staff

新しい海へ

ユージーン・スタジオ   新しい海

 

『ユージーン・スタジオ   新しい海』展がひらかれている。

展覧会のパンフレットに、曰く、
「ユージーン・スタジオは、寒川裕人(Eugene Kangawa.1989年アメリカ生まれ)による日本を拠点とするアーティストスタジオで、平成生まれの作家としては当館初となる個展です。……」
「……本展覧会は、平面作品から大型インスタレーション、映像作品、彫刻作品等で構成され、代表作〈ホワイトペインティング〉シリーズ(2017~)や《善悪の荒野》(2017)から未発表の最新作までを一堂に会し、ユージーン・スタジオの多岐にわたる活動に通底する視点や発想、哲学を紐解くものです。……」

この展覧会は、2月23日まで。東京都現代美術館で。

 


続・田原町「といしや」復活

田原町「といしや」

田原町「といしや」

 

田原町の「といしや」が、復活したという先日のブログを読んで、早速、行って来ました、というひとがいた。ありがとうございます。「当分の間、午前中だけ営業」と店主の話。

店内は、以前と違い、すっかりきれいに片付いている、前は、左右の棚、真ん中のテーブルの上も下も、床も全部、といしで埋まっていた。わずかの隙間の土間のようなところに腰掛けて。親しくなったご主人の野村さんといろいろな話をした。話しているとポツンポツンとお客さんがきた。ある日、いなせな感じの男が入ってきた。野村さんとの会話をきいていると、いかにもプロというふうにみえた。 といしを一つ持って外へ出て行った。
「彼は、とぎ師なんだ」。車にといしを積んで美容院、料理屋などを回って職人のハサミや包丁などを研ぐのが商売。「いま、試しに持っていったといしでなんか研いで来るけど、絶対に触っちゃいけないよ。彼が研いだものは触っただけでキレるから」。ほどなく 、光る包丁を片手にかざして、彼が店に入ってきた。ふつうなら問題風景だが、ここでは商売柄、日常の風景。「いい石だ」というようなことを、彼は言って、かなりの額の金を払って購入した。来週から、ヨーロッパを回って仕事をしてくる、と言って帰っていった。

………

「ある砥石やのものがたり」はコチラからごらんいただけます。

 


江戸の滑稽

江戸の滑稽 幕末風刺画と大津絵

 

『江戸の滑稽 幕末風刺画と大津絵』-田河水泡コレクションを中心に-展 (町田市立国際版画美術館)のプレスリリースから。

みどころ1
混乱の時代をユーモアで乗り切ろうとする風刺画から、素朴な滑稽さが魅力の大津絵まで、想像力あふれる表現がたくさん!
みどころ2
変幻自在な表現を武器に幕末の世相を描いた歌川国芳をはじめ、歌川広重、河鍋暁斎、一惠斎芳幾、月岡芳年、小林清親ら人気絵師が大集結!
みどころ3
「吉例浮世絵大公開!」は、桜の開花シーズンに合わせて開催する浮世絵展のシリーズ。春の芹ケ谷公園へのお出かけをお楽しみください。
…… と、こんなふうに、みどころが 紹介されている。コロナの時代だつたら、どう描かれたか。

この展覧会は、3月12日~4月10日まで、町田市立国際版画美術館で開催の予定。

 


「シダネルとマルタン展」のプレスリリースから

シダネルとマルタン展

 

『シダネルとマルタン展』。「最後の印象派、二大巨匠」というサブタイトルがついている。さらに、「ベル・エポックのフランス、印象派の“末裔”が描いた光と詩情」というキャッチフレーズ。
そして、パンフレットには、こういう解説もある。
〈……二人は深い友情で結ばれ同じ芸術観を共有しながらも、それぞれの活動拠点に由来して、異なるその表現を追求します。シダネルは北フランスに特有の霞がかった柔らかな光を、マルタンは、南仏の眩い光を描き出しました。本展では、世紀末からモダニズムに至るベル・エポック期に、独自の絵画世界を展開した二人の道のりを、約70点の油彩、素描・版画を通して辿ります。〉

………

『シダネルとマルタン展』は、SOMPO美術館で、3月26日~6月26日までひらかれる予定。

 


『白井晟一展』入門

白井晟一 入門

 

白井一 入門』(「渋谷区立松濤美術館」1月30日まで)が開かれている。

〈 白井(1905~83)は京都で生まれ、京都高等工芸学校(現京都工芸繊維大学)図案科卒業後、ドイツで哲学を学ぶなど異色の経験をもつ建築家てす。林芙美子などと交流した滞欧期をを経て帰国後、義兄の画家・近藤浩路の自邸の設計を手掛けたことを契機に独学で建築家への道を進みました。その後《歓帰荘》、《秋ノ宮村役場》といった初期の木造の個人住宅 ・公共住宅から、《親和銀行本店》《ノアビル》《渋谷区立松濤美術館》など後期の記念碑的建築まで、多くの記憶に残る作品を残しました。そのユニークなスタイルから哲学の建築家などとも評されてきました。……〉という紹介が、展覧会のパンフレットにある。「中公新書」の装丁なども、手掛けている。

 

白井晟一  、建築を語る

白井さんは『白井 、建築を語る』(中央公論新社刊)のなかで、こんな話をしている
「わたしらはいつも、仕事の中で初めから終りまで社会と人間諸関係の問題や、創作へ凝集する熱情と批判精神との不断な格闘にさらされている。こういうメンタルな実存的作業は、他(ひと)の眼には見えない。石を積み、板を張る、或は浄気を通わせるというような表象上の作業のつだって、実はこのメンタルな重い作業が支えているんだが、これは人格の施主には通じなくても、非人格の建築そのものという施主には悉く照応しているんだよ。」

現在は、その展覧会の第二部「Back   to   1981  建物公開』公開中。

 

渋谷区立松濤美術館


『香月泰男展』へ、ご案内

香月泰男展

 

〈太平洋戦争とシベリア抑留の体験を描いたシベリア・シリーズにより、戦後美術史に大きな足跡を残した泰男(1911-74)の画業の全容をたどる回顧を開催いたします。………では、シベリア・シリーズを他の作品とあわせて制作順にします。この構成は、一人の画家が戦争のもたらした過酷な体験と向き合い、考え、描き続けた道のりを浮かびあがらせるでしょう。……
戦争が遠い歴史となり、その肌触りが失われつつある今、自身の「一生のど真ん中」に戦争があり、その体験を個の視点から二十年以上にわたって描き続けた、「シベリアの画家」康男の創作の軌跡にあらためて迫ります。〉
というのが、この覧会の案内に書かれたみどころ、狙いということになる。「泰男』は26日から327日まで、練馬区立美術館で。


田原町「といしや」復活!

田原町「といしや」

 

この「広場」に、かつて掲載された「ある砥石屋のものがたり」を、ご記憶の方、いらっしゃるでしようか。

地下鉄・田原町駅近くに「といしや」という、そっけないというか、わかりやすいというか、そんな看板を見かけ、気になっていた。この店の方にインタビューしてみたい。訪ねて、お願いすると、あっさり断られた。取りつくシマもないとはこのことか。ガンコが着物を着ているような人。ご挨拶にと、持って行ったミカンも、「持って帰ってくれ」。それでも諦めずに四度、五度。やがて「いいよ」という返事をくれた。砥石屋四代目・野村博さん。いい味の話だった。あれからもう、9年以上年たつ。(いまでも、コチラから、その話はごらんいただけます。よろしかったら、どうぞ)

インタビューの後も、何度か遊びにうかがったが、ある時から、お店のシャッターがおりたままになった。それが、何年も続いた。もう、だめなのか。ところが今日、通りかかってみると、新装開店している。ええっ。出てきたお店のひとは、「あのおじさんは、8年前に亡くなりました。僕の父の兄に当たるんです」と言った。「なんとか、天然砥石を続けたいと思いまして、去年10月から始めました」。「うれしいですよ、また始まって」と言うと「お客さんは、みなさん、そうおっしゃってくれて、ありがたいことです」と彼は答えた。


Manu Mobilesさんのモビール、T V出演のお知らせ

Manu Mobiles

 

モビールを通じて様々な物語や暮らしへの問いかけを届けてくださるコラム、「続・紙と糸でつむぐ物語」を執筆いただいておりますManu Mobilesさんのモビールが1月20日(木)21時からスタートするテレビ朝日系列ドラマ「となりのチカラ」にご登場されます!
松本潤さん演じる主人公が暮らすお部屋をはじめ、たくさんのモビールが登場とのことですよー。
予告編「虹のふもとで」がチラリ写っています♪ ぜひご注目ください!

 


『世界を魅了した浮世絵 ー ジャポニスム』展 千葉市美術館のお誘い

『世界を魅了した浮世絵 ー ジャポニスム』展

 

〈19世紀後期~20世紀初めにかけて、大量に海を渡った日本の美術工芸品は、西洋の美意識に大きな影響を与え、ジャポニスムという動向として広がっていきます。中でも浮世絵版画は、多くの西洋画家たちに直接影響を与えたことが知られています。西洋の芸術家たちが浮世絵に出会った時、何を新しいと感じ、感動し、自らの芸術に取り入れようとしたのでしょうか。………〉
と、展覧会のパンフレットは、紹介している。
そして、このほかパンフレットには、大浪のインパクト、色彩としての黒、鳥の目 空飛ぶ浮世絵師、驟雨 自然、瞬間、風情……といった言葉が、踊っている。

展覧会は1月12日から3月6日まで。千葉市美術館で開かれる予定。

 

 


春の青

新宿伊勢丹

 

春の青 、その香り。あけましておめでとうございます。

今年も、きてしまいました、新宿伊勢丹。いやなに 、福袋目当てではありません。門松です。 もう毎年のことなので、いまさらご説明しなくても、と思いますが、まあ、為念。
この「広場」連載の「あの竹 この竹」(竹工家・初田 徹)の「冬の青、春の青」の回で、正月、都内の門松を探訪する話があり、竹の素晴らしさナンバーワンとして、新宿伊勢丹の門松が選ばれていた。専門家の推す門松を眺めるのが新年恒例の行事。それがどう伝わったのか、昨年はNHKテレビ「チコちゃんに叱られる」に、ブログの写真が使われたりした。
今年もまた、スックと背高く立つ青竹。その青さから、春の香りがただよってくるようで、満足した。

いつも、この「広場」をご贔屓にしてくださる、皆様。あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます。

 

「チルチンびと広場」スタッフ一同