「天使とモミの木」(英題:Around the fir tree)2014年11月製作
「天使とモミの木」(英題:Around the fir tree)
2014年11月 製作

「サンタクロースって本当にいるの?」

もう幾度となく繰り返されて来たであろう、この問いかけ。これだけ情報が溢れる世の中でも、子供たちはやっぱりサンタクロースの存在が気になって仕方ないんじゃないだろうか。 僕が子供だった頃も、やっぱり同じようにサンタクロースを待ち望んでいて、トナカイに乗ってやってくることを信じて疑いませんでした。家には煙突がないのに、どこから入って来るんだろう? なんて思いながらも、クリスマスになると枕元に靴下を用意して、プレゼントを期待しながら眠りにつく。何歳までサンタクロースの存在を信じていたかは憶えていないけれど、とにかくクリスマスが来るというだけで嬉しくて、12月になると理由もないのにウキウキしていた気がします。

普段文化の違いがはっきりあるような国でも、このクリスマスというイベントだけは、ヨーロッパからアジア、中東に至るまで、ほとんど同じように祝われ、同じように愛されているから不思議です。たとえばオーストラリアなどの南半球に位置する国は、クリスマスの時期は夏なのでサンタクロースがサーフィンに乗ってやってくるという話は有名だけど、それぞれの国で独自のサンタクロースが生まれてきても面白いのになぁと思う。日本だったら、ちょんまげに侍のような格好をしたサンタでしょうか。それとも、いまなら“ゆるキャラ”が生まれてくるのかな。
天使とモミの木

じつは、今回クリスマスのモビールを作るにあたって、サンタクロースを描くべきか悩みました。日本らしいモビールに、西洋で生まれたサンタクロースは必要なのだろうか、と自問したのです。でも、答えはすぐに出ました。「クリスマス」にそんな硬い考えは必要ない。僕が子供の頃と同じように、クリスマスをワクワクしながら待ちわびる子供たちに愛されるようなモビールを作りたい。

天使とモミの木タイトルは「天使とモミの木」。
モミの木(クリスマスツリー)の周りを回る2人の天使は、そんな子供たちをイメージしました。その上には、子供たちが空想で描いたサンタクロースとトナカイの姿。もうプレゼントを置いて来たところかな? そんな想像が膨らむようなモビールになっていたら、嬉しいな。

「サンタクロースって本当にいるの?」
そんな問いかけが永遠に続きますように。