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グリーンライン下北沢

「東北沢、下北沢、世田谷代田の3駅を地下化」が2013年3月23日(土)始発電車より実施された。この区間にある9ケ所すべての踏切がなくなり、交通渋滞が緩和され、道路の安全性が向上する。

地下化後、鉄道跡地が「跡地」になってしまわないよう、グリーンベルトに見立てた緑地化や、商業施設や文化施設なども含めた街作りを計画する「グリーンライン下北沢」というプロジェクトが進められている。

都心で2.2kmという広範にわたるエリアの鉄道軌道地下化した事例はないそうだ。これほどまとまった「連続したスペース」は宝だなと思う。長い間、工事中だったイメージが強い下北沢だが、少しずつ整備され、イメージが具体化される景観の変化が楽しみだ。



 


ニュース「火星へ永住する方募集」

『学研の図書・宇宙』(学習研究社)

最近、興味深かったニュースは「オランダのNPOが、2022年に火星ツアーに参加するボランティアを募集」だ。対象は18歳以上、応募費用は38ドル(約3,800円)。片道7ケ月の旅の後、そのまま火星で生涯を終えることになる。なぜ片道旅行なのかというと、コスト削減と、現在は地球に戻るための技術が存在しないから。
火星にコロニーを建設予定で、定住者を増やす計画だそうだ。壮大すぎて、わくわくするような、わくわくしないような、ちょっと複雑な気持ちにもなる。幼少の頃、「宇宙」の図鑑を観て、自分が大人になる頃には、宇宙旅行が日常になっていることを信じて疑わなかった。映画「2001年宇宙の旅」ならぬ、「2022年火星の旅」は、どんな人が実現するのだろう。

『ホーリー・モーターズ』の余韻

昨年12月にオープンした新宿武蔵野館の姉妹館ミニシアター、シネマカリテで映画『ホーリー・モーターズを観た。前作から13年、レオス・カラックス監督の長編だ。観終ってすぐに席を立つことができなかったあの時から、そんなにも経過したのかと、不思議な気持ちだ。『ホーリー・モーターズ』を観るのは、なんだか怖いという気持ちもあった。

日を重ねていく中で、ドニ・ラヴァン演じる「依頼人からのアポを次々と果たすという行為」が理解できるような気にもなり、また同時に、何度観ても全てを理解することは不可能だとも感じる。カラックスのパートナーであり、『ポーラX』のカテリーナ・ゴルベワが2011年に短い生涯を終えた。今作は彼女に捧げられたということだ。

アコーディオンのシーンが本当に美しかった。

シネマカリテでは5月下旬まで、ユーロスペースでは終了日未定。



 


FENDI — UN ART AUTRE 


Another Kind of Art, Creation and Innovation in Craftsmanship

~フェンディ もうひとつのアート、クリエイションとイノベーションの軌跡~

 

ファーにおける第一人者、フェンディの世界観を表現した今展示会。会場の入り口は、1925年ローマに誕生したフェンディ1号店の玄関を再現、代表作約30点(1970年~2013年)と、壁面には型紙、工具、スケッチ、タッチパネルスクリーンや貴重なファーのアーカイブがずらりと並ぶ構成だ。公開工房では技術者が実演。型紙をファーにあてて裁断するものとばかり思っていたのだが、実演や、映像インタビューで、全く異なる制作方法だと知った。技術と時間とクオリティーを惜しまない、アート作品のようなファーだ。

東京・上野の東京藝術大学美術館での展示は先月で終了し、世界を巡回するようだ。

 

 


singing man

初台オペラシティの円形中庭広場にある、ジョナサン・ボロフスキーの作品singing man。

商店街も下町風で気負わず生活できる、初台は長年住んだ街でもあり、今でも気に入っている街だ。この初台にある、東京オペラシティーアートギャラリー、NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]は、時間のある時にのんびり行くのにおススメだ。
ぱっと思いつくだけでも、印象深い展示がいくつかあり、特に、ダムタイプの「真暗闇の中の無響室」→「真っ白な空間での浮遊感」は、もう一度体感したいくらいだ。
また、東京オペラシティ コンサートホールに隣接し、礼拝堂をイメージしてつくられた小さなホール「近江楽堂」は特別公開されることがあるようなので、いつか見にいきたいと思っている。
以下、過去の印象深い展示。
東京オペラシティーアートギャラリー
・2011 感じる服 考える服
・2009 6+アントワープ・ファッション展
・2004 ヴォルフガング・ティルマンス展
・2002 ダグ・エイケン ニューオーシャン
NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]
・2004 明和電機 ナンセンス=マシーンズ
・2002 ダムタイプ Voyages:ヴォヤージュ展

感謝

今朝、事務所のドア前で、宅急便屋さんに「お荷物です!」と呼び止められた。荷物を受け取り、事務所に入り、荷物を開封すると、バウムクーヘンが現れた。奈良県の「デルベア」さんからのサプライズだ。すべての工程が手作りのため、一日に焼き上がるのは2本だけという。1㎝位にスライスして軽く焼くと、さらにおいしいというアドバイス。バウムクーヘンの層が、とても贅沢に思う。いつもありがとうございます、というメッセージが、あたたかく、ジーンとしてしまった。スタッフみんなで、おいしくいただきます。本当にありがとうございました。



 


長野旅2/2[上水内郡・おやき村/安曇野市・大王わさび農場/安曇野市・碌山美術館/安曇野市・穂高神社]

「おやき村」

久木本郷の峰という峠にある「おやき村」へ。「おやき」とは野菜などを炒めて味付けしたものに、小麦粉をこねたもので包み、蒸すか焼くかで調理する、長野の郷土料理のひとつ。熟練の方々が、クルックルッと手の平で整形した「おやき」が、大きな囲炉裏鍋にポンと入れられ、焼き上がるまでの経過もたのしい。囲炉裏を囲んでいただく「おやき」のおいしさは格別だ。昔は、炭火の灰の中に直接「おやき」を放り込んで焼き上げたが、衛生上、現在のスタイルになったそうだ。松本市在住の常連さんが、当時の「おやき」を懐かしんでいた。

 

「大王わさび農場」

安曇野市穂高の「大王わさび農場」へ。わさび田に引かれる湧水は1日12万トン。「安曇野わさび田湧水群」は、環境省選定「日本の名水百選」、国土交通省選定「水の郷百選」に認定されている。わさびは暑さに弱いため、水温は年間を通して12℃に保たれ、4月~9月は黒い寒冷紗でわさび田を覆うそうだが、今回、春の日差しを浴びた青いわさび田を見ることができた。敷地内の川辺にある3基の風車小屋は、1989年、黒澤明監督の映画「夢」のロケ地となったということだ。

 

「碌山美術館」

明治期の彫刻家、荻原守衛(碌山)の作品を常設展示する「碌山美術館」へ。重要文化財でもある「女」が代表的作品だ。荻原守衛の親友であった高村光太郎の作品や、彫刻家の友人たちの作品も展示されている。教会風の建築物や、お庭のただならぬ雰囲気に、ワクワクせずにはいられない。敷地全体が美術館として成り立ち、彫刻に明るくない私でも、時のたつのを忘れ、この空間にたたずみ、たのしんだ。ぜひ、また近いうちにゆっくり再訪したい。

 

「穂高神社」

旅の締めくくりは、日本アルプスの総鎮守として親しまれている穂高神社で参拝。中央に神楽殿を配置、樹齢500年を超える孝養杉、神船、御神馬、泉小太郎の像など見どころが多い。昔、安曇野から松本平にかけては湖で、人々のためにその湖を広大な盆地にしたという小泉小太郎の神話が、童話のもとにもなっている。上高地に奥宮が、奥穂高岳山頂に嶺宮があり、海のない信州で、御船祭りが開かれるのは興味深い。歴史絵巻のようだという、上高地明神池の御船神事も、いつか見てみたい。


長野の旅1/2[松本市・松本城/松本市・松本市美術館/松本市・四柱神社]

信州といえば「お蕎麦×おやき×お味噌×温泉×名水」がそろう大好きな旅行先だ。今回は、松本と安曇野に行ってきた。

 

「松本城」

現存最古の五重六階の木造天守、国宝「松本城」へ。城内は6階まで見学可能で、最大傾斜約61度の急な階段140段あまりを、手すりにしがみついて、ひたすら上る。2階には火縄銃や武具などが展示されていた。外観は5階に見えるが、内部は6階建ての構造になっている。天守閣最上階の天井を見上げると、「二十六夜神」が城を守護していた。現在は石垣を改修工事中のため、写真は赤い「埋の橋」とは反対側からのもの。

 

「松本市美術館」

松本市生まれのアーティスト、草間 彌生「魂のおきどころ」展へ。美術館入り口では、巨大モニュメント「幻の華」が出迎える。草間彌生の展示会は初めてだったが、ドット・ペインティング以外の絵画作品もいくつか展示されていて、作品のイメージが変わった。「魂のおきどころ」という展示会のタイトルも印象に残った。草間彌生デザインのバス「クサマバス水玉乱舞号」が松本市内を周遊中で、街中で何度もその姿を見かけた。

 

「四柱神社」(よはしらじんじゃ)

松本市街、城の堀に面した土手だったという、昔の町並みを再現した縄手通りをぬけると、ふと空が広がり、「四柱神社」に到着。天之御中主神、高皇産霊神、神皇産霊神、天照大神の4柱の神を祀り、全ての願いが叶うということで、願いごとむすびの神としての珍しい神社なのだそう。女鳥羽川側の御幸橋(明治13年6月24日15:30に明治天皇がお渡り始めをした)から境内に再度入り、今回の旅の無事をお願いした。


「フランシス・ベーコン展」@東京国立近代美術館

 

フランシス・ベーコン(1909-1992)はアイルランド、ダブリン生まれの、具象絵画を描き続けた20世紀を代表する画家で、ラスケスの代表作「教皇インノケンティウス10世の肖像」をモティーフにした、「教皇像シリーズ」が有名だ。今回のベーコン展は、1983年に回顧展が開催されて以来、国内で30年ぶりの個展だそうだ。没後、アジアで初となるこの展覧会では、ベーコン作品の重要な要素である「身体」に焦点をあて、ベーコン最後の「三幅対」(3枚で1組の作品)ほか、約30点が来日。

彼は、ガラス独特の存在感が、観る人と作品の間に「隔たり」を生むべく、作品をガラスと金縁の額に額装するよう指示していたそうだ。

30分のレクチャーと伝記的映画「Love Is The Devil」(1998年/イギリス)の館内上映会に参加し、緊張、恐怖、破壊性に戸惑い、どっぷり浸った。

 

 

– 会場の構成 –

1.移りゆく身体 1940s-1950s

2.捧げられた身体 1960s

3.物語らない身体 1970s – 1992s

展示は5月26日(日)まで。

 


季節のお菓子

節分の日の夜、豆撒き用大豆を求めてスーパーに寄ると、店頭のディプレイは「雛あられ」一色になっていた。コンビニで節分の豆を購入することになるなんて複雑な気持ちだった。

節分が終わって、雛まつり。実はなぜか「雛あられ」が大好きだ。調べてみると、「雛あられ」は東西で全く異なるようで、わたしは関東のものしかいただいたことがないが、あの、米粒大のものも、大玉のものも、ふわふわした、はかない感触がたまらない。

「雛あられ」も3/3を過ぎると、たちまち姿を消し、なんだかさびしい気持ちになる。