『虹のふもとで』(英題:Under the Rainbow)2015年5月製作
 
『虹のふもとで』(英題:Under the Rainbow)
2015年5月製作

「うちの子は乗り物が好きなので、クルマのモビールは無いのかしら?」という意見は、以前からたくさん頂いていました。確かに、自分の子どもの頃を考えても、クルマのおもちゃはとても身近にあって、よく遊んでいた記憶があります。後ろに引くと走る小型のクルマに始まり、ミニカー、ラジコン、プラモデルなど、メカニックなものは今でも男の子に人気があるのではないでしょうか。

そんなママと男の子たちのために、「クルマ」や「飛行機」の乗り物をメインにしたモビールを作ろう、と思いました。じつは一番初めは「恐竜島の大レース」のようなタイトルで、恐竜とレトロなクルマが巨大な島を回るようなものを構想していました。でもスケッチの段階で、最初のママの声が響きました。やっぱりここは、ママと男の子の両方に気に入ってもらえるものを作りたい。ママにも気に入ってもらえて、男の子の感性にも訴えかけるようなモビール。今までで一番時間がかかりました。メカニックな部分を強くすると、可愛くなくなるし、あまり可愛すぎると今度は男の子の感性に引っかかるものがなくなる。子ども部屋に飾って、何か夢が膨らむようなモビールが良いなぁ。

虹のふもとで最初に浮かんだのは、空に架かる大きな「虹」でした。その下に男の子の好きな「飛行機」を飛ばそう。最初はシンプルな旅客機だったのですが、可愛さを出すためにイヌが操縦するエアプレインに変えました。「気球」もやっぱり欲しいなぁ。そして、いよいよ「クルマ」が地上を走る。何か物足りないから、そうだ、「鳥」も飛ばそう。架空の都市をイメージしたら、急にするすると決まっていったのです。そして、タイトルはすぐに浮かびました。「虹のふもとで」。

虹のふもとでこの虹の下のどこかに母と子の住む家があって、その周りをクルマが走り、飛行機が飛ぶ。架空の都市ではありますが、実際に住んでいる町とリンクするような、そんなモビールになっているといいなぁ。モビールが飾ってある部屋の窓を開けると、空に虹が架かっているなんてことも、どこかの町では起こるのかもしれません。