2015年12月 の記事一覧

縁起小判

縁起小判

 

浅草寺へ行った。相変わらずの人出の多さに、驚く。外国人観光客の多さに、驚く。日本人かと思うような顔立ちの人から、ナニ語かで話しかけられた。その手つきから、写真を撮ってほしいのだ、ということがわかる。渡されたカメラの背面の画像に、5人の女性の笑顔が映る。シャッターを切ると、彼女たちが、そろって頭をさげた。お参りをすませ、人混みを抜けて、めざすのは「縁起小判」を手に入れることだ。新しい年の「福徳」が祈願されているという小判。いつも、この “ 広場 ” を愛し、訪れてくださったみなさまに、せめてもの気持ちとして、ご利益をお届けできれば、と思う。

ありがとうございました。2016年も、よろしくお願い申し上げます。

 


鯖の燻製

鯖はなんといっても、燻製が1番美味しい。と思う。

チップから煙が出てきたら、蓋をしてスモークすること、のんびり1時間。

こんなに楽しいお料理はない。

少なくとも年内は、このスモークの香りが部屋に漂うことになるだろう…。

 

 


ホワイトクリスマス

神保町チャボ

先週、志賀高原へスキーに行った友人が、泥の上を滑ってきたよ、と言った。気温が高いので、人工降雪機も使えなかったようだ、という。暖冬である。どこのスキー場も、同じようなことらしい。

ホワイトクリスマスなんて、望めそうもないから、「神保町チャボ」に行った。靖国通りから1本裏手の路地。ここは、ホワイトカレーの店である。野菜のホワイトカレーを注文。ドリンク付きで950円。なぜ、白いのですか?「牛乳でルーを溶くからです。初めは、カレーの黄色をしていますが、溶いていくうちに白くなるのです」。

口当たりがよく、それでいてどこか辛く、気がつくと身体が暖かい。
それが、今年のホワイトクリスマスだった。

 


寝ゾウ

寝ゾウ

息子がこの寝方で3時間。しびれないってすごい。

 


棒年会

棒年会

12月14日、昼。
今日は、忘年会なんだ、と出会った友人に言ったら、彼は「去年今年貫く棒の如きもの」という虚子の句を教えてくれて、「おたくは、木の家がお得意だから、棒年会かな」と言った。
12月14日、夕方。
いつものように、風土社で、忘年会がひらかれた。建築家、工務店関係者、写真家、寄稿家……その他、たくさんの方々で賑わった。初めて参加した、若い建築家のスピーチあり。おなじみヴェテラン建築家のスピーチあり。風土社社員のスピーチあり。工務店社長のスピーチあり……。そして、最後に、新社長の挨拶。大いに大いに大いに盛り上がる。楽しい夜になった。

どうかみなさま、よいお年を。こころからお祈り申し上げます。


MOMAT コレクション藤田嗣治、全所蔵作品展示@東京国立近代美術館

今回の展示は藤田嗣治の作品25点と特別出品の1点、計26点が展示。

年表で藤田の年齢と時代背景を想像しながら、作風が明らかに変化していくのを感じた。

有名な「自画像」から「五人の裸婦」、そして14点もの「戦争画」に息をのむ。

「戦争画」を観賞していると、戦場の声が聞こえてくるようで、

自分自身が、大きな画の中の1シーンに入り込んでいくような気がしたのは

初めてのことだった。

 


暖かい冬のために〈後篇〉

ビブリオ・バトル

『チルチンびと』86号  特集「火から始まる冬支度」にちなんで、ビブリオ・バトル― 暖かい冬のために。後篇。

……

Tさん。 〈このごろ朝が寒いので床の中で寝たままメリヤスのズボン下をはき、それから、すでに夜じゅう着たきりのシャツの上にもう一枚のシャツを、これも寝たままで着ることを発明して実行している。〉発明ですって。書いた人は、寺田寅彦。『柿の種』(岩波文庫)の  ー  曙町より、から。ご存知、物理学者で、エッセイスト。少しあとには、この朝は頭が悪く、右の脚が、ズボン下の左脚に入ったりする、とかで、短い一本一本に、独特の味がある。

Sさん。 物理学者の目、といえば、『物理の散歩道』(岩波書店)も同じ流れ。ロゲルギストという7人のグループが、語り合う。たとえば、その3巻には、「防寒夜話」。〈寒い地方 ー 東北だったかな ー  で、ハダカで寝るところがあるんだってね。もちろん、ごろ寝じゃない、ハダカでふとんにもぐりこむという意味だ。その方がねまきを着るよりあたたかいという……。〉で始まり、話は空気層に。そして、ハダカで寝ると本当に暖かいかを、論じる。これも、ユニークな味ですよ。

Uさん。 物理学者の目が続いたから、文学者の目も。『正弦曲線』(堀江敏幸・中央公論新社)に、「昼のパジャマ」という章があります。〈パジャマという衣装を夜にさえ身につけなくなって、もう三十年以上になる。昼寝は普段着のままがいちばん気持ちよいと思うので、パジャマどころか着替えも論外。夜は夜でいつの間にか寝ているというのが常態だから、 ……〉と読み続けるのを、遮るSさん。それ、面白そうだけど、今回のテーマは寝る話ではないからね。冬眠なら、いいけど。

……

『チルチンびと』86号  特集「火から始まる冬支度」は、12月11日発売です。お楽しみに。

 


暖かい冬のために〈前篇〉

ビブリオ・バトル

『チルチンびと』86号特集 「火から始まる冬支度」にちなんで、ビブリオ・バトル― 暖かい冬のために。前篇。

……

Aさん。 高山なおみ『日々ごはん  12』(アノニマ・スタジオ)です。たとえば、12月のある日。〈朝ごはんは、「ルヴァン」のカンパーニュにゴーダチーズ(オレンジ色のけっこう熟成されたやつ)をのせて焼いた。これはまるで『ハイジ』の冬ごはん。ものすごーくおいしかった。〉冬ごはん、いいな。爽やかなエッセイの間にレシピ。たとえば、ある日の夜ごはんは、〈牡蠣酢、きりたんぽ鍋(比内地鶏、白滝、芹、ごぼう、長ねぎ、舞茸、きりたんぽ。〉と、読んで温まる。絶品。

Mさん。 鍋といえば、『江戸の味を食べたくなって』(池波正太郎・新潮文庫)。「二月、小鍋だて」の章。〈小鍋だてのよいところは、何でも簡単に、手ぎわよく、おいしく食べられることだ。そのかわり、食べるほうは一人か二人。三人となると、もはや気忙しい。〉そして、〈刺身にした後の鯛や白身の魚を強火で軽く焼き、豆腐やミツバと煮るのもよい。〉とある。ねっ、これも読んで温まる。こたえられませんよ。

D君。 鍋もいいですが、と『ヘミングウェイ短篇集 上』(谷口陸男編訳・岩波文庫)を取り出し、「二心ある大川」のページをを開く。〈彼は切株から斧で切り取った松の厚切りで火をたきつけた。その上に焼き網をかけ、四本の脚を靴で土の中に押しこむ。〉豆入りのポーク缶とスパゲティ缶をあけて、網にのせたフライパンにいれるんだね。食べる前に、男は、言うんだ。〈わかってるさ。こいつはまだ熱すぎる。〉これがいいんだ。

……

『チルチンびと』86号   特集「火から始まる冬支度」は12月11日発売です。お楽しみに。

 


タテかヨコか それが問題だ

近江町市場

 

魚屋さんで、魚を客に向かって、タテにならべるか、ヨコにならべるか、という話であります。

〈…… 金沢の魚屋の店先のけしきは関西流か江戸流か …… そんなところから話題が転がったのだが、どうやら金沢は魚については関西流という結論だった。そのちがいを見極めるモノサシは、魚を客に向って縦にならべるか、横にならべるかであるという。つまり、関西の魚屋は魚を縦にならべて売り、関東は横にならべるしきたりになっているというのだ。…… 〉(村松友視著『奇天烈食道楽』河出書房新社)

そして、彼は金沢の近江町市場に調べに行く。ほとんどは、縦であったが、いくつかの店では、魚を置く台の都合か、縦横が混じっていたと書くのである。ま、フツーの人なら通り過ぎるところを、オヤ、と立ち止まるのが、村松流である。こういうのを読むと、誰だって気になる。ずっと以前に読んで、ふと思い出し、金沢在住のMさんに、写真を撮ってきてほしいと頼んだ次第。

 


鉛筆を削る

うちには鉛筆削りがないんです。
なので、カッターで鉛筆を削ります。
色鉛筆がたくさんあっても、最近は普通のえんぴつがお気に入り。
しかし、いくら直してもこの持ち方。
息子よ、がんばれ!