2021年6月 の記事一覧

古建具が人気です

古建具図鑑


『民家の再生と創造』②(チルチンびと別冊 62号)が、好評であるという。コロナ禍で、外出もままならぬ折、古民家を、読んで楽しむ人が多いのだろう。その楽しみの一つに、古建具がある。今号の「古建具図鑑」は、こういう書き出しである。
〈近頃、古い建具の人気が高まっているらしい。古民家にあこがれて、これをそのまま移築しようとする動きもあるが、それには新築と同様、あるいはそれ以上の費用がかかる。したがって、より手軽に古民家の風情を楽しむためには、古材の一部を再利用してということになるが、これと同じような感覚で古い建具が求められているのだろう。……〉(「古建具の魅力と使い方・松本昌義)。
そして、格子戸をはじめ、障子、襖、間仕切り、欄間などの品々が紹介され、アンティークのお店、古色図鑑とつづいている。

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民家の再生と創造』②チルチンびと別冊62号 は、風土社刊、好評発売中。お早めに書店へ!

 


ロスト・ イン・パンデミック

ワセダの演劇博物館

ロスト・イン・パンデミック  失われた演劇と新たな表現の地平

 

ワセダの演劇博物館へ。『ロストインパンデミック  失われた演劇と新たな表現の地平』(8月6日まで)を見る。学生の姿はほとんどなく、夏休みかと思い、まだ6月だと気づく。
展覧会のパンフレットにこうある。
《……今なお、世界はパンデミックの渦中にあり、先の見通せない時代を、私たちは生きている。本展は、コロナ禍の影響下にある〈いま・ここ〉を、演劇という視座から歴史化し、未来に伝えることを企図している。コロナ禍によって失われた/失われなかった公演や新たな表現の可能性に光をあてるとともに、過去の疫病や感染症を演劇がどう描いてきたかを示す館蔵資料も発掘・紹介する。……》
この催し、時機が時機だけに、新聞やテレビで話題になった。開けなかった公演のたくさんのチラシが、哀しい。


風景画のはじまり-SOMPO美術館のプレス・リリースから

風景画のはじまり

休館中だった美術館も、動き出したようだ。
SOMPO美術館「風景はじまり    コローから印象派へ」(6月25日から9月12日)ご案内が、届いた。
〈コローからクールベ、バルビゾン派から印象派まで、フランス近代風景をたどる展覧会です。フランス、シャンパーニュ地方にあるランス美術館は、フランス国内ではルーヴル美術館に次いでコロー作品を多く所蔵するなど、19世紀風景が充実しています。本展では、こランス美術館コレクションから選りすぐり名品を通じ、印象派でひとつ点に達するフランス近代風景展開をたどります。……〉
無事、開かれますように、願う。


夏の壁

夏の壁

夏の壁


いやあ。暑いですね。まだ、六月だというのに。 そんなある日、「塗り壁の四季」チルチンびと108 夏号・小林澄夫)を、読んだ。
〈…… 夏の壁といえば、私は「ひやひやと壁をふまへて昼寝哉」という芭蕉の句のことを思い出すのが常だ。夏の暑い日の昼下がりの昼寝する男の姿が彷彿とする。ひやひやと壁をふまへて ー という言葉に冷たく涼しい土壁のイメージとともに、開け放たれた縁側のある日本の住宅の情景が浮かび上がって来る。そんな芭蕉の俳句に詠まれた土の壁も、夏の壁にふさわしいが、私にとって夏の壁として忘れがたいのは、青色の淡くおだやかな浅葱の大津壁である。……〉
納涼の1ページ。

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『チルチンびと』108 夏号は、風土社刊。好評発売中です。

 


追悼・富永一朗さん

世田谷区立九品仏小学校   校舎・プール落成記念

 

漫画家・富永一朗さんが亡くなった。
『チンコロ姐ちゃん』をはじめ、『婦人公論』の連載「食べある記」などたくさんの懐かしい仕事がある。その作品の一つが、おや、こんなところにも。
「世田谷区立九品仏小学校   校舎・プール落成記念」とあり、タイトルは「春がきた!」。〈風が歌い水がぬるむ春がきました。サア、家族そろって  みどりの野に出てつくしのタンゴ、すみれのワルツを歌いましょう 〉昭和59年2月、富永一朗作とある。
ずっと遺してほしい。

 


いい家の条件『チルチンびと』夏 108号の予告篇!

無垢の木の香りに包まれる健やかな住まい

『チルチンびと』夏108号の特集は「いい家の条件」。たくさんの事例の中から「無垢の木の香りに包まれる健やかな住まい」を、ご紹介します。
家づくりの依頼にあたって希望したのは「庭や外観は和の趣を感じられるように」(ご主人)「スキップフロアの楽しい家」(奥さん)というものだ。
読後感という言葉があるならば、住後感、というのはどうだろう。「家事動線が効率的なので、使いやすいですね」と奥さん。「調理のときにテーブルが広く使えるのが便利です。コロナ禍で夫婦ともに料理をする機会が増えたこともあって、居心地いいキッチンでよかったと実感しています」。
ステイホーム向き。

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『チルチンびと』夏 108号は、6月11日発売です。お楽しみに!


いい家の条件『チルチンびと』夏108号の予告篇!

ゆるやかにつながる二世帯住宅

 

特集「いい家の条件」から「ゆるやかにつながる二世帯住宅」の施主の話をご紹介します。
家を建てるに当たって、地域との融和性を重視していた夫妻は、景観と調和するデザイン、隣接する住宅との距離感、視線が気にならない窓の配置など、プライバシーに配慮しつつ圧迫感を与えない設計を要望。また、二世帯住宅の間取りについては、完全分離型ではなく、共有部分を介してゆるやかなつながりのあるプランを希望した。
「私も妻も両親も植物を育てることが好きなので、里山の風景のような自然な庭を希望しました。また、リビングの中の土間は段差をできるだけ小さくして、庭へとつながるようにしていただきました。家全体に一体感が生まれ、満足しています」と、ご主人。
新潟の風土を読み解いた家、である。

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『チルチンびと」夏108号は、6月11日発売です。お楽しみに !


下町の陶人形作家 芦田康裕『チルチンびと』108夏号の予告篇!

白亞器

 

キセルを片手に煙を吐き出す猫の香炉や、神妙な面持ちでおっかなびっくりお酒を注ぐ猫の徳利。愛らしくユニークな猫の陶人形をつくる芦田康裕さん。 『チルチンびと』108夏号にその制作風景が紹介されています。
千葉県市川市、下町の住宅街の一角。ひっそりと佇む工房「白亞器」。バス通りに面する開口から光が射す。明るく清潔な工房内に一人、ノートPCを横目に作陶する芦田康裕さんの姿があった。…… もとより陶芸やものづくりに興味のあった芦田さんは、高校卒業後、瀬戸窯業高等学校の陶芸専攻科へ進学。修了後は美山陶房の寺田康雄氏に師事し、2008年に独立した。当初は生計を立てるには、ほど遠い売り上げだったと振り返る。
そんな折、たまたま作陶した猫の箸置きに、反響があった。現在では、200人ほどが作品をこころまちにしている。その作品の数々を誌上で、どうぞ。

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『チルチンびと』108夏号〈風土社刊)は、6月11日発売です!お楽しみに。

 


左官になった青年『チルチンびと』108 夏 号の予告篇!

左官になった青年『チルチンびと』108 夏

 

その青年、深町徹さんは、福岡県出身の33歳。10代の頃からブロック屋、土間屋、住宅メーカーの下請けの左官屋などの仕事に就き、20歳の時に左官職人に弟子入り。8年ほどの修業を経て、「深町左建」を開業した。
「テレビで左官職人の仕事を見て、『これが本当の左官仕事だ』と思って。京都や名古屋で修業を積んで弟子上がりした親方のもとに入りました。……
「なるべく昔からある素材で、味が出ずさらっとした、伝統的な仕事がしたい」というのが、彼のめざすスタイルだ。こんなふうに人生を塗り続ける。

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『チルチンびと』夏108 号は、特集「いい家の条件」。6月11日発売です。お楽しみに。

 


ベニシアさんの住まい観『チルチンびと』108号の予告篇!

ベニシアさんの住まい観

 

人気連載「ベニシアと正、明日を見つめて」(梶山正)。今回は、目が悪くなったベニシアさんの部屋を二階から一階に移す、という話題。
そこでは、ベニシアさんのこういう住まい観が、語られている。
〈……「日本では、新しい家ばかりに価値があるのね。イギリスだと、古い家に目を向ける人が多い。よく手入れされた古い家は新しい家よりも値段が高いのよ」と古いもの好きなベニシアは笑った。……〉
そして、家の中をバリアフリーにしてほしいという要求も。ベニシアさんの近況をごらんください。

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『チルチンびと』108号 夏  特集「いい家の条件」は、6月11日発売です !