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幸せはキッチンから

金沢ばあばのまほう手帖

 

『チルチンびと』春 111号は、特集「オーダーメイドキッチン」。明るくいかにも幸せそうなキッチンの事例を、たくさん見ることができる。そのページを開いていて、思い出したのは、『金沢ばあばのまほう手帖』の、マスダさんの言葉。
〈綺麗なところにだけ幸せが来る。汚い家は邪気が宿るというて、福が入ってこない。そう信じています。……整理された場所だと、福の神が居心地が良くて長くいてくださる。そんなふうに思っています。……〉
そして、掃除についても、こう語ります。
〈掃除には順番があります。家の内から外へ、というのが基本。最初は台所周りから、シンクの内側、冷蔵庫の中の整理と拭き掃除、その後にトイレ、それから、座敷、寝室などの電気器具や棚にはたきをかけ、ほこりが下に落ちてから掃除機をかける。場所に合わせて掃除機の口も取り換えて使っとるね。……〉
いかがですか。幸せはキッチンからやって来る!


………


『チルチンびと』春   111号。
『金沢ばあばのまほう手帖』。
ともに、風土社刊。好評発売中です。

※『金沢ばあばのまほう手帖』イメージムービーはこちら

 

『チルチルびと』春  111号

金沢ばあばのまほう手帖


『最後の浮世絵師 月岡芳年展』のご案内

最後の浮世絵師 月岡芳年展

 


〈月岡芳年は天保10(1839)年、江戸の新橋に生まれました。幼い頃から画業を志し、12歳のとき、奇想の絵師と呼ばれる歌川国芳(1798~1861)に入門し、15歳の若さで画壇にデビューします。その後22歳頃から本格的に浮世絵師として活動をはじめ、54歳で没するまでの間に多くのすぐれた作品を世に送り出し続けました。……〉
〈……芳年の名を聞くと、「無惨絵」と呼ばれる、残酷な作品を思い浮かべる方も多いかもしれません。しかし、そうした血生臭いものは、彼が若い頃に発表されたごくわずかのシリーズに見られる傾向にすぎません。芳年の作品全体をとおして見ると、勇壮でスピード感あふれる武者絵、歴史画や大衆好みの巷の事件を集めた錦絵新聞の挿絵、日本近代美人画の先駆け的な要素を感じさせる美人画など、実に多種多様であることがわかります。……〉
と、展覧会のパンフレットに紹介され、〈柔軟な発想と逞しい絵心で幕末明治の浮世絵界を駆け抜けた「最後の浮世絵師」の妙技を是非お楽しみください。〉と、パンフレットの文章は終わっている。

『月岡芳年展』は、八王子市夢美術館で、4月8日~6月5日まで開かれる予定です。

 


『時代を映す絵画たち』展のプレスリリースから

『時代を映す絵画たち』展

 

「コレクションにみる戦後美術の歩み」というサブタイトルが読める。そして、パンフレットには、
〈1985年に開館した練馬区立美術館は当初より美術作品の収集に取り組み、作品数は現在約5,500点、寄託作品を含めれば約7,500点に上っています。この中でも絵画作品は、日本の戦後美術の流れを語るのに欠かせない作品を含む、重要なパートとなっています。
そこで今回のコレクション展では、そうした所蔵品の中から、戦後まもなく描かれた作品から近年に制作されたものまで、約35名の作家による油彩画を中心とした約70点の作品を展示し、表現の流れを振り返ります。……〉

『現代を映す絵画たち』展は、練馬区立美術館で、4月10日から6月12日まで、開かれます。


『吉阪隆正展 ヒゲから地球へ、パノラみる』開催中

吉阪隆正展 ヒゲから地球へ、パノラみる

 

〈教育者・登山家・文明批評家としても領域横断的な活動に取り組み、地球を駆け巡ったその行動力から、建築界随一のコスモポリタンと評されてきました。本展サブタイトル「ひげから地球へ、パノラみる」は、吉阪による造語を組み合わせて地域や時代を超えて見渡すことなどを意味する“パノラみる”と、自身の表象であり等身大のスケールとしての“ひげ”、そして個から地球規模への活動の広がり、という意味を込めました。……〉
と、パンフレットにある。そして、
「建築というものは、世界で相互理解するための一つの手がかりではないだろうか」-  吉阪隆正の講演より、という言葉も紹介されている。

3月19日から6月19日まで、東京都現代美術館  企画展示室1Fで。

 


『清水九兵衛/六兵衛』展(千葉市美術館)のお知らせ

『清水九兵衛/六兵衛』展

 

〈生誕100年を記念して、彫刻と陶芸という二つの表現領域で活躍した清水九兵衛/六兵衛(1922~2006)の初めてとなる回顧展を開催します。……〉〈本展では、清水の九兵衛以前の陶芸作品、九兵衛としての彫刻作品、七代六兵衛としての陶芸作品のほか、清水自身が撮影した写真作品、彫刻制作のための図面やマケットなど、約170件の作品および関連資料を通じて、立体造形作家としての生涯を回顧します。〉
と、パンフレットにある。

京都に生きた陶芸家にして彫刻家、初の回顧展  ー   というサブタイトルがついている。4月13日から5月22日(前期)。5月24日から7月3日(後期)。千葉市美術館で開かれます。

 


ベニシアさんのキッチンタイル

ベニシアさんのキッチンタイル

 

『チルチンびと』春111号は、特集「オーダーメイドキッチン」。そこに、「キッチンタイルの愉しみ」という企画がある。ベニシアさんのキッチンとタイルについて少しふれている。『ベニシアと正、人生の秋に』(風土社刊」には、工務店の人とのこんなやりとりが、書かれている。
〈「下地の耐火ボードの壁の上にステンレスの板を張るか、タイルや煉瓦、石材などで仕上げるのはどうですか?」「タイルがいいわ!」とベニシアが目を輝かせた。〉
ベニシアさんは、5歳から一年間、スペインのバルセロナで暮らした。スペインの建築物の外壁には、装飾用にタイルがよく使われる。食事の場ともなる中庭の床は、タイルやテラコッタ、石材などが敷き詰められている。そこは、土や芝生で覆われたイギリスの庭とはまったく違う雰囲気だったことをベニシアさんは覚えている。そんな、幼い頃の体験から楽しいキッチンが、誕生した。

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『チルチンびと』春111 号は、好評発売中。
『ベニシアと正、人生の秋に』も、好評発売中。ともに風土社刊。ぜひ、ごらんください。

 


「森のとびら」を開いてみれば

全国木育イベント・森のとびら

 

『チルチンびと』春 111号の発売です !
特集は「オーダーメイドキッチン」と「全国木育イベント・森のとびら」レポート。

木育イベント・森のとびら」とは、なにか。
山と連携し、国産木材の家づくりを進める地域工務店が、全国各地で、木育にちなんだイベントを開催。そのレポート16本が掲載されています。森のとびらを コンコンとノックして、そのレポートをのぞいてみましょう。福岡・未来工房の場合から。
〈森のとびらを発案した未来工房は、昨年10月16日の八女の森見学ツアーを皮切りに7回にわたってイベントを実施した。そのうち、11月7日に開かれた「森のとびらin福岡」を訪ねた。今回は、久留米市の住宅展示場を会場とした木育体験と展示場側のギャラリーで定期的に開催しているマルシェを同時に行うというもの。木育体験では、丸太切り、丸太のスマホスタンドづくり、かんなくずプール、八女杉端材市……などなど。そして、マルシェは、器、花、焼き菓子、唐揚げ、パン、コーヒーなど、地元で人気の店が並び、大繁盛。主催者の手応えは十分だったという。
このほか、エコ建築考房の「森のとびら in 一宮」、「一宮駅前まちなかウオーカブル」という、駅前通りを使った大規模社会実験。菊田建築の「森のとびら in 茨城」。ほかに、増子建築工業、無垢杢工房 イケダ、小林建設、千葉工務店、ますいいリビングカンパニー、大丸建設、トヤオ工務店、安土建築工房、彩工房、木の家専門店 谷口工務店、井藤工務店、木ごころ 坂田工務店、西渕工務店のイベント報告が、賑やかに顔をそろえる。

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『チルチン』春 111号は、このほか、特集・オーダーメイドキッチン。3月11日発売!

 


「ふつう」を見に行く

ふつうの系譜

 

『ふつうの系譜』(府中市美術館)のご案内をいただいた。
「奇想」があるなら「ふつう」もあります、というサブタイトル。
さらに、パンフレットを開くと、「ふつう」を知ると見えてくる。 とも。

ふつうとは、なにか?
〈いま、江戸時代の画家の中で、伊藤若冲や曾我蕭白ら「奇想の画家」が人気です。鮮やかな色やおかしな形にあふれた若冲の絵も、蕭白の奇怪な人物画も、強烈で奇抜で、心を揺さぶります。しかし、考えてみれば、「奇想」という魅力は、「そうではないもの」、つまり「ふつう」があって初めて成り立つのかもしれません。実際、若冲や蕭白がセンセーショナルに登場した時代、一方には、誰もが美しいと思うものを描く画家がいました。……〉
そして、やまと絵、狩野派、円山四条派などを挙げ、文章の最後は〈ぜひ、「きれいなもの」を見に春の江戸絵画まつりへお出かけください。〉と、結んでいる。

『ふつうの系譜」は、3月12日から5月8日まで。府中市美術館で。

 


雪の降らせ方

雪

 

今年は 、雪がよく降る。
雪を眺めているうちに、昔読んだ「雪の降らせ方」という、舞台での雪の話を思い出した。舞台幕まわりの品を扱う人を、小裂係といい、雪を降らせるのもその係の仕事だった。
係は、次の月の芝居でどれくらい雪が必要かを調べて雪を仕込む。雪屋さんという商売のひとがいて、ホゴ紙を納めていた。そういう紙を三角形に切って降らせた。三角だとくるくる舞って雪の感じが出る。その紙をを舞台の上に吊るしたカゴにいれて、ひもを引っ張りカゴを開けて雪を降らせる仕組み。雪が降る降らないは季節ではなく、作家による。『伊井大老』の芝居ではよく降った。フィナーレで体が埋まるほどの大雪、32キロくらいの雪が降った。舞台は一幕すんだら次の幕。一面に降った雪を大急ぎで雪かきしなければならない。……
こういう舞台裏の話を聞いていると、降る雪や明治は遠くなりにけり、という句が浮かんでくる。

 


新しい海へ

ユージーン・スタジオ   新しい海

 

『ユージーン・スタジオ   新しい海』展がひらかれている。

展覧会のパンフレットに、曰く、
「ユージーン・スタジオは、寒川裕人(Eugene Kangawa.1989年アメリカ生まれ)による日本を拠点とするアーティストスタジオで、平成生まれの作家としては当館初となる個展です。……」
「……本展覧会は、平面作品から大型インスタレーション、映像作品、彫刻作品等で構成され、代表作〈ホワイトペインティング〉シリーズ(2017~)や《善悪の荒野》(2017)から未発表の最新作までを一堂に会し、ユージーン・スタジオの多岐にわたる活動に通底する視点や発想、哲学を紐解くものです。……」

この展覧会は、2月23日まで。東京都現代美術館で。