『白井晟一展』入門

白井晟一 入門

 

白井一 入門』(「渋谷区立松濤美術館」1月30日まで)が開かれている。

〈 白井(1905~83)は京都で生まれ、京都高等工芸学校(現京都工芸繊維大学)図案科卒業後、ドイツで哲学を学ぶなど異色の経験をもつ建築家てす。林芙美子などと交流した滞欧期をを経て帰国後、義兄の画家・近藤浩路の自邸の設計を手掛けたことを契機に独学で建築家への道を進みました。その後《歓帰荘》、《秋ノ宮村役場》といった初期の木造の個人住宅 ・公共住宅から、《親和銀行本店》《ノアビル》《渋谷区立松濤美術館》など後期の記念碑的建築まで、多くの記憶に残る作品を残しました。そのユニークなスタイルから哲学の建築家などとも評されてきました。……〉という紹介が、展覧会のパンフレットにある。「中公新書」の装丁なども、手掛けている。

 

白井晟一  、建築を語る

白井さんは『白井 、建築を語る』(中央公論新社刊)のなかで、こんな話をしている
「わたしらはいつも、仕事の中で初めから終りまで社会と人間諸関係の問題や、創作へ凝集する熱情と批判精神との不断な格闘にさらされている。こういうメンタルな実存的作業は、他(ひと)の眼には見えない。石を積み、板を張る、或は浄気を通わせるというような表象上の作業のつだって、実はこのメンタルな重い作業が支えているんだが、これは人格の施主には通じなくても、非人格の建築そのものという施主には悉く照応しているんだよ。」

現在は、その展覧会の第二部「Back   to   1981  建物公開』公開中。

 

渋谷区立松濤美術館