2022年9月 の記事一覧

『アーツ・アンド・クラフツとデザイン』展へご案内

アーツ・アンド・クラフツとデザイン

 

ウィリアム・モリスからフランク・ロイド・ライトまで - というサブタイトル。展覧会のパンフレットに、いう。

〈   モダンデザインの父 - ウィリアム・モリスは、こう呼ばれています。しかし、彼の代名詞ともいえる草花や小鳥をモチーフにした文様や中世を思わせる重厚なデザインは、その呼び名におよそ似つかわしくないように思えます。ではなぜ、モリスが「モダンデザインの父」なのでしょうか?
モリスの生きた19世紀のイギリスは、大英帝国の絶頂期。近代化も著しく進んだ時代です。多くの人がそれを謳歌する一方で急速な近代化に危機感を抱く人々もいました。例えば、評論家のラスキンは職人の手仕事に支えられた中世の建築を賛美し、ラファエル前派の画家たちはラファエロ以前の古風な描き方を目指します。そんな思潮が高まる中、モリスが見つけたのは室内装飾の道でした。…… 〉

「暮らしのデザインのはじまり」というコピーも、読める。

『アーツ・アンド・クラフツとデザイン』展は、府中市美術館で開かれている。12月4日まで。


『日本の中のマネ』ご案内

日本の中のマネ ―出会い、120年のイメージ―

 

〈19世紀フランスを代表する画家エドゥアール・マネ(1832~1883)の日本おける受容について考察する展覧会です。……我が国における洋画黎明期の美術家や批評家たちに見られるマネからの影響については、断片的に指摘されることはあってもまとまった形で示されたことはありません。明治から昭和初期までに見られる作品や批評を通して、日本における「マネとの出会い」について振り返ります。……本展では、日本に所在する17点のマネの油彩画(パステル画を含む)のうち7点のマネ作品を中心に、印象派や日本近代洋画、そして資料などの約100点を通してー明治から現代にかけての日本におけるマネ・イメージに迫ります。〉と、パンフレットから。

第1章  クールベと印象派のはざまで
第2章  日本所在のマネ作品
第3章  日本におけるマネ受容
第4章  現代のマネ解釈-森村泰昌と福田美蘭

そして、「出会い、120年のイメージ」のサブタイトル。
『日本の中のマネ』展は練馬区立美術館で開かれています。9月4日から11月3日まで。


竹は厄介者ではない

『チルチンびと』113号「竹を厄介者にしてはいけない」

山口瞳


『チルチンびと』113号「竹を厄介者にしてはいけない」(鳥居厚志)という記事を読んだ。その部分を抜粋させていただく。……

モウソウチクは、江戸時代以降に株分けによって各地に植え拡げられたと考えられますが、その多くは明治以降、さらに言えば食糧増産のために昭和時代に多く植栽されたようです。ところが、1970年代に外国から安価な筍が輸入されるようになり、筍の生産竹林は次第に放置されるようになりました。生産を放置しても竹自体は消滅するわけではありません。しかも、果樹など他の作物と違い、竹は地下茎を四方八方に伸ばして節から筍を出して分布を拡げるという雑草のようだ性質があります。……このように、放置された竹が勝手に分布を拡大し周囲の植物を枯らす現象が観察される……というのである。

竹が厄介者になる仕組みを読んでいるうちに、『萬葉集』大伴家持の歌か浮かんできた。この歌は、山口瞳さんの作品にも登場。そうしたご縁でか、山口さんは色紙にも書かれている。

わが宿のいささ群竹吹く風の音のかそけきこの夕べかも

竹が、厄介者であるはずがない。

 

『チルチンびと』秋  113号

『チルチンびと』秋113号は、好評発売中です。お早めに書店へ !


残暑の折、「小笠原からの手紙」をお届けします

小笠原からの手紙

 

9月、とはいえ、まだまだ 暑さも厳しい。磯の話題など、いかが。『チルチンびと』秋 113号から、「小笠原で海藻ウオッチング」(新行内  博)をご紹介。こんな書き出しで、始まる。
〈  小笠原の磯で「海藻を見ています」と言うと、よく「食べられますか?」と聞かれます。答えにくいのですが、「食べられないことはないけれども、美味しくなさそうなので私は食べません」というのが正直なところです。海がきれいなのは言い換えれば貧栄養ということで、海藻がそれほど大きくはなりません。小さいので、摘んで食べればどうしても岩への付着部分が残ります。加えて体内に石灰を含む種類が多いので、あまり食べたくありません。見ている方が好きです。〉
そして、つぎつぎと海の中で見える“  海藻風景  ”  を教えてくれる。涼味満点。

『チルチンびと』秋  113号


『チルチンびと』秋  113号は、特集「庭」、特集「首都圏の移住」。9月9日から全国書店で好評発売中。


『チルチンびと』秋113号の発売間近です!

『チルチンびと』秋  113号

 

秋立ちぬ。『チルチンびと』秋  113号の発売近し。
秋号の特集は「庭」、「首都圏の移住」、「チルチンびとを訪ねて」。どれも、読書の秋に。ふさわしいものばかりですが、まず「庭」特集からご紹介しましょう。

サブタイトルに〈土に触れ、緑を楽しむ〉とあるように、どの事例も緑満載。
・ ポケットパークのある心地のよい暮らし  設計・岸本和彦
・周囲の緑とつながる雑木と水の庭   設計・岩瀬卓也
・緑を望む中2階リビング    設計・宮嶋大輔
・6角形の家の開口部が切り取る六つの景色    設計・平  真知子
・大きな屋根の下  3世代7人が賑やかに暮らす   
・家と庭が響き合い街にやさしく佇む最新モデルハウス    設計、施工・(株)未来工房
・開放感あふれる新モデルハウス    設計、施工・(株)小林建設

いかがですか。ぜひ、お好みの庭にお立ち寄りください。

『チルチンびと』秋  113号

『チルチンびと』秋  113号は、9月9日発売。お楽しみに !


『チルチンびと』秋113号から『首都圏の移住』

首都圏の移住

 

9月9日は、『チルチンびと』秋  113号の発売です。

今号の特集は、秋の定番「庭」。そしてもう一つ「首都圏の移住」
コロナ禍、密を避けてリモートワークが流行。都心を離れて働くことが、ふつうという時代になりまくた。これをチャンスとして、移住を果たした実例を、ご紹介しています。

・週末はカフェ。畑のある丘の上の家(湘南)
・自然豊かな郊外で叶えた平屋の家(甲州)
・山並みを眺める念願の移住暮らし(赤城山麓)
・緑豊かな環境で猫と暮らす夢を叶える(日光)
・山に抱かれ、おおらかに住まう(伊豆)

「住まいは生き方」という言葉を「移住」は、実感させてくれる。

 

『チルチンびと』秋  113号

『チルチンびと』秋  113号は、このほか、特集「庭」、「チルチンびとを訪ねて」など。9月9日発売です。お楽しみに。


今月のベニシアさん

『チルチンびと』秋  113号 ベニシア

 

お待たせしました。9月9日。『チルチンびと』秋  113号の発売です。まず、ページを開くのは、ベニシアさんの消息から。というあなたに、今号「ベニシアと正、明日を見つめて」〈梶山正)をご紹介。

〈庭好きなベニシアの手入れで、前はいつもたくさんの花が庭に咲いていた。ところが彼女の眼が見えなくなったいまは、僕がガーデニング担当である。仕事が増えて大変だと思うが、じつは僕も少年時代から庭好きだったのだ。中学2年のことである。そのころは福岡の新興住宅地で暮らしていた。「錦鯉を見たくないか?  僕の家に遊びに来たら見せるよ」と友人。彼は僕が庭好きだと知り、僕に興味を示したようだ。彼の家を訪ねてみると、庭の中心に大きな池があり、色鮮やかな錦鯉たちが元気に泳いでいた。……〉
こうして、梶山さんの頭の中は、池と錦鯉で一杯になる。夏休みの池づくり。少年時代の思い出が楽しく語られる。
そして、文章の最後は。こう終わっている。
〈  秋の七草だけでなく大原の庭ではたくさんの花を咲かせたい。ときどき施設からベニシアを呼び寄せて、花咲く庭でランチパーティーをやらなくては。〉

 

『チルチンびと』秋  113号


『チルチンびと』秋  113号は、9月9日発売。お楽しみに。。
なお『ベニシアと正、人生の秋に』 、『ベニシアと正  2 -青春、インド、そして今-』(共に、風土社刊〕も好評発売中です。お早めに、書店へ。