九州へ行ってきました その3 日田編

 

別府から日田へ向かう途中、大平山(扇山とよばれている)が見えた。4月に野焼きをするのだそうで、生えたばかりの爽やかな黄緑色が目にまぶしい。杉林の濃い深緑の部分とくっきり分かれていて、よけいに緑が瑞々しく見え、ずっと眺めてしまう。由布岳の雄大でなだらかな稜線を見ていると登ってみたくなる。今回その暇はなく、1時間ちょっとで日田に着いて、ヤブクグリ御用達の老舗レストラン「ダイヤル」でお昼となった。ハンバーグ、ナポリタンなど昭和ムードたっぷりメニューを頼む。わたしはまだ朝のパンと地獄蒸しがお腹に残っていたので、あずきアイスを選択した。アイスというより氷あずきミルクみたいなもの。これだけでおなか一杯になるボリュームだった。去年初めて来て、今回が二度目なのに「小さい頃ここでよくこれ食べたよねー」と言いたくなるような懐かしい雰囲気のダイヤルだった。

イベントのリハーサルや打ち合わせで三々五々に別れ、昨年の日田訪問で帰る寸前、手際よく日田焼きそば案内をしてくれたステーキハウス和くらの古田嘉寿美さんに連絡してみると「イベントまで時間があるから、近くのお寺で納骨堂の上棟式の餅まきにいかない?」というお誘いをくれた。お寺の上棟式を見る機会などめったにあるものじゃないので、古田さんの子どもたちと連れ立って出掛けた。日差しが強くてかなり暑い日だったけれど、上棟式のためかお餅のためか、近所の人たちがたくさん集まっていた。一人の大工さんが地面で旗を振って合図すると、塔のてっぺんにいる大工さんたちが木槌を振りかざし、大きな棟木に打ち込む。「コーン」「コーン」と心地よいのびやかな音があたりに鳴り響いた。

たっぷり1時間ほどをかけての儀式が終了し、お待ちかねの餅まきタイム。紅白の丸いお餅や赤い紐を通した5円50円が気前よく撒かれると、もうもうと土煙をあげ、暑さも忘れてみな走る!拾う!こどもたちもお餅をいくつ拾ったか競い合ったり、ぴょんぴょん跳ねて走り回って元気。昔ながらの地域行事という感じ。汗もかいたし涼を求めて三隈川へいく。ちょうどいいタイミングで、この日から鮎のやな場がオープンしていた。三隈川は相変わらず水が透明で美しく、空と川が近く、広々として気持ちよかった。鮎もまったく臭みがなく、とても美味しかった。

夜、ヤブクグリのホームグラウンド「寶屋」さんでの朗読&演奏会は、前日よりもさらに会場も人数も規模が大きくなり、メンバーの田中昇吾さんと町谷理恵さんが朗読で参加ということで地元盛り上がりムードの中スタート。日田での書き下ろし小説「日なたのふたり」は、幼馴染の男女3人のすこし切ない話。別府のときと同じく、その土地の空気を丁寧に掬い取る石田千さんの文章は、朗読によってさらに豊かに膨らみ、日田の川と空が広くて近い清々しい風景が浮かんだ。

続く柳家小春さんのライブでは、歌声に艶と粋と可愛さが増して、聴いている皆の口の端々に笑みがこぼれた。コツコツ節は梶原償子さんの練達ならではの無駄なく優雅な踊りで一層コツコツ節らしくなった。最後は市長さんを皮切りに、続々と独自のコツコツ節が披露され、賑やかな夜になった。

本当に終わってしまうのがさみしい朗読&演奏会で、明日もまたあればいいのに、と思った。余韻を引きずりたいので本とCDを買って帰った。記念に、という意味もあったけど、それを抜きによかった。帰りの電車でもずっと読んでいて、帰ってからも繰り返し読み、聴いている。イベントに行ってなかったら買い逃していたかもしれないから、本当にこんなのも一つの出会いだと思うとありがたい。素敵な絵を添えたサインもいただき、宝物になりました。

懇親会では日田杉の原種ヤブクグリの製材をしている佐藤さんとも新たに知り合えた。製材だけではなく、現代の住まいに合うような形の杉の用途を研究開発されているという。次回は「森からの手紙」の田島さんと佐藤さんを訪ねてみたいと思った。

 

この日は、深夜に翌週の「日田祇園祭」山鉾巡行に先駆けて三隈川で神輿洗いがあるという。眠気もピークだったが、法被を着た若者たちが溢れる熱気で神社に集まり、神輿タイムレースをするのを見ていたら目が冴えてきた。川まで歩き、神輿が戻ってくるのを待った。水しぶきをあげながらお神輿を洗う姿が力強く、結局最後まで見届けた。

翌朝、駅で日田彦山線に乗り小倉へ向かう牧野さんたちと別れ、前回乗りそびれた「ゆふいんの森」で博多へ。ホームで、寶屋のご主人とおかみさんにまたすぐに戻ってきたくなるような、親戚みたいな温かいお見送りをしてもらった。

日田のみなさま、ありがとうございました!

 

福岡編へ続く

 


上高地へ 1/2

景勝地として有名な長野県西端部に位置する、「上高地」に行ってきた。

 

「上高地」は国の文化財(特別名勝・特別天然記念物)に指定されているため、

「上高地」に通じる新釜トンネルより先はマイカー規制されている。

 

標高約1,500mの高地ながら、ほとんど平坦な道なので、歩きやすい。

今回の旅は、森の中をひたすら「散策」することになる。

〇1日目

大正4年の「焼岳」の噴火により「梓川」がせき止められてできたという

「大正池」の周辺を散策。

息をのむようなグリーンの水面は、刻一刻と趣を変えるので、飽きることがない。

池には人慣れしているマガモが生息していて、池から陸へ自由に動きまわっている。

「大正池」の「もや」が非常に神秘的。

点在する「立ち枯れ木」は年々減り続け、

2020年頃までになくなってしまうとも言われているそうだ。

 

「大正池」から「田代池」に方向を変えて散策。

湿原の美しい小さな池、「田代池」は穏やかで、澄んだ水が鏡のようだ。

「大正池」同様に、焼岳の噴火で流れ出た溶岩によってせき止められてできた池で、

伏流水を水源とするため真冬でも全面凍結しないという。

 

 

上高地へ 2/2につづく

九州へ行ってきました その2 別府ヤブクグリイベント編

 

夕方、宿に戻った。山田別荘は、昭和5年に保養別荘として建てられたものを戦後温泉旅館として衣替えした、古き良き時代の面影が残る優美な宿で、女将さんの山田るみさんは初めて会ったのにただいま! と言いたくなるような、朗らかで気さくな雰囲気の方。

ロビーに通されると、和洋折衷の瀟洒な内装で、まさしく別荘に来たようなちょっと贅沢な気分になる。テーブルではすらっとしたかっこいい女性がせっせとなにか書いていて、朗読会のための書き下ろし小説を推敲中の石田千さんだった。小説が産まれる現場にいる!と密かにテンション上がりながら会場へ行くと、ヤブクグリの牧野さんや黒木さん、原さんが設営に忙しく、どこにいても邪魔しそうなので内湯に入った。やはりとても熱くて、でもこの熱さが早朝から歩き疲れて朦朧とした気分をさっぱり流してくれる。そうこうしているうちに、お客さんは続々とやってきてお座敷は満席になった。

前半の書き下ろし小説「べっぴんさん」の朗読会は、私が初の別府で感じた、懐かしさと温かさに満ちた街の印象がそのまま再現され、改めてこの場所にゆっくりと錨をおろしたような気持ちになれた。これはどんなに詳しく写真やメモで旅の記録をとどめても味わえない感覚で、改めて小説や朗読は、人間に必要な心の栄養なんだなと思った。石田千さんの声は、ご自身の小説と同じトーンで、落ち着いてさらりとしているのに、どこかはにかむような初々しい感じもある。地元の男女役の、佐藤正敏さんと時枝霙さんの御二方も、温かさがあって役にぴったりでとてもよかった。朗読が終わると、感動に満ちた静かなため息が会場のあちこちで漏れ、別府の人たちこそが小説に深く共感していたことがよくわかった。千さんも別府は初めて、かつ、私よりも街めぐりの時間が圧倒的に少なかったはず。なのに場所や人をこんな風に立体的に捉えて、こんなに豊かな短編小説に再現できるなんて。こういう人が存在しているんだなあ。涙が滲んできた。

 

休憩中。女将さんからこんな素敵な御膳が全員へ

 

後半の柳家小春さんのライブは、素晴らしく粋で、可愛くキレよく艶っぽく、心から日本人でよかったと思った。さっきまで言葉に感動していたくせに、もうこの歌さえあれば大丈夫だね・・・と、また涙が滲んできた。

イベントの余韻を引きずって、打ち上げ、二次会とも、昭和風情の漂うお店で食べ、飲み、歌い、気持ちよく酔っ払うことができました。

 

翌朝、石田千さんがBEPPU PROJECTの平野拓也さん、熊谷周三さんのお二人の案内で朝ご飯ツアーに行くのに便乗した。「友永パン」は創業大正5年、大分県で一番古いパン屋さん。静かな一角に整理券が配られるほどたくさんの地元の人が並び、老舗というだけではない、こちらのパンの普遍的な美味しさを物語っていた。

 

詳しい別府温泉情報をくれた豊島さんからもおすすめがあった「バターフランス」をまず確保。基本の餡ぱん、そしてすすめられるがまま、シンプルなコッペパンみたいな「味付けパン」も買い、次に「杏」という老舗のかまぼこやさんで「お魚コロッケ」を買った。別府港獲れたての新鮮な魚のすり身に、枝豆や玉ねぎなどを練りこんで衣をつけて揚げたもの。さきほどの味付けパンを手で割り、こいつを挟んでパクリ。ウマい!!美味しいものは地元人に聞くべし。海辺の堤防での朝ご飯は、子どもの頃の夏休みに戻ったようなひと時だった。だいぶ満腹だったけれど、朝ご飯ツアーは続く。

昨日素通りした「地獄蒸し工房 鉄輪」へ。人体を蒸すのではなく、自分で食材を選んで温泉の蒸気で蒸して食べることができる。野菜は甘く、イモ類はほくほく、ゆで卵はちょうどいい半熟。卵の殻をむいたり、カニの身をほじくるのに必死で最後には無言になって食べた。食後は食器と蒸し器を洗って、片づける。キャンプに来た気分。ここで温泉も飲める。ちょっとしょっぱくて不思議な味がした。「このお湯と、ここで蒸した野菜でカレーを作ったらきっと美味しいよ」と千さんが言い、他の二人は「うーん、そう、かも?」と答えた。別府温泉カレー、試してみたい。

たった2時間とは思えないほど充実の、楽しい朝旅だった。平野さんと熊谷さんは、それぞれ茨城、北海道のご出身だけれど、別府を心から愛する最高の案内人でした。山田別荘に戻り、おかみさんや皆さんにお別れして、日田へ向かった。 みなさま、ありがとうございました!

 

日田編へ続く

 


白糸の滝と富士山♪パワースポットめぐり

先日、富士山五合目→鳴沢氷穴→白糸の滝をめぐる

富士山五合目周辺ツアーに
行ってきました(‘ω’)ノ
最初は曇っていましたが
奇跡的に晴れてきて
添乗員さんに
「裾野まできれいに見れるのは運がいい!!
すごいラッキーですね~」
といわれるほど、五合目から
くっきりとした富士山頂を見ることが出来ました♪
富士山♪

富士山♪

鳴沢氷穴は真夏でも氷が溶けないほど
ひんやり♪
氷穴入口

氷穴入口

階段を下りていくにつれ
気温も下がり、半そでではかなり寒いです。
氷穴に入ると
高さは低いところで1メートル!!
しゃがんで歩くのはちょっとした
冒険でした(^^♪
ライトアップされている場所も

ライトアップされている場所も

そして、今回何よりも感動したのが
白糸の滝

白糸の滝

ずーっといられるほど
見入ってしまう水の流れ
神様がいるような気がして
なんだかこころのなかの
いろいろ頭で考えていることが
スーッと消えていくような
心地よさ!!

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おすすめのパワースポットです♪

amedio(*^_^*)


九州へ行ってきました その1 別府街歩き編

昨年参加した「ヤブクグリ」の会は、この1年半でまた進化しているようで、今回は別府と日田の二会場で「石田千さん書き下ろし小説朗読会+柳家小春さん演奏会」という豪華二本立てイベントが行われるという。「絶対面白いよ。関西からだったら、バーナードリーチが小鹿田を訪ねたのと同じルートで、船で行けるよ。移動と宿泊を兼ねていて新幹線より安いし」という仕掛け人牧野画伯の旅心をくすぐる殺し文句で船にて別府へ向かった。大阪港から「さんふらわあ」に乗って、別府港への約半日の船旅はとても快適。お風呂に入って甲板でビール飲んだりご飯をたべたり、穏やかな瀬戸内海を渡るルートで揺れもなく、雑魚寝のレディースルームでもぐっすり眠れた。

朝7時ごろ到着。梅雨明け前だったけれど、太陽がジリジリと照りつけて、空に浮かぶ入道雲は完全に夏の到来を宣言していた。まずは荷物を預けに「山田別荘」さんへ。蝉の鳴き声がよく似合う風情のあるお屋敷だった。まだ観光案内所も開いていないので志高湖キャンプ場の豊島桐子さんからの情報を元に、別府駅からバスで30分ぐらい山の方へ上がったところにある明礬温泉へ行ってみた。「地獄蒸しプリン」という看板などが気になるが当然まだ開いていない。

バス停からさらにすこし山を登って日帰り湯のできる宿に立ち寄ると、開店まで1時間以上もあったのに入れてくれた。強い硫黄の匂いが立ち込める白濁した湯は、足先を浸けただけで「ぎゃ!!」と叫ぶぐらい、想像をはるかにこえて熱い。10数えるくらいまで入っては出て涼み、を何度かやってフラフラになりながらバスで山を下り、鉄輪温泉に向かった。源泉温度100度の蒸気を生かして調理をする「地獄蒸し工房」の施設の横に足湯と足蒸し場があった。蒸気の上がる穴に足を膝まで突っ込んで蓋をせよ、と書いてあるけれどこれがまた死ぬほど熱くて膝まで突っ込む勇気はなかった・・・

すぐそばの「上人湯」という温泉に入る。向かいの「まさ食堂」で100円の入浴札を買って入るシステム。先客が一人。地元の方で「ここに札かけたらいいよ」「扇風機つけたらいいよ」「最近物騒だから女の一人旅は気を付けて」と話しかけてくれた。バスが来るまでぶらぶらしていると発見したのがこんな装置。眺めていたら再び汗が噴き出してまたひとっ風呂浴びたくなった。

 

「湯雨竹(ゆめたけ)」という竹製の温泉冷却装置。これで湯を約45度に冷やす。さすが竹の産地

 

街へ戻り、ネットで見つけて気になっていたhibinoさんに行った。人が続々とやってきて、洒落た竹かごに盛られた、見るからに美味しそうなパンが次々になくなる。この竹かごもご店主作と聞いて驚いた。別府は市をあげて竹細工を守り育てる活動をしており、専門の訓練校もあるし、市民に無料で教えてくれるところもたくさんあるのだそう。子供や若者も竹細工に触れる機会が多い。話していると、なにか雰囲気のある、賑やかな二人連れがやってきた。聞けば自宅でお菓子作りやマルシェをされている方たちだった。

 

和気藹々の元気な三人を、パチリ

 

 

次に向かったのはPUNTO PRECOGという期間限定で店主が変わるフリースペース。この日はÖkodorf(エコドルフ)というマクロビカフェをやっていた。ご店主の高橋実紅さんは立命館アジア太平洋大学の学生さん。留学生が日本一多いのだそう。アジア太平洋地域の環境と経済開発、行政や観光などを国際的な視野で学んでいる。学びながら実践する行動力が素晴らしいなと思う。ここで教わった、近くの築100年の古民家を改築したshop&ギャラリー「SelectBeppu」を訪ねた。こちらはBEPPU PROJECTというアートNPOの運営で、別府の作家さんの作品を中心に扱っており、スタッフの福嶋さくらさんも「清島アパート」に所属するアーティストだった。

 

豊泉堂さんの土人形、和みます

 

2軒隣にある別館で、ちょうどこの日から「けはれ竹工房」の林まさみつさんの展示が始まり、運よく作家さんもいらっしゃるというので寄ってみた。赤く染まった竹は、茜染め。化学染料を用いず竹の材を草木染めしてつくる、大変な試行錯誤を重ねて生まれた深みのある赤が印象的だった。チルチンびと広場のカードをお渡しすると、以前、日田の杉板を購入された際に『チルチンびと』を読んで参考にしていただいたのだそうで、とても喜んでくださった。

ぶらぶらと宿へ戻る途中に寄ったコバコさんで、北高架商店街を教えてもらった。真っ昼間からすごい音量でおじさんが歌っているオープンカラオケ喫茶があり、向かいにカフェ、パン屋、服屋、美容院、ギャラリーみたいなレコード屋・・・雑多な感じで面白い場所だった。

昔ながらの建物や風景を残しつつ、若い世代や他県からの移住者が新しい風を吹き込んでいる別府。のんびりしつつも活気のある街でした。旅の途中に出会ったみなさま、ありがとうございました!

 

ヤブクグリイベント編へつづく

 


「古道具ハチミツ」主義

古道具ハチミツ

この “広場 ” をよく散歩なさる方なら、新発田市内の民家の敷地で営業する 「古道具・雑貨 ハチミツ 」をご存じだろう。「古いものとの暮らし方、伝えたい」というタイトルで、『チルチンびと新潟』に、店についての記事がある。


………
店主は、赤塚和枝さん。この店は、赤塚さんの部屋 ー 。その感覚は、店を始めた経緯を聞いて強まった。中学生の頃、お店で、古びた青いブリキのミニカーを見て、胸をキュンとつかまれたという赤塚さん。…… そして、就職、結婚、出産。「その間も、古いものを集めていたのですが、もっと好きなものに囲まれて暮らしたい !  って思ったんです」と振り返る。……  開業から6年、今は新潟市内にも支店ができ、昨年には店舗のプロデュースも行った。「 古いものはそれだけでも強い存在感を持ち、周囲のものを引き立てる力も持っている。アンティークと暮らす楽しさを多くの方に知ってもらいたいですね」。
店内にある、銅製の軍用ラッパ、昭和期の南京錠、携帯用鉛筆削り器、廃校になった小学校の机と椅子……  など、たくさんの品が、ページを飾っている。

古道具ハチミツ

………
『チルチンびと新潟』は、好評発売中です。


にいがた「銀花」で、ちくちく

にいがた「銀花」

この “ 広場 ” に、よく遊びにいらっしゃる方なら、「にいがた『銀花 』」というギャラリーは、おなじみだろう。そこで開かれる「針仕事好きが集まる「ちくちくチク手仕事の会」が、『チルチンびと新潟』で、ルポされている。

……… にいがた「銀花」「ルールなんてないのよ。あるものを刺すだけ」とオーナーの池晶子さん。ちくちくとは、池さんが名づけた。古布や端切れを太めの針とカラフルな木綿糸で縫っていく。「何かに使おうと縫っているわけじゃないの。昔から『アズキ3粒包める布なら捨ててはいけない』っていうじゃない」と池さん。 不定期ながら、月一度ほど行われるこの会には、年齢も職業もさまざまな女性たちが、“ ちくちく ”する時間を求めて集まる。「好き勝手にやってきただけなのよ。膝の上の布をどうして生かそうかと考えるだけだった。人生も同じね。目の前のことを一生懸命やれば、岐路に立った時に正しい選択ができるようになる。どの布をつなぎ合わせるか決めるようにね」ー 池さんは、こう、しめくくっている。 ………

『チルチンびと新潟』は、8月6日発売です。


scrapbook「次世代に精神伝えたい」

『毎日新聞』 7月28日朝刊・ひともよう欄に、第一回〈吉田桂ニ賞〉授与式の模様が、掲載された。吉田桂ニさんの評、受賞した神家昭雄さんの喜びが、コラムに、描かれている。

 

吉田桂二賞_毎日新聞


多治見サイコー

陶林春窯

 

多治見 39.3度。というニュースが流れた。7月25日。全国的猛暑のなかで、今年最高を記録したのである。焼きものの町。多くの窯元があり、その熱のせいかねえ、と私は、間の抜けたことを言った。
「やきもののまち、多治見から」という記事が『チルチンびと・別冊45・東海版』にある。そこに「陶林春窯」(とうりんしゅんよう)というギャラリーカフェが紹介されている。代表は、広瀬摂さん。以下、広瀬さんの話。
……
「築50年の住宅と倉庫だった建物を、今から15年前にギャラリーに改修しました 」
改修した住宅は、陶磁器の問屋を営む広瀬さんの両親が建てたもの。
「ぼくが跡を継ぐことになったとき、問屋業を続けるだけではなく、器の良さを多くの人に知ってもらえるような場をつくりたいと思ったのが、ギャラリー開設のきっかけです」
「無機質なギャラリーではなく、暮らしを感じられる住居空間で器にふれ、親しんでいただけたらと思っています」
「空間や器も大切ですが、大事なのはそこで何が起きているか。器の魅力を知ってもらうために、2階に厨房をつくり、月に1回料理教室を開催しています」
「イベントに来てくださるのは地域の方々。器によって集まった人たちが、食によってさらに広がっていく。これからも器屋として何ができるかを常に考え、感動的に仕掛けていきたいと思っています」

アツイのは、情熱だった。

陶林春窯

………
『チルチンびと・別冊45・東海版』は、好評発売中です。


はるばる「ギャラリーやまほん」へ

「チルチンびと広場」のホームページで、アクセス数ナンバーワンだった「ギャラリーやまほん」を訪ねてみました。 ……  というタイトルの記事を『チルチンびと別冊・東海版』で、読んだ。こういう文章だ。

ギャラリーやまほん

場所は、三重県伊賀市。伊賀焼で有名なこの土地は、のどかな田園風景が広がり、陶器市開催時には大変な人出になるそうだ。「遠方からのお客さんがほとんどですね」と話すオーナーの山本忠臣さん。お世辞にも行きやすいとは言えない場所にあるギャラリーが、なぜ人を惹きつけるのか、訪ねてみた。看板を目印に、倉庫を改装したというギャラリーの入り口をめざす。白い漆喰塗りのアプローチを抜けギャラリースペースへ。すると広がる白い壁の大空間と、その空間を余すことなく彩る作品に圧倒される。……  山本さんの、いっさい妥協を許さない審美眼と作品が織りなすピリッとした空間と、外ののどかな景色とのギャップが印象的だ。ここで作品を見てよかった、と来た人に思わせる力が、このギャラリーの魅力なのだろう。……

誰しも、行ってみたくなる。それが、かなわないなら、せめて、この記事でおたのしみください  と、担当者は、語っております。

 

ギャラリーやまほん

………
『チルチンびと別冊 45号・東海版』は、7月29日 発売です。