タテかヨコか それが問題だ

近江町市場

 

魚屋さんで、魚を客に向かって、タテにならべるか、ヨコにならべるか、という話であります。

〈…… 金沢の魚屋の店先のけしきは関西流か江戸流か …… そんなところから話題が転がったのだが、どうやら金沢は魚については関西流という結論だった。そのちがいを見極めるモノサシは、魚を客に向って縦にならべるか、横にならべるかであるという。つまり、関西の魚屋は魚を縦にならべて売り、関東は横にならべるしきたりになっているというのだ。…… 〉(村松友視著『奇天烈食道楽』河出書房新社)

そして、彼は金沢の近江町市場に調べに行く。ほとんどは、縦であったが、いくつかの店では、魚を置く台の都合か、縦横が混じっていたと書くのである。ま、フツーの人なら通り過ぎるところを、オヤ、と立ち止まるのが、村松流である。こういうのを読むと、誰だって気になる。ずっと以前に読んで、ふと思い出し、金沢在住のMさんに、写真を撮ってきてほしいと頼んだ次第。