志鎌猛さん「時の箱庭」展へ

 

 

絵なのか、写真なのか?昔なのか、今なのか?日本なのか、海外なのか?

その境目がわからなくなるような、深くて温かく、幻想的な光景が広がる。意外にも被写体は井の頭公園であったり、北海道であったり。えええー!?見たことがあるあの光景が、こんな風に?


志鎌さんは一日で一回しかシャッターを押さない時が多いそうだ。とシス書店エビス顔、佐々木さんが教えてくれた。プラチナ・パラジウムプリントという、手間のかかる印画法を用いて、雁皮紙という、薄くて美しい手漉き和紙に焼き付けるそう。シャッターを押す瞬間から、作品に仕上がるまでの気の遠くなるような非常に非常に繊細な作業の積み重ねが、この作品の奥行きの秘密なのだった。

あまりにも優美な作品の数々に、しばし言葉を失って見惚れてしまった。こちらの展示は、残念ながら9月いっぱいでもう終わり。ご本人に会ってみたかった。

 

店内も、時代や場所を忘れてしまうような、宝箱みたいな場所。あちこちに発見がある。引出しをあければ、いままでにこの場所で繰り広げられた、いろんな世界がとびだしてくるのです。

 

次回 巌谷國士 / 桑原弘明 「窓からの眺め」展は10月6日(土)から。旅の写真と、スコープオブジェ。今度はどんな世界を見せてくれるのだろう。楽しみです。