書籍

ベニシアさんのキッチンタイル

ベニシアさんのキッチンタイル

 

『チルチンびと』春111号は、特集「オーダーメイドキッチン」。そこに、「キッチンタイルの愉しみ」という企画がある。ベニシアさんのキッチンとタイルについて少しふれている。『ベニシアと正、人生の秋に』(風土社刊」には、工務店の人とのこんなやりとりが、書かれている。
〈「下地の耐火ボードの壁の上にステンレスの板を張るか、タイルや煉瓦、石材などで仕上げるのはどうですか?」「タイルがいいわ!」とベニシアが目を輝かせた。〉
ベニシアさんは、5歳から一年間、スペインのバルセロナで暮らした。スペインの建築物の外壁には、装飾用にタイルがよく使われる。食事の場ともなる中庭の床は、タイルやテラコッタ、石材などが敷き詰められている。そこは、土や芝生で覆われたイギリスの庭とはまったく違う雰囲気だったことをベニシアさんは覚えている。そんな、幼い頃の体験から楽しいキッチンが、誕生した。

………

『チルチンびと』春111 号は、好評発売中。
『ベニシアと正、人生の秋に』も、好評発売中。ともに風土社刊。ぜひ、ごらんください。

 


キッチンを愛す

『チルチルびと』春  111号

 

『チルチルびと』春  111号の特集は、「オーダーメイドキッチン」。
キッチンで思い出すのは、吉本ばなな作『キッチン』(新潮文庫)の冒頭の部分ですね。こんなふうな。

〈私がこの世でいちばん好きな場所は台所だと思う。
どこのでも、どんなのでも、それが台所であれば食事を作る場所であれば私はつらくない。できれば機能的でよく使い込んであるといいと思う。乾いた清潔なふきんが何枚もあって白いタイルがぴかぴか輝く。
ものすごく汚い台所だって、たまらなく好きだ。〉

この小説『キッチン』を好きだというひとは多い。台所を好きだというひとは多い。おや、あなたもそうですか。

 

チルチンびと 111号 オーダーメイドキッチン


「森のとびら」を開いてみれば

全国木育イベント・森のとびら

 

『チルチンびと』春 111号の発売です !
特集は「オーダーメイドキッチン」と「全国木育イベント・森のとびら」レポート。

木育イベント・森のとびら」とは、なにか。
山と連携し、国産木材の家づくりを進める地域工務店が、全国各地で、木育にちなんだイベントを開催。そのレポート16本が掲載されています。森のとびらを コンコンとノックして、そのレポートをのぞいてみましょう。福岡・未来工房の場合から。
〈森のとびらを発案した未来工房は、昨年10月16日の八女の森見学ツアーを皮切りに7回にわたってイベントを実施した。そのうち、11月7日に開かれた「森のとびらin福岡」を訪ねた。今回は、久留米市の住宅展示場を会場とした木育体験と展示場側のギャラリーで定期的に開催しているマルシェを同時に行うというもの。木育体験では、丸太切り、丸太のスマホスタンドづくり、かんなくずプール、八女杉端材市……などなど。そして、マルシェは、器、花、焼き菓子、唐揚げ、パン、コーヒーなど、地元で人気の店が並び、大繁盛。主催者の手応えは十分だったという。
このほか、エコ建築考房の「森のとびら in 一宮」、「一宮駅前まちなかウオーカブル」という、駅前通りを使った大規模社会実験。菊田建築の「森のとびら in 茨城」。ほかに、増子建築工業、無垢杢工房 イケダ、小林建設、千葉工務店、ますいいリビングカンパニー、大丸建設、トヤオ工務店、安土建築工房、彩工房、木の家専門店 谷口工務店、井藤工務店、木ごころ 坂田工務店、西渕工務店のイベント報告が、賑やかに顔をそろえる。

………

『チルチン』春 111号は、このほか、特集・オーダーメイドキッチン。3月11日発売!

 


ベニシアさんのお誕生日会

 

ベニシアと正、明日を見つめて

ベニシアと正、明日を見つめて

 

ベニシアファンから、ベニシアさんの近況を知ることができる、唯一の雑誌、と評判の『チルチンびと』。今回も、ご期待に応えて連載「ベニシアと正、明日を見つめて」(文・写真 梶山 正)をお届けします。
今回は、こんな歳末の風景。
〈……25日はキリスト、27日はベニシア、29日が息子の悠仁の誕生日である。これら三つを合体したランチ・パーティーを28日に開くことにする。〉
冷凍庫には3年前にベニシアさんが買った七面鳥がある。ベニシアさんが元気だったころは、毎年クリスマスになると、彼女が焼いていた。さあ、今年はどうする。そして、28日。介護施設からベニシアさん帰宅。お客さんも集まって、パーティーがはじまった。その模様は、誌上でおたのしみください。

……

『チルチンびと』春 111号は、特集・オーダーメイドキッチン。特集・全国木育イベント「森のとびら」レポート。3月11日発売です。お楽しみに。

 


雪の降らせ方

雪

 

今年は 、雪がよく降る。
雪を眺めているうちに、昔読んだ「雪の降らせ方」という、舞台での雪の話を思い出した。舞台幕まわりの品を扱う人を、小裂係といい、雪を降らせるのもその係の仕事だった。
係は、次の月の芝居でどれくらい雪が必要かを調べて雪を仕込む。雪屋さんという商売のひとがいて、ホゴ紙を納めていた。そういう紙を三角形に切って降らせた。三角だとくるくる舞って雪の感じが出る。その紙をを舞台の上に吊るしたカゴにいれて、ひもを引っ張りカゴを開けて雪を降らせる仕組み。雪が降る降らないは季節ではなく、作家による。『伊井大老』の芝居ではよく降った。フィナーレで体が埋まるほどの大雪、32キロくらいの雪が降った。舞台は一幕すんだら次の幕。一面に降った雪を大急ぎで雪かきしなければならない。……
こういう舞台裏の話を聞いていると、降る雪や明治は遠くなりにけり、という句が浮かんでくる。

 


『白井晟一展』入門

白井晟一 入門

 

白井一 入門』(「渋谷区立松濤美術館」1月30日まで)が開かれている。

〈 白井(1905~83)は京都で生まれ、京都高等工芸学校(現京都工芸繊維大学)図案科卒業後、ドイツで哲学を学ぶなど異色の経験をもつ建築家てす。林芙美子などと交流した滞欧期をを経て帰国後、義兄の画家・近藤浩路の自邸の設計を手掛けたことを契機に独学で建築家への道を進みました。その後《歓帰荘》、《秋ノ宮村役場》といった初期の木造の個人住宅 ・公共住宅から、《親和銀行本店》《ノアビル》《渋谷区立松濤美術館》など後期の記念碑的建築まで、多くの記憶に残る作品を残しました。そのユニークなスタイルから哲学の建築家などとも評されてきました。……〉という紹介が、展覧会のパンフレットにある。「中公新書」の装丁なども、手掛けている。

 

白井晟一  、建築を語る

白井さんは『白井 、建築を語る』(中央公論新社刊)のなかで、こんな話をしている
「わたしらはいつも、仕事の中で初めから終りまで社会と人間諸関係の問題や、創作へ凝集する熱情と批判精神との不断な格闘にさらされている。こういうメンタルな実存的作業は、他(ひと)の眼には見えない。石を積み、板を張る、或は浄気を通わせるというような表象上の作業のつだって、実はこのメンタルな重い作業が支えているんだが、これは人格の施主には通じなくても、非人格の建築そのものという施主には悉く照応しているんだよ。」

現在は、その展覧会の第二部「Back   to   1981  建物公開』公開中。

 

渋谷区立松濤美術館


土間+囲炉裏+テーブル=快適

囲炉裏テーブルを家族で囲む暖かな時間

 

『チルチンびと』冬 110号は、特集「暖かくて木の香りのする家」、 「 SDGsと住宅」、「薪ストーブカタログ2022」という、シンから暖まる三本立て。
「囲炉裏テーブルを家族で囲む暖かな時間」(設計・施工 堀田建築㈱)のお宅を訪ねると……。

〈……暮らし始めて約2カ月の感想を聞くと、ご主人は「珪藻土と木の効果なのか、湿気がまったくなくてびっくりしました」と、奥さんも「心地よくて家から出たくない感じですね」と話す。囲炉裏テーブルは週末に使って楽しんでいるそうで「土間なので飲み物とか食べ物を落としても全然気にならないのもメリットです」と使い勝手も上々だそう。「今はインテリアを考えるのが楽しいですね。自然素材の家に合う観葉植物を買ったりしています」。……〉
囲炉裏テーブルについては、ぜひ、本誌をごらんください。

………

『チルチンびと』冬110号は、ただいま好評発売中。おはやめに、書店へ!

 

チルチンびと 110号 暖かくて木の香りのする家


庫裏を建て替える!

庫裏を建て替え、百年後も住み継げる家に

 

『チルチンびと』冬 110号は、いまどきの寒さにぴったりの特集。「暖かくて木の香りのする家」、「SDGsと住宅」、「薪ストーブカタログ2022」。さまざまな住宅事例の中から、ユニークな一本。「庫裏を建て替え、百年後も住み継げる家に」(設計・施工 ㈱安成工務店)は、いかが。
その書き出しから。
〈K邸が建つのは、江戸中期に建てられた重厚な佇まいの本堂の隣。石垣と植栽に囲まれた外観は、築300年の本堂にひけをとらない堂々たる風格を感じさせる。……〉 歴史ある寺の庫裏を建て替えるという、いろいろな苦心の末。
〈伝統と先進が共存する新しい庫裏は、檀家様にも好評だという。「まずは皆さん、木の香りがいいねと言ってくださいます」と話す夫妻。「住みやすく、維持管理もしやすい建物を実現することができたので、次世代、そのまた次の世代と長く住み継いでもらえたらと思っています」(ご主人)。
この建物は、山口県の東南、瀬戸内海に浮かぶ周防大島、その町なかにたたずむ、という。

……

『チルチンびと』冬110号は、好評発売中。お早めに、書店へ !

 

チルチンびと 110号 暖かくて木の香りのする家


火のあるところに煙はたたぬ

MOKIの挑戦 薪ストーブから、新しい循環を

『チルチンびと』冬 110号の特集は「暖かくて木の香りのする家」「SDGsと住宅」「薪ストーブカタログ」。その薪ストーブ特集に、「MOKIの挑戦 薪ストーブから、新しい循環を」というユニークな読み物がある。モキ製作所・茂木国豊会長の語る自社のストーブ賛歌。
「うちの薪ストーブはなんでも燃やせるのが自慢。針葉樹だって竹だって、生えてて困るものをどんどん燃やせる」と茂木会長。その秘密は、高温燃焼に耐えられる鋼板製であることに加え日、独、中、米で特許を取得した「茂木プレート」の働きが大きい。曰く、上へ向かう煙を一度プレートで邪魔をしてストーブ内で対流を起こせば、内部で燃焼か続き、より高温で効率のいい燃焼が起こるのだそうだ。高温燃焼のため煙道火災の原因になるタールも燃えてしまい、煙突掃除も楽になるという。そして、「800℃という超高温で燃えるから、煙も着火するときの温度が低いときに少し出るくらい」という薪ストーブ。
火のあるところに、煙はたたぬ。

………

『チルチンびと』冬 110号は、全国書店で好評発売中。お早めに !

 

チルチンびと 110号 暖かくて木の香りのする家


寒くなるのが待ち遠しい

薪ストーブでまるごと暖かい気候風土適応住宅

 

『チルチンびと』110号、好評発売中です。
今号は、“冬号” 。その名にふさわしく、特集は「暖かくて木の香りのする家」「SDGsと住宅」「薪ストーブカタログ 2022」の三本。そのなかから、「薪ストーブでまるごと暖かい 気候風土適応住宅」(設計・丹呉明恭)を一部ご紹介します。

〈平屋、木造、伝統工法。そのほか、ご主人は薪ストーブのある住まいを希望した。「これはイングルヌックっていう鉄製の薪ストーブ。竹でも針葉樹でも燃やせるし、すぐ暖かくなるんです」と紹介してくれた。敷地内の薪棚はどれも埋まっており、この家の主暖房としての役割をうかがわせる。鋼板製の薪ストーブではすぐ冷めてしまうのでは? と問うと、「そこは壁の力かな」とご主人。「土壁の蓄熱性能はすごく高いんです。でも、そういうのは数値に現れてこないんだよね」と丹呉さんが続ける。……〉

薪ストーブを焚きたくて、寒くなるのが待ち通しいと、ご主人語っている。

………

『チルチンびと』110号は、全国書店で好評発売中。お早めに書店へ。

 

チルチンびと 110号 暖かくて木の香りのする家