色合いが、特徴なのだろう。今年は、シナモンさんの、グラフィックデザインの仕事の傍ら描いた絵。遠藤恭範さんのミニサイズの絵画作品やTシャツ、summerさんの器、北村さんの絵入りバッグ、シャツ。などなど、展示販売。北村さんとそのFriends の作品を楽しめます。
8月9日まで。ぜひどうぞ。


海、リビングルーム、頭蓋骨

『海、リビングルーム、頭蓋骨』展

 

『海、リビングルーム、頭蓋骨』展のお知らせ。
〈若手アーティストの活動を通じて、現代美術のひとつの動向を紹介するMOTアニュアル。今回は、身体の異なる領域や側面に光を当てながら、社会と個の力学を探求するアーティスト3名を紹介します。
本展に参加する小杉大介、潘 逸舟、マヤ・ワタナベは、映像を主な表現メディアとし、自らのパフォーマンスや、他者とのコラボレーションを取り入れながら、現代社会における個の現れ ー 何がそれを可能にし、または抑制するのか ー を探求してきました。 ……〉

東京都現代美術館で、7月17日から10月17日まで。どうか、コロナに負けずに開催されますように。