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続・田原町「といしや」復活

田原町「といしや」

田原町「といしや」

 

田原町の「といしや」が、復活したという先日のブログを読んで、早速、行って来ました、というひとがいた。ありがとうございます。「当分の間、午前中だけ営業」と店主の話。

店内は、以前と違い、すっかりきれいに片付いている、前は、左右の棚、真ん中のテーブルの上も下も、床も全部、といしで埋まっていた。わずかの隙間の土間のようなところに腰掛けて。親しくなったご主人の野村さんといろいろな話をした。話しているとポツンポツンとお客さんがきた。ある日、いなせな感じの男が入ってきた。野村さんとの会話をきいていると、いかにもプロというふうにみえた。 といしを一つ持って外へ出て行った。
「彼は、とぎ師なんだ」。車にといしを積んで美容院、料理屋などを回って職人のハサミや包丁などを研ぐのが商売。「いま、試しに持っていったといしでなんか研いで来るけど、絶対に触っちゃいけないよ。彼が研いだものは触っただけでキレるから」。ほどなく 、光る包丁を片手にかざして、彼が店に入ってきた。ふつうなら問題風景だが、ここでは商売柄、日常の風景。「いい石だ」というようなことを、彼は言って、かなりの額の金を払って購入した。来週から、ヨーロッパを回って仕事をしてくる、と言って帰っていった。

………

「ある砥石やのものがたり」はコチラからごらんいただけます。

 


江戸の滑稽

江戸の滑稽 幕末風刺画と大津絵

 

『江戸の滑稽 幕末風刺画と大津絵』-田河水泡コレクションを中心に-展 (町田市立国際版画美術館)のプレスリリースから。

みどころ1
混乱の時代をユーモアで乗り切ろうとする風刺画から、素朴な滑稽さが魅力の大津絵まで、想像力あふれる表現がたくさん!
みどころ2
変幻自在な表現を武器に幕末の世相を描いた歌川国芳をはじめ、歌川広重、河鍋暁斎、一惠斎芳幾、月岡芳年、小林清親ら人気絵師が大集結!
みどころ3
「吉例浮世絵大公開!」は、桜の開花シーズンに合わせて開催する浮世絵展のシリーズ。春の芹ケ谷公園へのお出かけをお楽しみください。
…… と、こんなふうに、みどころが 紹介されている。コロナの時代だつたら、どう描かれたか。

この展覧会は、3月12日~4月10日まで、町田市立国際版画美術館で開催の予定。

 


「シダネルとマルタン展」のプレスリリースから

シダネルとマルタン展

 

『シダネルとマルタン展』。「最後の印象派、二大巨匠」というサブタイトルがついている。さらに、「ベル・エポックのフランス、印象派の“末裔”が描いた光と詩情」というキャッチフレーズ。
そして、パンフレットには、こういう解説もある。
〈……二人は深い友情で結ばれ同じ芸術観を共有しながらも、それぞれの活動拠点に由来して、異なるその表現を追求します。シダネルは北フランスに特有の霞がかった柔らかな光を、マルタンは、南仏の眩い光を描き出しました。本展では、世紀末からモダニズムに至るベル・エポック期に、独自の絵画世界を展開した二人の道のりを、約70点の油彩、素描・版画を通して辿ります。〉

………

『シダネルとマルタン展』は、SOMPO美術館で、3月26日~6月26日までひらかれる予定。

 


『白井晟一展』入門

白井晟一 入門

 

白井一 入門』(「渋谷区立松濤美術館」1月30日まで)が開かれている。

〈 白井(1905~83)は京都で生まれ、京都高等工芸学校(現京都工芸繊維大学)図案科卒業後、ドイツで哲学を学ぶなど異色の経験をもつ建築家てす。林芙美子などと交流した滞欧期をを経て帰国後、義兄の画家・近藤浩路の自邸の設計を手掛けたことを契機に独学で建築家への道を進みました。その後《歓帰荘》、《秋ノ宮村役場》といった初期の木造の個人住宅 ・公共住宅から、《親和銀行本店》《ノアビル》《渋谷区立松濤美術館》など後期の記念碑的建築まで、多くの記憶に残る作品を残しました。そのユニークなスタイルから哲学の建築家などとも評されてきました。……〉という紹介が、展覧会のパンフレットにある。「中公新書」の装丁なども、手掛けている。

 

白井晟一  、建築を語る

白井さんは『白井 、建築を語る』(中央公論新社刊)のなかで、こんな話をしている
「わたしらはいつも、仕事の中で初めから終りまで社会と人間諸関係の問題や、創作へ凝集する熱情と批判精神との不断な格闘にさらされている。こういうメンタルな実存的作業は、他(ひと)の眼には見えない。石を積み、板を張る、或は浄気を通わせるというような表象上の作業のつだって、実はこのメンタルな重い作業が支えているんだが、これは人格の施主には通じなくても、非人格の建築そのものという施主には悉く照応しているんだよ。」

現在は、その展覧会の第二部「Back   to   1981  建物公開』公開中。

 

渋谷区立松濤美術館


『香月泰男展』へ、ご案内

香月泰男展

 

〈太平洋戦争とシベリア抑留の体験を描いたシベリア・シリーズにより、戦後美術史に大きな足跡を残した泰男(1911-74)の画業の全容をたどる回顧を開催いたします。………では、シベリア・シリーズを他の作品とあわせて制作順にします。この構成は、一人の画家が戦争のもたらした過酷な体験と向き合い、考え、描き続けた道のりを浮かびあがらせるでしょう。……
戦争が遠い歴史となり、その肌触りが失われつつある今、自身の「一生のど真ん中」に戦争があり、その体験を個の視点から二十年以上にわたって描き続けた、「シベリアの画家」康男の創作の軌跡にあらためて迫ります。〉
というのが、この覧会の案内に書かれたみどころ、狙いということになる。「泰男』は26日から327日まで、練馬区立美術館で。


田原町「といしや」復活!

田原町「といしや」

 

この「広場」に、かつて掲載された「ある砥石屋のものがたり」を、ご記憶の方、いらっしゃるでしようか。

地下鉄・田原町駅近くに「といしや」という、そっけないというか、わかりやすいというか、そんな看板を見かけ、気になっていた。この店の方にインタビューしてみたい。訪ねて、お願いすると、あっさり断られた。取りつくシマもないとはこのことか。ガンコが着物を着ているような人。ご挨拶にと、持って行ったミカンも、「持って帰ってくれ」。それでも諦めずに四度、五度。やがて「いいよ」という返事をくれた。砥石屋四代目・野村博さん。いい味の話だった。あれからもう、9年以上年たつ。(いまでも、コチラから、その話はごらんいただけます。よろしかったら、どうぞ)

インタビューの後も、何度か遊びにうかがったが、ある時から、お店のシャッターがおりたままになった。それが、何年も続いた。もう、だめなのか。ところが今日、通りかかってみると、新装開店している。ええっ。出てきたお店のひとは、「あのおじさんは、8年前に亡くなりました。僕の父の兄に当たるんです」と言った。「なんとか、天然砥石を続けたいと思いまして、去年10月から始めました」。「うれしいですよ、また始まって」と言うと「お客さんは、みなさん、そうおっしゃってくれて、ありがたいことです」と彼は答えた。


『世界を魅了した浮世絵 ー ジャポニスム』展 千葉市美術館のお誘い

『世界を魅了した浮世絵 ー ジャポニスム』展

 

〈19世紀後期~20世紀初めにかけて、大量に海を渡った日本の美術工芸品は、西洋の美意識に大きな影響を与え、ジャポニスムという動向として広がっていきます。中でも浮世絵版画は、多くの西洋画家たちに直接影響を与えたことが知られています。西洋の芸術家たちが浮世絵に出会った時、何を新しいと感じ、感動し、自らの芸術に取り入れようとしたのでしょうか。………〉
と、展覧会のパンフレットは、紹介している。
そして、このほかパンフレットには、大浪のインパクト、色彩としての黒、鳥の目 空飛ぶ浮世絵師、驟雨 自然、瞬間、風情……といった言葉が、踊っている。

展覧会は1月12日から3月6日まで。千葉市美術館で開かれる予定。

 

 


土間+囲炉裏+テーブル=快適

囲炉裏テーブルを家族で囲む暖かな時間

 

『チルチンびと』冬 110号は、特集「暖かくて木の香りのする家」、 「 SDGsと住宅」、「薪ストーブカタログ2022」という、シンから暖まる三本立て。
「囲炉裏テーブルを家族で囲む暖かな時間」(設計・施工 堀田建築㈱)のお宅を訪ねると……。

〈……暮らし始めて約2カ月の感想を聞くと、ご主人は「珪藻土と木の効果なのか、湿気がまったくなくてびっくりしました」と、奥さんも「心地よくて家から出たくない感じですね」と話す。囲炉裏テーブルは週末に使って楽しんでいるそうで「土間なので飲み物とか食べ物を落としても全然気にならないのもメリットです」と使い勝手も上々だそう。「今はインテリアを考えるのが楽しいですね。自然素材の家に合う観葉植物を買ったりしています」。……〉
囲炉裏テーブルについては、ぜひ、本誌をごらんください。

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『チルチンびと』冬110号は、ただいま好評発売中。おはやめに、書店へ!

 

チルチンびと 110号 暖かくて木の香りのする家


庫裏を建て替える!

庫裏を建て替え、百年後も住み継げる家に

 

『チルチンびと』冬 110号は、いまどきの寒さにぴったりの特集。「暖かくて木の香りのする家」、「SDGsと住宅」、「薪ストーブカタログ2022」。さまざまな住宅事例の中から、ユニークな一本。「庫裏を建て替え、百年後も住み継げる家に」(設計・施工 ㈱安成工務店)は、いかが。
その書き出しから。
〈K邸が建つのは、江戸中期に建てられた重厚な佇まいの本堂の隣。石垣と植栽に囲まれた外観は、築300年の本堂にひけをとらない堂々たる風格を感じさせる。……〉 歴史ある寺の庫裏を建て替えるという、いろいろな苦心の末。
〈伝統と先進が共存する新しい庫裏は、檀家様にも好評だという。「まずは皆さん、木の香りがいいねと言ってくださいます」と話す夫妻。「住みやすく、維持管理もしやすい建物を実現することができたので、次世代、そのまた次の世代と長く住み継いでもらえたらと思っています」(ご主人)。
この建物は、山口県の東南、瀬戸内海に浮かぶ周防大島、その町なかにたたずむ、という。

……

『チルチンびと』冬110号は、好評発売中。お早めに、書店へ !

 

チルチンびと 110号 暖かくて木の香りのする家


火のあるところに煙はたたぬ

MOKIの挑戦 薪ストーブから、新しい循環を

『チルチンびと』冬 110号の特集は「暖かくて木の香りのする家」「SDGsと住宅」「薪ストーブカタログ」。その薪ストーブ特集に、「MOKIの挑戦 薪ストーブから、新しい循環を」というユニークな読み物がある。モキ製作所・茂木国豊会長の語る自社のストーブ賛歌。
「うちの薪ストーブはなんでも燃やせるのが自慢。針葉樹だって竹だって、生えてて困るものをどんどん燃やせる」と茂木会長。その秘密は、高温燃焼に耐えられる鋼板製であることに加え日、独、中、米で特許を取得した「茂木プレート」の働きが大きい。曰く、上へ向かう煙を一度プレートで邪魔をしてストーブ内で対流を起こせば、内部で燃焼か続き、より高温で効率のいい燃焼が起こるのだそうだ。高温燃焼のため煙道火災の原因になるタールも燃えてしまい、煙突掃除も楽になるという。そして、「800℃という超高温で燃えるから、煙も着火するときの温度が低いときに少し出るくらい」という薪ストーブ。
火のあるところに、煙はたたぬ。

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『チルチンびと』冬 110号は、全国書店で好評発売中。お早めに !

 

チルチンびと 110号 暖かくて木の香りのする家