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『「前衛」写真の精神』展へのご案内

「前衛」写真の精神 展

 

〈なんでもないものの変容〉というタイトも添えてある。
そして、瀧口修造・阿部展也・大辻清司・牛腸茂雄 という4人の写真家の名前も。添えてある。
パンフレットに曰く、
本展覧会では、4人の作家の交流と創作を辿りながら、
1930年代から80年代にわたる日本昭和写真史の一断片をご紹介します。
……  4人の作家の思想や作品は、互いに影響を与えあい、
前衛写真として想起される技巧的なイメージを超えた「前衛」の在り方を示します。
戦前から戦後へと脈々と引き継がれた、「前衛写真精神をご堪能ください。

この展覧会は、千葉市美術館で、4月8日から5月21日まで、開かれる予定です。

 


『日本の自然と多色摺木版の世界』のご案内

日本の自然と多色摺木版の世界

 

春の海 ひねもすのたりのたりか な      芭蕉

日本の四季のうつりかわりは、さまざまな手法で 美しく描き出されてきた。以下、案内に書かれた文章である。

《15世紀から19世紀までの西洋のナチュラルヒストリー〔自然誌/博物学〕とアート〔美術/技芸〕のつながりに注目し、人間が表してきた自然のすがた・かたち〔画像〕を展覧します。》

『自然という書物  15~19世紀のナチュラルヒストリー&アート』は、3月18日から5月21日まで。
『日本の自然と多色擂木版の世界』は、3月15日から6月11日まで。

町田市立国際版画美術館で開催しています。

 


『江戸絵画 お絵かき教室』へご案内

江戸絵画  お絵かき教室

 

タイトルを見ると、なんとなく春めいた気分になるから不思議です

そしてパンフレットを読むと、まず、「四大テーマに曜戦」として、動物・人物・花・山水、があげられ、ついで「画材・技法・表具」についてふれ、「江戸時代の画家は、どうやって学んだのか?」中国に学ぶ・応挙に学ぶ・雪舟に学ぶ・オランダ本に学ぶ、とあり。最後に「江戸絵画はヒントの宝庫」とあり、国芳に劇画を学ぶ・少ない色でカラフルに・お手本はいらない・全部を描かない……と、モチーフから構図、色の選び方まで、教えてくれる。

「描く」という視点から、江戸絵画を楽しもう!
そんな楽しいお絵かき教室は。府中市美術館で、3月11日から 5月7日まで、開催中です。


サヨナラ La Cage

La Cage

 

一通の手紙か。届いた。
La Cage  波田野さんからだった。

西荻窪駅の南口を出て線路側の道を荻窪方面に向かって歩いてすぐ  、ミドリの滴る店がある。そこが波田野さんのアンティークショップだ。
中に入ると、大きなしゃれた鳥かごが、下がっている。そして、たくさんのアクセサリー、服など、並ぶ商品の奥に、ミシンを前にして波田野さんは座っている。そうして、一日中、服の繕いなどをしながら、お客さんを待っている。
五年前、インタビューをした。「お休みの日は?」と聞くと「休みはありません」という返事。この店を始めるとき、ある方から「店を始めたら、3年間は休んではダメですよ」というアドバイスを受け、それを守ってきた結果だという。「だって私、ここにきて座っているだけですもの、元日でも開けています」。
不景気風が吹いてきていることは、聞いていた。その手紙には、……体力、気力のあるうちにと、2月を目処に閉店することにしました。長いような短いような27年間でした。……   とあった。お疲れさまでした。

 


『雰囲気のかたち』展(うらわ美術館)へのご案内

『雰囲気のかたち』展(うらわ美術館)

 

この展覧会のパンフレットに、いわく、
〈 ……   本展では、はっきりと見えないもの、刻々と変わる不定形なものなどを表現した作品を、国内の近現代の絵画や彫刻、ドローイング、映像、写真などで紹介します。美術家たちは感覚を研ぎ澄ませ、流れる大気、周辺の空間や時間、その関係やあり方をとらえようとします。その場を満たす光や粒子、輪郭、あるいは筆致や素材の吟味によって、さらには言葉へつながることによって、物質を超えた存在に形を与えています。私たちは昨今、ウイルスや情報など、時代をも動かす目には見えないものをより意識するようになりました。そのような中で改めて、私たちのまわりにあって空間を染め、ある力や豊かさが存在する場を、つかみ、作ろうとする美術家たちの表現に触れてみたいと思います。〉

――見えないもの、形のないもの、そしてここにあるもの   

というコピーが、添えてある。

………

『雰囲気のかたち』(うらわ美術館)は、23年1月15日まで公開中。

 


『プラチスラバ 世界絵本原画展』(千葉市美術館)のご案内

プラチスラバ 世界絵本原画展

 

『プラチスラバ 世界絵本原画展』は、スロバキア共和国の首都プラチスラバで2年ごとに開催される、世界最大規模の絵本原画コンクールです。…… と、展覧会の案内は、始まっている。
〈  本展覧会では2021年10月から翌年2月にかけて現地で開催された BIB  2021への参加国の中から、近年の活躍がめざましいアジア諸国に焦点をあて、中でも隣り合うふたつの国、日本と韓国の絵本のいまをご紹介します。第1回展より参加する日本は数多くの作品を送り届け、受賞作家を輩出してきました。そして、近年の韓国の作品は、絵本の可能性を押し拡げるような多様さを持ち、世界から注目を集めています。〉と続いている。
サブタイトルとして『絵本でひらくアジアの扉  - 日本と韓国のいま』が添えられている。
………
この展覧会は、千葉市美術館で、現在開催中。12月25日まで。

 


シス書店、企画展 101!

網代幸介「霧の中で」展

網代幸介「霧の中で」展

 

JR 恵比寿駅を降りて、ダラダラ坂道をのぼり、シス書店へ行く。以前は、もう少し先の 古びたビルの一室だった。あれもなかなかよかった、と、歩きながら、そんなことを思い出すのは、今回の企画展が、記念すべき101回目と聞いたからだ。このギャラリーは「広場」とも、けっこう長いお付き合いになる。
101回目企画展は、網代幸介「霧の中で」。
1回目の企画展は、野中ユリ「夢の結晶力」であったという。それが2010年のこと。
「あっという間に、13年」と、店主のSさんは、唄うように言った。Sさん、あいかわらず、明るく元気だが、やはり、コロナの影響はきびしく。お客さんの数も減少、年齢層にも変化があり、さて、これからどう運営、展開していったらいいか、思案の最中だという。
早く、霧の晴れることを祈ります。

網代幸介「霧の中で」展は、10月23日まで。

 


サヨナラ ぬりえ美術館

ぬりえ美術館

 

東京・町屋にある「ぬりえ美術館」が、10月30日で閉館するという。昭和20年ころから、少女たちに親しまれてきたぬりえ文化を、伝えてきた。この「広場」でも、お仲間として、ご紹介してきた。さみしい。日本のぬりえの第一人者として、活躍した蔦谷喜一さんへの生前のインタビューを、掲載して、お別れとしたい。(中公新書『商売繁盛』から)

〈   ……  えーと、だいぶ前のことなので、そのたびに思いださないといけない…… 昭和15年、でしたかねえ、画の学生だったんですけど、アルバイトみたいのを探してまして、友人が描いてみないかと、自分にはあわない、君なら、あうと言われましてね。なんでしたっけねえ、藤娘なんかを描きましたかねえ。それ“ きいち”という名前じゃなくて、漱石の『虞美人草』から“ふじお”にしました。それで、戦争で、一時中止になって徴用に行ったりなんかして、戦争が終わりまして、また描きはじめたんです。昭和22年に“きいち”という本名で、こんどは、印刷もやって自分で自転車につけて、蔵前におろして歩きましたよ。「おとぎ絵」というタイトルをつけて、外国のおとぎ話の絵を描いたりいたしましてね。なにがよかったんだか、「きいち」、「きいち」と騒がれて、なにがよかったのかって、自分ではギモンなんですけどね。……〉        (つづく〉


『版画×写真 1839~1900』展のご案内

町田市立国際版画美術館『版画×写真 1839~1900』展

 


〈19世紀に登場した写真は世界を大きく変えました。とりわけ大きな影響を受けたのが、イメージを写し伝えるという同じ役割を担っていた版画です。この時代の版画と写真の関係は、これまで対立ばかりが語られてきました。しかし初期の写真の技術はまだまだ不十分で、両者は補い合う関係でもありました。……本展ではヨーロッパを中心に、版画と写真に加え、カメラや撮影機材をはじめとする関連資料180点により、その表裏一体の関係を探ります。〉
というのが、パンフレットに書かれた趣旨である。
その横のコピーが わかりやすい。

「支えあい、競いあった   二つの芸術」

この『版画×写真  1839~1900』展は、町田市立国際版画美術館で、10月8日から12月11日まで 開かれる予定です。

 


『アーツ・アンド・クラフツとデザイン』展へご案内

アーツ・アンド・クラフツとデザイン

 

ウィリアム・モリスからフランク・ロイド・ライトまで - というサブタイトル。展覧会のパンフレットに、いう。

〈   モダンデザインの父 - ウィリアム・モリスは、こう呼ばれています。しかし、彼の代名詞ともいえる草花や小鳥をモチーフにした文様や中世を思わせる重厚なデザインは、その呼び名におよそ似つかわしくないように思えます。ではなぜ、モリスが「モダンデザインの父」なのでしょうか?
モリスの生きた19世紀のイギリスは、大英帝国の絶頂期。近代化も著しく進んだ時代です。多くの人がそれを謳歌する一方で急速な近代化に危機感を抱く人々もいました。例えば、評論家のラスキンは職人の手仕事に支えられた中世の建築を賛美し、ラファエル前派の画家たちはラファエロ以前の古風な描き方を目指します。そんな思潮が高まる中、モリスが見つけたのは室内装飾の道でした。…… 〉

「暮らしのデザインのはじまり」というコピーも、読める。

『アーツ・アンド・クラフツとデザイン』展は、府中市美術館で開かれている。12月4日まで。