日本でもハロウィンの風習が盛んになってきました。僕が子どもの頃には存在すら知らなかったのですが、現代の子どもたちには、もはや必須の習慣と言ってもいいのかもしれません。カボチャのオバケに扮した子どもたちが「トリック•オア•トリート(お菓子をくれないと、悪戯するよ)」と言って別の子どもたちの住む家を回るのです。日本ではその習慣よりも“仮装”の方に焦点が当たっていて、子どもだけでなく大人たちも、いや、大人たちこそその時期ばかりは俗にいうコスプレをして、パーティーをしたり街を闊歩したりする様子があちらこちらで伺えます。
僕はと言えば、そんな盛り上がりとは無縁な人間で、コスプレもしたことがなければ、いくらハロウィンという理由があろうと、仮装することに気恥ずかしさを感じてしまう質なので、いささか乗り遅れている感は否めないのです。かといってそんな風習が嫌いというわけではなく、何か別の形ででもお祝いできたら良いなあと常々思っていました。僕にできることと言えば、もちろんモビールを作ること。きっと仮装は苦手でも、ハロウィンを祝いたいという人はたくさんいるに違いない。
モチーフはすぐに決まりました。主役はもちろんカボチャのオバケ。シーツのオバケに魔女、コウモリ、それから黒猫にフクロウも。“ハロウィンオールスターズ”といったところでしょうか。ハロウィンの夜、月灯りが照らす下でオバケたちが集い、そのさらに下では仮装した子どもたちが別の子どもたちをおどかしていたり、パーティーをしたりしているところ…。
昨年から発売しているのですが、ハロウィンのブームも相まって、なかなか好評をいただいております。お客さんから言われて嬉しかったのは「ハロウィンってまだクリスマスほど昔からあるものじゃないから、こういう丁寧に作られたグッズがないのよね」確かにそうかもしれない。ハロウィンは仮装のイメージが強いので、一回だけの使い切りのような商品が多いのかもしれませんね。仮装に積極的な方も僕のように苦手な方も、それぞれの楽しみ方でハロウィンをお祝いしてくださいね。モビールが、主役とは言わないまでも、お祝いの演出に一役買えたら嬉しいです。
- 「紙」と「糸」だけで製作された新しいタイプのモビールを製作する、名古屋のモビールメイカー「マニュモビールズ」代表。日本発のプロダクトを日夜研究し、世界中の家庭へ届ける事を目標に活動中。