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秋色の展示

flowers primitiveの西別府さんのリース展を見にvigoとアートサロンARKへ。

西別府さんの作品は花の美しさだけでなく面白さ、強さ、脆さ・・・今まで気づかなかったようなさまざまな花の性質を発見することができて、見るほどに惹きつけられる。ハッとするような派手さや華やかさではなく、他の何をも邪魔しないのだけれども、静かに深く存在感を放っていて、花の生命力を感じられる。置いてあるだけで確実にその場の空気が変わって、じわじわと西別府さんワールドに染まっていく。先日教わった「花と遊ぶ」ことを思い出した。西別府さんご自身が花と遊ぶことが大好きで、それを存分に楽しんでいることを感じられる、とても素敵な展示でした。

 

照れつつも枝からちょこんと笑顔を覗かせてくれた西別府さん。

 

アートサロンARKのオーナーは羊毛フェルトの造形作家のYOSHiNOBUさん。リアルなのにほのぼのとした、独特の世界感を持つ動物たちを制作している。初めての動物を制作するときには動物園に行って観察し、専門家に話を聴き、針金で骨格を作り、筋肉などの位置も正確にとる。こういった造形の基本は、元々やっていた粘土の時と変わらないけれど、フェルトと出会ってからは毛並みの方向までリアルに再現でき、固まることもない自由度の高さを得たという。フェルト素材の持つ温かさや柔軟性、軽さのせいか、動物の持つ表情自体がユーモラスで可愛いためか、ことさらにキャラクター化しなくても自然と可愛らしくほのぼのとした表情を持つ作品になるのだそうだ。たしかに、動物ってなんかずるいぐらい面白可愛い表情をするときがありますね。その特徴を作品に映し出す表現力がすごいのだ。

 

オーナーのYOSHiNOBUさん。本物そっくりのロバくんは、温かくて、軽いのです。

 

こちらでは定期的に羊毛フェルトのワークショップも開催している。「ここまで教えちゃっていいの?」というぐらい惜しみのない懇切丁寧な指導なのだと来場者の方が教えてくれた。カップルで来た男性の方が夢中になってしまったりもする、なかなか硬派なワークショップのよう。11月は「ヒツジ」と「オカメインコ」。可愛い・・・。もう受付は始まっていますので、モノづくり欲の高まっている貴方!ぜひチャレンジしてみてくださいね。

 

夕方、「古道具屋の西洋見聞録」の塩見さんを訪ねて青山へ。毎週土曜日、全国から素敵なお店が集まってくるアンティークマーケット。ふと出展ショップカードの中にさきほどのflowers premitiveさんのお名刺を発見。繋がっている~今展示に行ってきたばかりですよ~! などとあれこれよもやま話をしているうちに日も暮れて、だいぶ気温も低くなってきたのに客足は途絶えない。

塩見さん、今日はちょうど”古道具店主コスプレ”だったそうです♪

みなさんも、秋風に誘われて、自分だけの宝物を見つけに出かけてみてはいかがでしょう。

 

 

 


たわしの伝道者あらわる

金曜の晩、東京にくる用事があったということで、高田耕造商店の3代目、高田大輔さんが事務所に遊びにきてくれました。

 

たわしそっくり!?な高田大輔さん

 

棕櫚はかつては紀州の重要な産物だったのが、いまでは輸入品の棕櫚やパームヤシのたわしにとって代わられ、需要がどんどん減って棕櫚山もなくなっていったのだとか。ここでもまた杉や檜と同じく、大量生産大量消費の波に飲み込まれ、衰退する産業、荒廃していく山・・・高田さんは、それまでやっていた調理師を辞め、家を継ぐことになってから、国産の棕櫚たわしの良さをあらためて学んだそう。これなら「たわしは固くて痛くて」という一般的なイメージを払拭していけるという思い、また実際使う人々からの反応があまりにもいいことなどから、数々の失敗にもめげず良質の国産棕櫚の皮を求め、安定的に供給をしてくれる人を確保し、地道に国産棕櫚たわしの普及に勤しむ情熱の3代目! その活動が色々な他分野の職人さんとの繋がりを産み、棕櫚山の再生活動にも繋がっています。

 

国産の棕櫚でつくったたわしの手触りは最高。いつまでも触っていたくなるほど、滑らかで程よい固さで、身体を洗ってもさぞかし気持ちよさそう。実際、頭をシャンプーなしで洗ってもツヤが出るのだとか。その他、料亭で野菜を洗うのにつかわれたり、染物職人さんが布を洗うのにつかわれたりと、良い物を求める人々に「このたわしでなくては」と言わせる、極上の使い心地なのです。もしお近くで見つけたときは、ぜひ手に取って触ってみてくださいね♪

 

 

色々な形のたわし。職人の技でできる最小のものは、ストラップに。かわいい!

 


会いに行ける野菜 ~映画「よみがえりのレシピ」~

 

大量生産・大量消費の勢いに追いやられ、絶滅寸前の在来作物がこの映画の主役。 その命を繋ぎ、畳何畳分かの庭の片隅で自分たちの食べる分だけをひっそりと大切に育ててきた人々。 昔ながらの味にこだわり、その種を求めた地元の漬物屋さん。 その農法から食文化の保存と継承の研究活動を10年来続けている山形大学の江頭宏昌准教授。 生産者を訪ね歩き、野へ山へ入っては生えている芽でも根っこでもなんでもかじってしまう探究心の塊みたいな山形イタリアン「アル・ケッチャーノ」の奥田正行シェフ・・・誰が欠けても成立しない、山形在来作物の「よみがえり」の物語だ。

 

在来作物は、種選びからして熟練の技が必要で、育てるのにも大変に手間も時間もかかる。けれども風土に根ざし自然を大切にしながら、その土地の旨みを吸い込んできた地域の宝なのだ。  「風」を感じるような野菜――風土、そして風格のある、風流という言葉にも通じるような野菜――をつくりたいという、とある生産者の言葉が印象的だった。 子どもたちの瑞々しい感性にこそ、その「本物」さ加減が伝わるのか、見慣れない形状の野菜に臆することもなく、歓声をあげ、笑い声をあげながら種を植えたり調理実習をしたり。 大人だって、生産者に「これが、俺のカブ!?」と言わしめる、奥田シェフの魔法がかかった野菜のフルコース試食会! そんな課外授業なら、いますぐ新幹線に乗って受けに行きたくなる。

 

実際、わたしは芋煮会で伝承野菜を食べたのでわかる。 甚五右エ門芋は神々しい白い光を放って優しく上品な味のする、柔らかくて上品な里芋だった。勘次郎胡瓜は皮の硬さを全く感じず、水分をたっぷり含んだ爽やかな触感で、キュウリ嫌いのvigoも抵抗なく食べられた。 いずれも近所の大手スーパーでは決して手に入らない味わい。 その主催者の佐藤春樹さんもお祖父様と共に当然だが出演されていたので、心の中で「おぉ。出てる~」と騒いでしまった。 ほんわかした雰囲気はお会いしたときそのままだったが、あのときには見えなかった表情、育てるのも売るのも大変な在来作物を引き継いでいくことへの不安や相当な覚悟があったのだと知った。 また、焼き畑でのカブづくりのシーンでは木の勉強会で教わったばかりの植林作業を、映像とはいえ目の当たりにしてこういうことかと腑に落ちた。

 

渡辺智史監督は、「消費者が幅広い知識を求めて食を楽しめば、生産者も刺激を受けて農業が喜びに満ちたものになる」と言う。その気になれば「アル・ケッチャーノ」にも行けるし、佐藤さんの甚五右エ門芋だって芋煮会に行けば食べられる。でも探してみれば身近にも、それぞれの地域の宝を育てる人、その素材を生かしたお店を開く人、それらをマルシェやイベントを通じて広める人たちがいる。 「チルチンびと広場」もそういう方たちに次々と参加してもらっている。まだまだ数は少ないけれど、そんな幸運な出会いのひとつのきっかけになれたら嬉しい。

 

風土と命、生産者と消費者、みんな繋がっている。 何を食べるのか? を強く突きつけられるのではなく、自然にこんな食べ物を選びたいと思えるような、優しくて美しい映画です。 「よみがえりのレシピ」は、10月20日(土)から渋谷ユーロスペース、その後全国順次公開だそう。 たくさんの人に届きますように。

公式サイト http://y-recipe.net/

 


志鎌猛さん「時の箱庭」展へ

 

 

絵なのか、写真なのか?昔なのか、今なのか?日本なのか、海外なのか?

その境目がわからなくなるような、深くて温かく、幻想的な光景が広がる。意外にも被写体は井の頭公園であったり、北海道であったり。えええー!?見たことがあるあの光景が、こんな風に?


志鎌さんは一日で一回しかシャッターを押さない時が多いそうだ。とシス書店エビス顔、佐々木さんが教えてくれた。プラチナ・パラジウムプリントという、手間のかかる印画法を用いて、雁皮紙という、薄くて美しい手漉き和紙に焼き付けるそう。シャッターを押す瞬間から、作品に仕上がるまでの気の遠くなるような非常に非常に繊細な作業の積み重ねが、この作品の奥行きの秘密なのだった。

あまりにも優美な作品の数々に、しばし言葉を失って見惚れてしまった。こちらの展示は、残念ながら9月いっぱいでもう終わり。ご本人に会ってみたかった。

 

店内も、時代や場所を忘れてしまうような、宝箱みたいな場所。あちこちに発見がある。引出しをあければ、いままでにこの場所で繰り広げられた、いろんな世界がとびだしてくるのです。

 

次回 巌谷國士 / 桑原弘明 「窓からの眺め」展は10月6日(土)から。旅の写真と、スコープオブジェ。今度はどんな世界を見せてくれるのだろう。楽しみです。

 

 


山形に行ってきました

 

週末、昨年から気になっていた最上伝承野菜農家 森の家さん主宰のイベント「芋祭」の芋煮会に参加しました。開催地は、山形県の中でも秋田寄り、新庄市から送迎バスが迎えに来てくれて真室川というところ。きっと涼しいだろうな~という期待は見事に破れ、まだまだ猛暑真っ最中。汗だくになること間違いナシ!と覚悟していただいてみた。しかし真っ白で柔らかくほっこりとした上品な里芋とネギと大きくて風味豊かなタケを醤油ベースの芋煮は、なんともあっさり、思わずおかわりをしたくなるほど美味しかった。イベント会場は畑の中。芋煮や農家のお母さんたちの野菜たっぷりの美味しい料理や、芋掘りワークショップをしている人たち、地元の農家さんやお店によるマルシェへの人だかりで想像以上に賑わっていた。主催者として忙しそうに飛び回られている森の家20代目の佐藤春樹さんをつかまえてお話をうかがったところ、ご自分の畑でつくられている甚五右エ門芋さわのはな以外にも、周囲の伝承野菜農家さんのことも知ってほしくて、パンフレットを作ったり、今年3回目となるこのようなイベントを開催しているとのこと。先祖代々伝わる野菜を一人でも多くの人に食べてほしい、という熱い想いから生まれていたのですね。今度は車で来て、ぜひ芋掘りをしてみたい。

 

ちなみに、山形に着いてから、出会う人出会う人「芋煮会ね!先週いってきましたよー」「芋煮会!楽しそうですね、うちも明日家族でやりますよ」「この時期になるとスーパーで芋煮のために鍋を貸してくれるんですよ」と口を揃えるほど、この季節山形では芋煮会はポピュラーなお祭り。毎年9月の頭に行われる有名な馬見ケ崎川の芋煮会では、直径6メートルの大鍋で3万食分の芋煮が振る舞われ、使われるサトイモはなんと3トンだそう。今年はさぞかし暑かったでしょうね・・・。

 

山形といえば、鋳物でも有名。前泊した山形市内の長文堂さんで見せていただいた鋳物の姿は、鉄瓶といえば南部鉄器と思い込んでいた私にはとても新鮮だった。山形鋳物の特徴は「薄肉美麗」だそうだが、その言葉通りの繊細な美しさ。蓋のつまみのデザインがひとつひとつ違っていたり、注ぎ口の滑らかさ、色にしてもアンティークのような風合いに柔らかさ、優しさと上品さがある。数えきれないほどの作業工程と長い日数をかけて行う伝統工芸士の技を求めて、海外から直接こちらに買いにくることもあるそうだ。

 

また、市内を歩き回っていると、古い洋館を使用した病院や、蔵をリノベーションしたカフェ、ギャラリーや美容室など、古い建物を活用している様子も多く見られた。その一つ、蔵オビハチさんで出会ったスタッフの方が「芋煮会」のルーツを教えてくれたり店名の由来を説明してくれたり、やけに土地のことに詳しい。この人は一体何者なのか?と思っているとお店に来ていた男性を紹介してくださった。この方は東北芸術工科大学教員の廣瀬氏、風土研究と生態学、近自然工法の応用(土地の植物を計画対象地に移したり、土地の石を積んだり敷いたりすることを基本に、人間の居場所をつくる)というご自分の専門分野を生かし、震災前から早戸温泉遊歩道を手がけられたり、浪江の風景を絵葉書に残されたり、震災後も石巻市雄勝町支援活動や、 エネルギーシフトと三陸の生業復興試案など、さまざまな復旧復興支援活動を行っている方だった。ちょうど本日から今年の早戸温泉遊歩道施工実習を開始されたそうだ。 前出のお店のスタッフさんは廣瀬氏のゼミの1期生、三浦さん。どうりで地域の歴史に詳しいわけだった。

その他にも鹿児島で訪ねたしょうぶ学園さんなどをモデルに活動されている桜舎さんなど、自分たちの足だけではとても見つけられない情報を教えてくださった山形まなび館・穀雨カフェの飯塚さん、その飯塚さんをご紹介くださった東北芸術工科大学研究支援室 山形エコハウスの亀岡さん、森の家さんのHPも手がけられ、地元に関わるさまざまなデザインを手がけられているアカオニデザインさん・・・地域を愛する方々のつながりに支えられて、今回もいい出会いに恵まれました。どうもありがとうございました!

 


木の家づくり勉強会にいってきました

 

先日、和工務店さんにお誘いを受け、「家づくり勉強会」にお邪魔してきました。講師は植林から製材までを一手に行う、紀州の材木店山長商店の真鍋淳弘氏。植えて育て→伐採する→植えて育てる→・・・という想像以上に手間のかかる作業を連綿と守り伝え、良質の木材を提供し続けている山長商店さんならではの経験と知識をもって、木材のことをわかりやすく丁寧に教えてくださった。

 

まずは植林作業の話から始まった。「森林を守る」「続・森林を守る」でもお伝えしてきているように、木を育てる=山を守り育てる=自然環境を守ること。良質な木材は健やかな山から育つ。山長さんでは江戸末期からこの「育林事業」に並ならぬ情熱を注いでいる。1ヘクタールあたりに植える苗木の数から、十分な栄養分を与えるための入念な雑草刈り、日光が十分行き渡るように木を間引く作業、杉と桧で植える場所が違う「適地適木」。そんな気の遠くなるような時間と労力のかかる作業を経て育った20数メートルの木から、取れる柱(3mもしくは6mのもの)、何本だと思いますか? という真鍋さんからの問いかけに、5,6本ぐらいかな。と思っていたら・・・正解はなんと1本! 山肌に近い部分は、木が真上に育とうとするため「応力」があって曲がる力がかかっていたり太すぎる、かといって上の方は細すぎるらしいのだが、1本とはびっくりした。さらに製材した後のテスト、強度や水分などのチェックも厳しい。いい素材をつくるための努力には終わりがない。何事もこだわるということは大変な作業の連続、そして継続なのだ。

 

柱の一部を実際持ってきてくださったので見て、触って、嗅がせてもらったけれど、本当に見た目も素晴らしく美しいし、いい香り。しかも、本物の木は鉄よりも強度があって火にも強い、つまり災害に強い。本物の木の家の良さを素材面から詳しく教わることができた。参加しているお施主さんたちもやはり自分たちの住む家のこと、それは熱心に聴き入り、積極的に質問されていたが、そうでない私にも面白く、とても勉強になる内容でした。

 

和工務店さん、山長商店・真鍋さん、ありがとうございました!

和工務店 家づくり勉強会 


北鎌倉の夏

 

舟あそびさんの紹介で「デンマーク工芸10人と中野和馬展」を観に、北鎌倉古民家ミュージアムを訪ねた。北鎌倉の駅を降りてすぐ、古都の風情を感じる円覚寺門前を通り過ぎると、この周辺の落ち着いた景色にしっくりとなじむ古民家があらわれる。鉄のシャンデリアや、格調高い家具などが品よく配置され、展示されたタペストリーや陶磁器もとても美しく映え、展示されている作品もさることながら、その空間がどれだけ重要か教えてくれる美術館だった。

 

作品はどれも素晴らしく個性的で、美しくて、面白いものばかり。アーティスティックなデンマーク工芸の中で、今回唯一の日本人、中野和馬さんの絵画のような躍動感に満ちた陶芸作品も異彩を放っていて惹きつけられた。そして、ひときわ可愛い!!これ全部欲しい!!!と気持ちが泡立って落ち着かなくなるほど素敵なキースティン・スロッツ (Kirsten Sloth) さんという陶芸家の作品に出会ったのは、今回の大きな収穫。どれもこれも、可愛らしく端正で、繊細で、素朴さや重厚さもあり、眺めても眺めても楽しく、嬉しくなっていく・・・

 

今回の主催者、工藝サロン梓の田中政子さんが、デンマークの陶芸事情について訳してくださった資料のこんな一文に目がとまった。

 

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少数の若い作家たちは、すでに自分の工房で優れた功績を残し、広く一般社会にも活力を与える存在になっています。彼らは特定の形式に縛られることを嫌う傾向があり、世界中の伝統工芸から示唆を得ながら、彼らが表現したい理念に沿って素材と技法を選んで自由な制作活動を行っているのです。

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社会に閉塞感があるのは、日本だけではない、デンマークもそう。でも、どうもデンマークのほうがずっと元気がある気がします、と田中さんはおっしゃっていた。個人の自由な感性を大切にする土壌があるから?自分の表現に強い誇りを持って突き進む力があり、かつ縛られることを嫌う、周囲もそれを許す寛大さがあるのだろう。作品を観る側の問題なような気もする。受け止めるほうのアンテナが鈍っていると、どんなにいい作品を作ろうとしても作り手だって元気はなくなる。本当にいいものをいい!と感じ取れる力を、鈍らせたくないと思う。

 

※「デンマーク工芸10人と中野和馬展」は、明日9月5日(水)まで。今後「デンマーク工芸10人展」のみ、以下で巡回展の予定です。

2012年9月21日(金)〜10月2日(火) 「ガレリア表参道(長野市)」長野市東後町21 グランドハイツ表参道弐番館 TEL 026-217-7660

2013年4月13日(土)〜21(日) しいのき迎賓館ギャラリーA,B (石川県金沢市) 問い合わせ先:ギャラリー舟あそび 076-882-3960

 

 


アトリエの夏

週末、画家・橋本憲治さんを訪ねて栃木へ。

 

各方面で“山道を越えて辿り着く家”に免疫のついた私でも「え、ここ!?」と不安になるぐらい、山道を奥へ奥へいく。ずーっといく。つきあたりまでいくと、壁際に薪が高く積まれた、大谷石の土台のある家が現れた。元は陶芸家の方の住まいだっただけあって、今は残念ながら、震災でめちゃめちゃに崩れてしまっているが、大きな登り窯もある。

 

電話の口調通りの穏やかな雰囲気の橋本さんが迎えてくれて、1階のアトリエを通り過ぎ、2階のリビングへ通される。高い天井にファンが回る。ゆるゆるとたゆたう夏の空気に包まれてどんどん気持ちがくつろぐ。奥さまが淹れてくれた美味しい珈琲と自家製オレンジピール入りのケーキや、懐かしい感じの炭酸水、瑞々しいお漬物などなどを勧められるがままいただいたりしているうちに、気分はすっかり夏休みの親戚宅・・・ふと、仕事ということを思い出し(おいおい)、アトリエに案内されて、橋本さんの作る青色世界に囲まれると、またリラックス・・・うっかり仕事モードを忘れるムードが満載のアトリエなのだ。

 

帰り道、アトリエから下ってすぐのところにある那珂川(関東随一の清流だそう!)で、鮎を眺めたり、川に入ってみたり、橋本さんに教えてもらった「山法師」というお寿司屋さんで予約のお客さんが入る前に美味しい寿司をつまんだり。帰りの高速では、あちらこちらで花火も上がっていた。いい夏の締めくくりだった。

 

画家・橋本憲治さんの魅力に迫る次回connect栃木は、9月12日頃にアップ予定です。どうぞお楽しみに。

 

 


つちもの、キレもの五人衆展

 

事務所からの至近距離にある「花田」さん。

現在の展示「つちもの、キレもの五人衆-次代を創る実力派、競演-」(8月25日(土)まで)は、チルチンびと広場にもご登場いただいている 八木橋昇さんや工藤和彦さんが出展されているということで、vigo、kuroとともに出かけてみた。

外側ブルーが中が薄い黄色いの釉薬がかかった器、乗せるものがあれこれ浮かんでしまって、これ、いいなーと思っていたらいつのまにかvigoが購入していた。シンプルな白泥の大皿もいいし、面取りしたポットも格好良い。

ひととき、器と向き合う時間は心和む・・・はずが、物欲がむくむく湧いてきて心騒ぐのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

展示も美しいのです。

店を出ると、もう薄暗い時間帯だったけれど、外はまだまだ蒸し暑い。

こんな暑さの中、焼物、鋳物、吹きガラスなどの作家さんはもう、どんだけ、どんだけ、暑いことだろう。チルチンびと広場の作家様方々、くれぐれも熱中症には、気を付けてくださいね!

 

 


オトナの工場見学

子どもの頃は、ただの苦い炭酸水、なんで父親はあんなものをおいしそうにゴクゴクと飲むんだろう? 不思議でたまらなかったのに、いつしか、これなしで夏を乗り切ることは、焼き鳥を食べることは、宴会がはじまることは、無理です!というほど日頃お世話になっている。素晴らしい飲み物、ビール。発明した人、エライ。

 

引っ越してまだ日が浅いので、周辺の目ぼしい場所を少しずつ開拓中なのだがその中に、某社ビール工場がある。ここで工場見学を行っているという情報をなぜだか飲めない夫が嬉々として発見。予約をしてくれた。私も久しぶりの工場見学、そしてなんといっても「試飲」という響きに惹かれて楽しみにしていた。幸い今日は快晴、入道雲も夏ムードを演出してくれて、これ以上はないビール工場見学日和になった。夏休み中とあってか、親子連れも多く、送迎バスも大賑わいで遠足気分を味わった。

 

いつも何気なく飲んでいるビールだけど、環境に配慮し、美味しい水を大切にし、ホップも厳選し、発酵から熟成、ろ過、そして缶詰作業後の幾度にもわたる検査、それらの工場から出る廃棄物を20数種類にも分別してリサイクルをしていることなどなど、初めて知ることだらけ。そして、お待ちかねの試飲タイム。確実にいつも飲んでるのよりも美味しい!出来立てだからなのか、保存温度がいいのか、注ぎ方がうまいのか、そのすべてなんだろうけれども、表現ながら泡だけずっと味わっててもいいぐらいのクリーミィな泡。そのあとにくるビール本体?も薫り高く、のどごしまろやか。なんと3杯までお代わり自由の太っ腹ぶりで、しかし与えられた時間が短いので、みんな一気に飲み干す飲み干す(笑)少しほろ酔い、いい気分なので、帰りのバスは当然行きよりもにぎやかだった。

 

たった60分だったけど、大人にも楽しい、夏の工場見学ツアーでした。

 

☆ビールの美味しい注ぎ方

1 まずビールグラスは冷蔵庫でよく冷やしておく

2 グラスは真っ直ぐのママ、できるだけ高い位置から思い切りよくビールを注ぎ、泡立たせる。

3 泡が落ち着いたらグラスを傾けて静かに注ぐ。

4 ビールと泡の比率が7:3がベスト!