2012年11月12 の記事一覧

相乗効果

 

「枯白のある風景」を観にpoooLさんへ。webからでも伝わる、雰囲気のある作品の様子に惹かれて一度お会いしたかったので、在廊日を狙っていってきました。

お会いしてはじめてお二人で制作されていると知った。二人は沖縄の芸術大学で同級生として知り合い、意気投合して卒業後、故郷に戻って二人でアトリエ兼ギャラリーを開いたそう。もちろん沖縄で出会うまでは、お互い同郷だとは知らず。人生って縁とタイミングですね。

お父様が木工をされていた乾喬彰さんは木、大学で彫刻専攻で様々な金属を扱っていた松岡直実さんは鉄、と元は役割が分かれていたけれど、今ではその境目はないそう。喧嘩になりませんか? と思わずありきたりな質問をしてしまったのだが、制作のことで喧嘩したことはないと。それよりも相手の中の、自分にはない発想に驚いたり刺激を受けたりするらしい。理想的! どちらがどちらを作ったか一見全くわからないくらい統一感があるけれど、紙にイメージを起こすところから始める発想力豊かな乾さん、直感的でいきなり制作を始める松岡さん、それぞれのエネルギーが交わって作品に厚みが増すのだろう。使い手の想像力も試されるような、置いてあるだけで空間にストーリーが生まれてくるような作品を見ていると、つくづくこういうのが似合う家に住みたくなる。

 

 

お隣gallery re:tailさんでは4人展「コランダム」を開催していた。同じ学校の卒業生という点では「枯白」さんと同じだけれど、こちらはそれぞれ全く個性が違う。小さな箱やハットピンなどをジュエリー制作の手法で制作する塚本聖広さん、真鍮に文字や模様を美しく彫り上げていく芳田慎平さん、緑をテーマにグリーンを持ち歩くガラス管のネックレス、カトラリーや多肉職分の入ったガラス鉢に小さなガラスの動物たちで独特の世界をつくっていた有澤 香予さん、テキスタイルのような気持ちいい曲線と色の組み合わせの絵を描く山本梓さん…4人4様だが同じ空間に展示してあっても違和感がない。

和気藹藹として楽しい展示でした。同じアトリエで「cha箱」として制作をしている4人、来年も同じくre:tailさんで展示をされるとのこと、今度はどんなテーマで四つの世界が広がるのだろう。


学びの時間を共有した仲間と、ずっと一緒に何かができて、お互いの刺激になっているって、とても幸せな関係だなと、思いました。