takeko

埼玉県をぐるっと巡ってきました。

朝、チルチンびと広場にも登場している川越の「tenori」さんのイベントからスタート。古道具のオーナーさんや本日オープンほやほやという「ソコノワ」さんを紹介していただく。皆さんがお互いをよくご存じで「tenori」さんに紹介されてきましたというと「ああ!」と笑顔で迎えてくれて、ほっとする。輪を感じます。

 

東松山の入口へ続く細い裏庭みたいな小道が楽しい「ギャラリー黒豆」さん、旦那さまの手で建てられたお店。もう17年も続けられているのはこのお店の個性含め、奥様の人柄によるところ大と思われる。雑誌「銀花」(休刊淋し過ぎます、ぜひぜひ復刊希望!)の最終回にも載られたんだそう。ずっとこの場所にあってほしいと思えるようなお店でした。

 

ギャラリー黒豆さんの入り口は、この板のある細い小道の奥に。 ちょっとわくわくします

 

 

埼玉県はいままで米どころの印象はなかったけれど、どこまでもどこまでも~続く行田の田園風景は富山のよりも広く大きく感じた。あれだけ広大だとこんなイベントをしたくなる気持ちもわかる。行田は「足袋と衣料のまち」でもあり、足袋蔵のある「カフェ閑居」は広ーい立派な民家と庭で披露宴もできるようなゆったり落ち着く空間。車窓から立て看板を眺めていると行田は「埼玉県名発祥の地」でもあるそうだ。さらに、あちこちにある「フライ・焼きそば」という看板の食べ物屋。そして「ゼリーフライ」?アイスクリームの天ぷらみたいなもの?それは黒ビールフロートどころではございません、謎は深まるばかり。食べる勇気もまるでなく、しかし気になるので帰ってから調べてみると、こういうものでした。これならトライしてみたい。奥深い街、行田。

 

幸手のパン屋「cimai」さんではくるみと黒糖のパン、いちじくのカンパーニュなどあまりの美味しそう加減に思わず購入、帰って早速食べてみると想像をさらに超えて美味しく、都内出張販売の予定をすかさずチェックしました。

 

川口の「senkiya」さんはこつこつ自宅を改装したカフェ兼雑貨屋兼ギャラリー。不思議と異なる空間すべてが自然に溶け合っていて、そのふんわりと透明感のある雰囲気はオーナーご夫婦そのもの。こちらの建物内や離れや庭には布小物や洋服のデザインを手掛ける「sunshine to you!」さんをはじめ、木工作家さん、アクセサリー作家さん、車屋さんなどが集まって、小さなものづくり村が生まれつつあるような面白い所でした。

 

埼玉には建物からかなり手をかけて、背伸びせず、のんびりゆるーっと時が流れるままに、着実に自分のスタイルを作り上げている方が多いようだった。今日訪問した12軒の他にも、素敵なお店情報が増えそうです。皆様お忙しい中突然の訪問にもかかわらず、あたたかく迎えてくださってありがとうございました!









タイルびと アトリエ訪問

完成間近のタイルびとのアトリエにお邪魔しました。

 

名づけ親でもあるモザイク師の荒木さんが玄関に屋号「Euclid」のモザイクを施している。
看板代わりに入り口のレンガの床に白がとても映えていいて素敵なので

「この、白にしたのがいいね」というと

「うん、俺苗字が白い石(注:タイルびとの名字は白石です)だから。」

。。。うーん、「キミといつまでも」みたいな手練れの駄洒落にはまだ遠い。

 

なにはともあれ、タイルを焼く窯、バーベキュー用の七輪窯、
タイルでつくった時計、天井に埋め込まれたBOSEのスピーカー、
岡山から掘り起こしてきた100年前のペルシャのタイル、
イコン画家のお母様の作品などが、いい感じに収まり、
ちょっとしたギャラリーのような雰囲気になっている。

 

数か月前に訪ねたときにはブロックを積み上げてただけの、
がらんどうの倉庫跡にだったのに、こんなに変身させるとは。
やはり職人!自分の手で自分の城を完成させられるなんて羨ましい。
仕事の後寝る間も惜しんでつくり上げてきたという、
このアトリエ誕生エピソードは週末アップ予定のコラム
「タイルびと」で詳しく語られますのでお楽しみに!

 

漆喰の壁、ブルーの木枠の扉と窓、タイルもブルーで統一された
地中海色の建物は、住宅街の中ではひときわ目立つらしく、
通る人通る人がのぞきに来る。コワモテのせいか話しかけられない
タイルびとの代わりに、可愛く朗らかなムードのせいか、
どんどん話しかけられるモザイク師荒木さん。すっかり宣伝隊長となり、

「タイルのアトリエなんです。ワークショップもやりますので、ご家族でどうぞ!」

もう勝手にワークショップをやることに決めてしまっている・・・
さすが、来週からイタリアはラヴェンナへ、モザイク一辺倒の
長期旅行へ出発するお人。素早い行動力、発想力の塊なのです。
「モザイクxモザイク」イタリア旅のコラムも発信してくれると思います。
どうぞお楽しみに!

 

現場には仕事が終わってから駆けつけて手伝ってくれていたという
若き家具職人も交え、このアトリエ発のワークショップの計画なども
続々飛び出して、おとなも子供も楽しめる企画も生まれる予感。
今後が楽しみです。

 

 


境野米子さんからの手紙

 

拝啓   

 

お元気ですか。

私は、早朝の恋太郎君との散歩も駆け足ですし、

今は落ち葉掃きに精を出しています。

福島は、澄み切った空気、紅葉が始まった山々、

可憐な赤紫色のリンドウや鮮やかな黄金色のツワブキなど、

以前と変わらぬ美しさです。でも、その空気、木々の葉や花、大地は、

ガイガーカウンターで測定すれば、ビービーと不気味な音を発し続け、

原発の爆発から7ヶ月たったというのに、数値は少しも下がりません。

匂いも色もない放射線が、大きな不安をかき立てています。

 

娘たち家族で賑わう連休や夏休みも、ジジ、ババだけ。

妊娠している娘も「お産は福島ではできない」となりました。

毎年孫たちにどっさり送った野菜ですが、畑は草だらけです。

フキノトウもツクシも摘まず、ドクダミやカキドオシも、

梅すら採らず、もう野草茶や漢方薬は作れないとあきらめました。

だから土手一面に広がった見事なサフランも摘みません。

近くの町では干し柿は出荷自粛。我が家でも干し柿は生産中止です。

この茅ぶきの古民家での暮らしの豊かさは、すべて失われました。

 

サフランが満開。今年は残念ですが、取りません。

サフランが満開。今年は残念ですが、採りません。

 

 

「なんてことを」

「誰が責任をとるの」

「原発は危険と言ってきたでしょ」

「事実を報道しなさいよ」

 

と怒りに燃えていた時、机の前の「主の祈り」を繰り返し読みました。

「われらに罪をおかすものを われらがゆるすごとく われらの罪をもゆるしたまえ」

温かな部屋、温水シャワートイレ、洗濯機、炊飯器、冷蔵庫、テレビ・・・

快適で便利な暮らしに満足していた自分の罪を一つ一つ数えると、

冷静になれました。人間が想像し、計画し、体験していた事を

はるかに越えたことが起こり、それでも私は生かされている、

そこに何か神の摂理があるように思えています。

 

16年前に難病になり人生が終わったと思った時、最大の恵、信仰を

用意してくださった神の計画に間違いがあるはずはありません。

茅ぶき屋根の修復、古民家の維持に大きなエネルギーを注いできた

私を哀れみ、神はその労苦から開放してくださったのかもしれない、

この世にあるものに心を奪われる道ではない方向を教えてくれて

いるのかもしれないと、少しワクワクもしてきました。

 

毎日、神の3つの命令、喜び、祈り、感謝する力を与えてくださいと、

神にしがみついています。多くの人たちに祈られていることを感じます。

その祈りの力を全部、あなたにも贈ります。  

 

敬具

 

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震災後もずっと、福島市で茅葺屋根の古民家暮らしを続けている「じぶんらしくコスメ」の

著者 境野米子さんから「福島のこと、原発のこと、少しでも多くの方につたわりますように」

とお便りをいただきました。

 

米子さんはご自身のブログでもずっと、放射性物質と健康について、福島の自然と暮らし

についてなど福島の今を綴られています。また、生活評論家・薬剤師・福島県教育委員会

委員として各地で「放射性物質と食生活」についての講演もされています。詳しくはこちら

 

 

 

 

 


あしたばうどん

 

八丈島からのおすそわけ明日葉とねぎで、vigoがうどんをつくってくれました。

明日葉の強くて濃い緑色のビジュアル、苦味と甘みとかすかに残るえぐみは

いかにも「大地からの贈り物」という味わい。プラス、卵となめこととろろ昆布に海苔。

大好物ばっかり♪豪華版うどんランチ、とっても美味しかった。

事務所のせまーいキッチンで、手早くぱぱぱと作ってくれたお料理上手のvigoでした。

事務所の隅で泣いていた寸胴もやっと出番がきて、よかったね。

ごちそうさまでした!

 


青空の下、奉納相撲とちゃんこランチ


今日は、靖国神社で奉納相撲をやっているという。事務所から徒歩3分。
これはいかない手はないと、遅めのお昼に出かけがてらのぞいてみると
力士たちがぞろぞろ歩いている。間近で見ると、カッコイイ!!
力士たちのお肉はテレビで見るよりたぷたぷではなくハリとツヤがあって美しいのです。
土俵近くまでいくと、大きな鍋にちゃんこ500円とかいてある。
ではここで遅めのランチにしちゃうかと、座って、ちゃんこをたべながら
生まれて初めての相撲を見るという贅沢なランチタイム!
ちなみにamedioは5月のブログ「はっきよい」のときから2回目なのでいろいろ教えてもらう。
相撲の試合は、瞬時に決着がついて、どんどん片付いていく潔さもいい。
化粧廻しや、次々と変わる行司さんの衣装も絢爛豪華で見所満載。
ついつい最後まで夢中になってみてしまい、スペイン人ばりの長いランチ完了。
一気に相撲ファンになってしまいました。本当にかっこよかった~。
事務所に向かう途中のmorimoriにも打電したのですが一歩遅く残念!
力士の帰り姿を見送るという結果に。。。また来年!

 


八丈島を食す2

 

昨日、amedioがアップしていたゴーヤチャンプルー。なんとも美味しそうでしたね。みずみずしくて爽やかな緑色。しかしいつも我々が食しているこれは、未熟果という、まだ青い青い若造なんだそうで。ではこのヒト、成熟してくるとどうなるか・・・

 

 

ギャーッ!ニガウリから血が出た!?・・・ふわっふわの綿みたいなのにつつまれた薄黄色の種しか見たことがなかったので、ぎょっとしましたよ。なぜにこんなに緑色の中にこんな強烈な反対色が入っているか?なんかちょっとぬるぬるっとしたものが周りにくっついていて、見た目結構迫力があります。勇気を出して、食べてみました。

 

ん?あまい?苦い?うっすら甘くて、うっすら苦い。不思議な味。八丈島ではかつてこれをおやつにしていたそうです。この種を包むゼリー状のものは、蜜柑ぐらいの糖度があるそうで、冷やしてデザートとしていただくのもいいみたいです。なぜこんなに緑色の中からこんな赤い物がでてくるかというと成長に従って葉緑素がなくなるのと、熟すと勝手に割れて種が地面に落ちる、そのとき鳥が見つけやすいように。その後は糞で種がばらまかれるという生態系の素晴らしさ。この毒々しい赤色は、ニガウリの生きる術なんですね~

 

いつも食べてる野菜だと思うとかなり不思議だけれども、南国系の果物なんだよって言われたら、そうかーって思えそうな形状。やっぱり熱い国の食べ物なんだな、と納得するお土産でした。山下編集長、ごちそうさまでした!

 


密教展と手仕事展

 

東京国立博物館で 「空海と密教美術展」を観てきた。日本に密教をもたらした空海ゆかりの書(直筆も!)、曼荼羅、仏像と、貴重な国宝が大集合。まずこれほど弘法大師関連の書が集まる機会もないのではなかろうか。長い年月を経て弓なりになった、空海直筆「聾瞽指帰」にゾクゾク来ていた人は多かったみたいだ。尋常じゃない反応をする人もいて、私はその人にかなり気をとられてしまったけれど、vigoは自分が書を始めたときに見本にしていた「風信帖」を観ることができていたく感動していた様子。書の持つパワーというのもすざまじいものがあるなと思い知らされた。そのバランス感覚たるや奇跡的。実物を目にすればこその感慨が味わえる。

奥に進むと両界曼荼羅、仏像、立体曼荼羅と、奥深い密教の教えを紐解く作品の数々があった。絵画などを用いなければ理解できないと空海自身が言ったとおり、確かに作品を見ているとその複雑さを感じる。とてつもなく怒って鬼やシヴァ神を踏みつけにしている不動明王、斜めになって居眠りをしているみたいな姿勢でリラックスしている如意輪観音菩薩坐像(醍醐寺)・・・仏様といえどいろんな役割を担っていて、ただ有難がるということではないような気がする。この奥に秘められた物語のあれこれを想像させる。個人的には、醍醐寺の大威徳明王を背中に乗せた、無表情ながら素朴な可愛らしさのある水牛がとても気になった。

表情豊かで美しく、面白い展示でいまさらおすすめするまでもなく大大人気の展覧会。会期終了も間近でひっきりなしの人人人。しかしまあ、あんなに大勢の人の目に晒され、可愛い女子集団に「おしゃれすぎる!(???)」と言われたり、後姿も露わになって、仏像たちもきっとちょっとうれしはずかし、困惑の非日常を味わっているに違いない。もう寺に帰ってゆっくりしたい。と思っているかもしれない・・・

 

その後、松屋銀座「銀座・手仕事直売所」へ。雑誌「チルチンびと」や、「チルチンびと広場」上でもすでにご紹介させていただいている作家さんも数名いらしたのと、全国の作家さんとの新しい出会いもあるかなと思い、足を運んでみる。どのブースも和気藹藹としたムード。デパートの催事場がこんなに面白くなっているなんて新発見だった。ちょうどブースにいらしたpfutze プフッツェさん、Bowl Pond Platz -ボウルポンドプラッツ-さんとお話することができたり、残念ながら接客中やたまたまいらっしゃらなかったりしたけれど、作品を実際に見ることができたり、新しく各地の作家さんと出会えたり、楽しかった。日本の手仕事、素晴らしいです。普段は制作で忙しい作家さんと、直接お話しできる貴重なチャンス!9月26日まで開催されているので、ぜひ行かれてみてはいかがでしょう。

 

大きさが自由に組み合わせられるプフッツェさんのピアス

新作「光」。いぶし仕上げで鉄みたいなシルバーが面白い

Bowl Pond Platzさんの作品。鉄とは思えない表情

作成途中に浮かんだアイデアが形になったというハンガー

 


北陸めぐり ~福井編~

加賀を発ち、福井県との境を越えてすぐあわら市に入った。こちらでは、「glass atelier えむに」さんにお邪魔した。一軒家を改装したギャラリーにガラス作品が並ぶ。とてもかわいらしいおかっぱ頭の姉妹が、こちらのグラスで麦茶を出してくれて、手を振って見送ってくれて。懐かしい日本の夏の風景に出会った気分だった。

昼過ぎ、住まい工房さんに到着。堀川社長と合流して4人旅となったのだが・・・ここから、入る店入る店でなにか普通じゃないことが起こる。占い師みたいな風貌のマダムが「私パソコン全然だめよ」と黒電話を見せてくれたり、北陸なのにとてもハワイアンな、南国の香りのマスターにもうきっぱり!と掲載を断られたり、「本日貸切」と書いてあるのに入ってみるとお客さんが二人、普通にコーヒーを飲んでいたり・・・アポなしで押しかけるお店も多いので、もちろん今までにこんなことがあってもおかしくはなかった。でも、不思議と大概そんなこともなく乗り切っていたので、今回は一体次に何が起きるのか!?とドキドキ。「チルチンびと広場」ツアー稀にみる珍道中となった。

中でも一番心に残ったのが「アンパサンド」さんでの出来事。カウンターで女性が一人、昼間から優雅にワインらしきもの飲んでらっしゃる。で、彼女はお友達が遊びにくるので福井らしいところに連れて行きたい。とマスターに相談していた。「わざわざ来てくれるんだから、海辺のちょっとさびれた定食屋みたいなところで、海鮮丼!それで、日本海から風がびゅうびゅう吹いてきてさ、旗がはためいてて、日焼けした地元の男たちが入ってくるようなさぁ、そんなお店、ないかなあ」断片的だけど通る声の方なのでほぼ会話の内容が聞こえ、我々4人耳がダンボになる。またそれにマスターも「そんな場所にイクラもウニものってるようなキラキラの海鮮丼はないって。だからさびれてるんでしょ。」って律儀に理論立てて答えてる。そんな海鮮丼トークが続くこと約30分。盗み聞きして申し訳ないが本当に面白かった。彼女のお友達に、「あなたのためにこんな熱い議論が繰り広げられてます」って教えてあげたい。アンティークに囲まれた、洒落た店内、ハヤシライスもホットサンドもとても美味しいお店なのだけど、何よりも記憶に刻まれたのは「海鮮丼」だった。

 

こんな素敵な空間を背景に、海鮮丼トークが繰り広げられました

 

 

4人旅もいよいよラストという時になって入った、「salut」さん。落ち着いた木の空間、奥には小上がりの畳の間もあって、かわいい女の子がたくさんいて、色白美人のオーナーさんが、快くチルチンびと広場掲載をOKしてくれて、ほっとした顔の堀川社長。最後にお茶でも飲んでいこうか。とコーヒーを頼んだときに最後の事件は起こった。こちらでは少しずつ形の違う陶器の珈琲カップを出してくれるのだが、なぜか堀川社長のカップだけ、

こんな形(実際はもっとかわいいです)。取っ手が1.5センチぐらいの突起。「ここ、指でつまんで飲むの、かなり腕が鍛えられるよ。もしかして、男らしくみせるために男性客はこれなんじゃない?」と堀川社長。「その割には、そんなにカッコいい姿じゃないんですけど・・・」とバッサリのvigo。ツボにはまって笑い転げるa-van。最後の最後までやっぱり何かあった。ぐるっと見回したけど、ほかの男性客のはちゃんと取っ手がついてました。

 

 

堀川社長と別れ、鯖江方面へ向かう。南越前町にある「trunk」さんへ。こちらでは色々情報をいただき、閉店時間を過ぎていたのであきらめようとしていた「GENOME」さんにも「電話して、絶対行ってみた方がいいですよ」と教えていただいた。お話をうかがっていると、GENOMEさんは確かにこの地域を元気にしていく拠点となりそうな予感のするお店。やっと最後になってチルチンツアーらしくなってきました。堀川社長は「もしかして変なことが起きるの、僕のせいかな」と気にされてましたが、本当にそうだったのかもしれません笑でも、お忙しい中ありがとうございました!

 

この5日間のハードな運転を弱音もはかずに一人で乗り切ってくれたa-van、本当におつかれさまでした!そしてインベンションハウスさま、住まい工房さま、vigoのご友人I家さま、ipadを貸していただいたa-vanの母上、vigoご一家、皆様のおかげで今回も乗り切ることができました。本当にお世話になりました。「チルチンびと広場」の北陸情報もだんだん充実してくると思いますので、お楽しみに。

 

 


北陸めぐり ~石川編~

vigo宅。幾重にもある屋根。寺に来たかと思った。入るとドーンと大きな漆塗りの式台があり、なぜか大きな暖簾がかかっている。完全に旅館の体だ。びっくりするなあもう。朝食のお皿にも葉っぱが敷いてあって、ますます旅館みたいだった。天井も漆、仏間も漆、渋い黒、赤、金。さすがは能登の家。こんな「原風景」で育ったvigoの感性、だからああなるのね。と合点がいく。帰りには母上がたくさんのミョウガをくれました。ミョウガ大好き!これ3個180円とかするんです。ものすごくありがたい。大変お世話になりました。

 

午前中は能登巡り。最初は海辺のパン屋&民宿の「flatt’s bakery&cafe」さんを訪ねる。パン屋は奥様が、民宿はオーストラリア人の旦那様がオーナーで、囲炉裏のある畳の間でご主人のつくるイタリアンがいただけるそう。明るくて元気いっぱいのご夫婦と、vigoとのジモトークも盛り上がって、朝からやる気出てきた!次回は必ず泊りにくることを約束して、2件目へ。珠洲の「ギャラリー舟あそび」さんでは「正倉院の夢」と題し、大陸文化の色濃い正倉院宝物をテーマとした陶器・染物・漆塗り・ガラスの4人の作家さんの新作展が行われていた。これがまたテンションあがりました。建物の雰囲気といい、美しい着物姿で迎えてくださる佇まいといい、ちょっとだけ非日常にトリップし、まったく仕事だということを忘れて夢中になる我々・・・

 

午後は金沢市内を巡る。今回はa-vanの母上に借りたipadを持っていったので、「チルチンびと広場」を実際見てもらうことができて、話が早かった。つくづく身内の皆様にもお世話になっております。そんな中「Galerie Noyau」さんのある、新竪町商店街には骨董や手工芸、雑貨のお店が建ち並び、みなさん気さくな雰囲気。中でも特に気さくだった「VerMeer(アンティークフェルメール)」さん。中世の銀製携帯マドラーとか、珍しい物が沢山あった。事前連絡もなしに、とつぜんNoyauさんを訪ねてみたり、新しく発見のお店があったりと楽しい街でした。

 

金沢にはこんな感じで小さなお店が細い路地に建ち並ぶところが多く、そんな場所では車を近くに停めて待機をしていてもらう。しかし、もう暗くなった頃のことだった。駐車場所に戻ったら車がいない!ショック!携帯も、お財布も車の中。ここではぐれたらホテルにも戻れない。暗いし、知らない道。大人なのに完全に迷子・・・ちょうどこの時に居た長町は、最近いろんなお店が集まりはじめた一角だそう。迷子ついでにさまよって、またまた新しいお店を発見しているうちに、車が戻ってきた。注意されたのでぐるっとしていたらしい。電話かけたら携帯車の中にあるんだもん~って、すみません。でも迷子もしてみるもんです。結果、この日は21軒のお店を回ることができた。

 

夜は「高崎」さんで郷土料理をいただきました。金時草、加賀太きゅうり、ドジョウのかば焼き・・・初めて食べたものが沢山。どれも美味しかったです!旅の疲れが完全に癒されました。ごちそうさまでした。

 

翌日午前中は小松を周る。粟津温泉のパン屋さん「metissage」さんは、お休みだったのに朝からお店に来てくださって、色々話をしてくれた。周辺のお店とともに、小松を盛り上げようと、秋にマルシェを企画中だそう。フランス人の旦那様が作る本格フランスパン。食べてみたかったなー。朝のflatt’sさんといい、国際色豊かな印象の石川県でした。午後はいよいよ北陸の旅も大詰め、福井県に入ります。

 

福井編につづく。

 


北陸めぐり ~富山・後半編~

2日の朝、vigo友人宅を出発し、岩瀬にむかった。新米の季節。鮮やかな黄緑色の絨毯みたいに、水平に揃った美しい田園風景がどこまでも広がる。さすが米どころ。たまに、作業をしている人の麦わら帽子がひょこっと現れて、そんなに高さがあることに驚く。米どころといえば、東北では農作物がこんなに豊かに育っていても見えない敵との戦いで、毎日不安が拭いきれないことだろう。祈るような気持ちでいるのも張りつめて、疲れるだろう。深刻な自然災害に放射能汚染、優先順位の間違った政策。そのことへの不安、怒り、悲しみや意見の相違でまた疲れ。莫大なストレス、この状況、原因の一端は自分が生まれてこのかた無自覚に使ってきた電気にある。暴力的に目先の便利を追い求めたあげく後世にまで取り返しのつかない傷を残してしまった罪とか、ここへきて知らないことが多すぎる鈍感さとか、謙虚に自覚しよう。稔るほど首を垂れる稲穂かな。「チルチンびと」と関わっていると、ずっと前からこういう事態に気づいてか自然にか、先人の暮らしぶりに学んでいる人に次つぎと出会う。

 

岩瀬に着いて、一緒に周ってくださるインベンションハウスの宮本社長と大島さんと合流。まずは粟巣野スキー場にあるKAKI工房さんを訪ねた。アトリエ、カフェ、ショールーム、すべて木造りで山と調和している。時がゆっくり流れて、空気がきれい。ここの野原で8月終わりに行われた「Life is beautiful」というイベントの案内を見て、こちらに訪ねてこようと思ったのだ。毎年続いて、もう7年になるそう。ガタイのよいお兄さんたちが多かったけれど、ムーミン村に来たみたいな気分だった。お話をうかがった柿谷さんの奥様はキルトの名人で、ちょうど私たちと入れ違いに目黒で展覧会中で会えず。飾ってあったキルトがあまりにも素晴らしいので、ぜひ見てみたかったし、ご本人にもお会いしたかったけれど、次は3年後。。。忘れず観に行こう。

 

お昼前、宮本社長に紹介していただいた小さな天然酵母のパン屋「ミル―チャ」さんへ。オーナーは、インベンションさんの手がけた友人宅を、施工中も完成も見に行くほどのファン。「私の理想の家だった~」と嬉しそうに話してくれた。家造りに詳しいと思ったら、かつて建築事務所で図面を引いていたけれど主婦業の方が好きで辞めてしまったそう。パンは、自分がシックハウスになったのをきっかけにつくりはじめたら、いつのまにか売れるように。中に入ったオレンジピールなどもすべてお手製。材料選びからなにから絶対手抜きをしない。だから量もこれが限界ということだった。ものづくりに真面目な人たちってみんな同じことを言う。もう3年も毎週通ってくれるお客さんもいるのもわかる、やさしい味のパンだった。

 

お昼は「美味しんぼ」にも登場したという、魚津駅前のお店に連れて行っていただく。富山は饂飩、素麺が美味しいとvigoが言うので、饂飩にしてみる。たしかにコシがあって細くて、のどごし爽やか。さらに名物、手延べの「大門素麺」の話を聞いて、どこかで買って帰ろうと心に誓う。市内のお店を回り終えて、最後の1件、紅茶の店アナザホリデーさんにたどり着いた。紅茶専門店というと敷居が高い感じがするけれど、ここはまったくそんなことはない、店内もアジアの香り満載で、床の間?には清志郎さんの写真が飾ってあり、なんだか楽しい雰囲気につつまれていた。暑い日だったけど、温かいチャイで旅の疲れがすーっと抜けていった。

別れ際、宮本社長がなにか袋を持ってきてくれた。見るとうわあ、なんと3人分の「大門素麺」!いつの間に…まったく気づきませんでした。なんという粋なはからい。週末にでも、能登で買った海苔と合わせて磯饂飩をつくってみよう、楽しみです。ありがとうございました!

 

インベンションハウスのお二人と別れ、石川県に向かう。途中、七尾の「幸寿司」さんで夕ご飯。思いだしニヤケができるほど美味しかった。コハダも、タイも、マグロもウニも出るもの出るもの本当に美味しくて。特に記憶に残ったのは、イカと白魚かなぁ。真っ白でつるっつるでふわっとして甘くて。何より嬉しいことに、リーズナブル!興奮のあまり出てくるなり瞬時に食べたので、一枚も写真を撮っていないのです、すみません。

夜はvigoの実家泊。ついに「八つ墓村よりも人が少ない場所で生まれ育った」という噂の真相をこの目で確かめられる!車っこ一台通らない真っ暗な山道をa-vanがよく運転してくれました。vigo邸に着くと、真っ暗でよくわからんがとにかく大きい・・・これは、お寺か、旅館か?翌朝、我々vigoの「原風景」を見ることになります。 

 

 

石川編につづく