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竹は厄介者ではない

『チルチンびと』113号「竹を厄介者にしてはいけない」

山口瞳


『チルチンびと』113号「竹を厄介者にしてはいけない」(鳥居厚志)という記事を読んだ。その部分を抜粋させていただく。……

モウソウチクは、江戸時代以降に株分けによって各地に植え拡げられたと考えられますが、その多くは明治以降、さらに言えば食糧増産のために昭和時代に多く植栽されたようです。ところが、1970年代に外国から安価な筍が輸入されるようになり、筍の生産竹林は次第に放置されるようになりました。生産を放置しても竹自体は消滅するわけではありません。しかも、果樹など他の作物と違い、竹は地下茎を四方八方に伸ばして節から筍を出して分布を拡げるという雑草のようだ性質があります。……このように、放置された竹が勝手に分布を拡大し周囲の植物を枯らす現象が観察される……というのである。

竹が厄介者になる仕組みを読んでいるうちに、『萬葉集』大伴家持の歌か浮かんできた。この歌は、山口瞳さんの作品にも登場。そうしたご縁でか、山口さんは色紙にも書かれている。

わが宿のいささ群竹吹く風の音のかそけきこの夕べかも

竹が、厄介者であるはずがない。

 

『チルチンびと』秋  113号

『チルチンびと』秋113号は、好評発売中です。お早めに書店へ !


残暑の折、「小笠原からの手紙」をお届けします

小笠原からの手紙

 

9月、とはいえ、まだまだ 暑さも厳しい。磯の話題など、いかが。『チルチンびと』秋 113号から、「小笠原で海藻ウオッチング」(新行内  博)をご紹介。こんな書き出しで、始まる。
〈  小笠原の磯で「海藻を見ています」と言うと、よく「食べられますか?」と聞かれます。答えにくいのですが、「食べられないことはないけれども、美味しくなさそうなので私は食べません」というのが正直なところです。海がきれいなのは言い換えれば貧栄養ということで、海藻がそれほど大きくはなりません。小さいので、摘んで食べればどうしても岩への付着部分が残ります。加えて体内に石灰を含む種類が多いので、あまり食べたくありません。見ている方が好きです。〉
そして、つぎつぎと海の中で見える“  海藻風景  ”  を教えてくれる。涼味満点。

『チルチンびと』秋  113号


『チルチンびと』秋  113号は、特集「庭」、特集「首都圏の移住」。9月9日から全国書店で好評発売中。


『チルチンびと』秋113号の発売間近です!

『チルチンびと』秋  113号

 

秋立ちぬ。『チルチンびと』秋  113号の発売近し。
秋号の特集は「庭」、「首都圏の移住」、「チルチンびとを訪ねて」。どれも、読書の秋に。ふさわしいものばかりですが、まず「庭」特集からご紹介しましょう。

サブタイトルに〈土に触れ、緑を楽しむ〉とあるように、どの事例も緑満載。
・ ポケットパークのある心地のよい暮らし  設計・岸本和彦
・周囲の緑とつながる雑木と水の庭   設計・岩瀬卓也
・緑を望む中2階リビング    設計・宮嶋大輔
・6角形の家の開口部が切り取る六つの景色    設計・平  真知子
・大きな屋根の下  3世代7人が賑やかに暮らす   
・家と庭が響き合い街にやさしく佇む最新モデルハウス    設計、施工・(株)未来工房
・開放感あふれる新モデルハウス    設計、施工・(株)小林建設

いかがですか。ぜひ、お好みの庭にお立ち寄りください。

『チルチンびと』秋  113号

『チルチンびと』秋  113号は、9月9日発売。お楽しみに !


『チルチンびと』秋113号から『首都圏の移住』

首都圏の移住

 

9月9日は、『チルチンびと』秋  113号の発売です。

今号の特集は、秋の定番「庭」。そしてもう一つ「首都圏の移住」
コロナ禍、密を避けてリモートワークが流行。都心を離れて働くことが、ふつうという時代になりまくた。これをチャンスとして、移住を果たした実例を、ご紹介しています。

・週末はカフェ。畑のある丘の上の家(湘南)
・自然豊かな郊外で叶えた平屋の家(甲州)
・山並みを眺める念願の移住暮らし(赤城山麓)
・緑豊かな環境で猫と暮らす夢を叶える(日光)
・山に抱かれ、おおらかに住まう(伊豆)

「住まいは生き方」という言葉を「移住」は、実感させてくれる。

 

『チルチンびと』秋  113号

『チルチンびと』秋  113号は、このほか、特集「庭」、「チルチンびとを訪ねて」など。9月9日発売です。お楽しみに。


新版画は、いかが

「新版画」展

 

川瀬巴水・吉田博・伊東深水  -世界を魅了した木版画   というサブタイトルが、ある。。そして、展覧会のパンフレットに、こういう解説も。
〈 新版画とは、江戸時代に目覚ましい進化を遂げた浮世絵版画の技と美意識を継承すべく、大正初年から昭和のはじめにかけて興隆したジャンルです。伝統的な彫りや刷りの技術に、同時代の画家による清新な表現を合わせようとした版元・渡邊庄三郎〈1885~1962)の試みに始まりますが、昭和に入っていくつもの版元が参入し、大きな流れとなりました。〉
ということである。
進化系  UKIYOE  の美 というコピーも見える。

この「新版画」展は、千葉市美術館で、9月14日から  11月3日まで、開かれる予定です。

 


庭という天国

ベニシアと正 2

 

以前からの ベニシアさんファンで『ベニシアと正 2』も、早速、購入。とっくに読み終えたというひとに会った。本に散りばめられたベニシアさんの言葉が、かわいかったという。たとえば? 「 庭は天国に一番近い場所。この言葉は、作者不詳、とありますが、いやいやベニシアさんの実感でしょ」
別れて帰って、『ベニシアと正 2』の110ページを開いてみた。
〈 今も私は毎日、静寂の時間を作っている。庭に行って目を閉じて、深呼吸をする。頭の中から考えごとを追い払い、一瞬のときをそのまま感じ取り、果てしない美しさと生きている奇跡に感謝する。〉
という文章がある。
夏草の繁った大原の庭が、こちらの頭の中にもひろがってくる。

………

『ベニシアと正 2 -青春、インド、そして今-』(風土社刊)は、好評発売中! お早めに書店へ!

 

ベニシアと正 2 -青春、インド、そして今-


ベニシアさんの指輪

『チルチンびと』夏 112号「ベニシアと正」

 

『チルチンびと』夏 112号の「ベニシアと正」は、「きつい指輪を外してあげよう」という、話題だった。左手の薬指に一つ、右手の中指に二つ。これが、痛いので外してほしいというベニシアさんの要求に、梶山さんが奮闘する。この話は、「ベニシアと正 2』にも、顔を出す。その記事に、指輪外しには消防署がいい、と書いてあった。それで、思い出した。以前、指輪切ります、という話を消防署に取材したことがあった。そのときの話を、メモから……。

〈ほとんどの人が、結婚とか婚約とかの、大事な指輪なんですね。ですから、リングカッターで切るのですが、切ってもいいんですかと、再度確認をして切るわけです。もう、苦痛に耐えられないから切ってくださいと、ハッキリおっしゃいます。こちらも、切るとなると厳粛な気持ちですね。人それぞれ、思いのこもっているのを、切ること自体、胸が痛みます。取れなくなった原因をうかがいますと、自然に太ってしまったとか、出産前後のムクミ、友だちのをハメてみた、突き指してハレてしまった、転んで指を骨折して取れなくなった……こういう状況が多いようですね。……〉

ベニシアさんの場合は、どうだったのだろう。

…………

『チルチンびと』夏 112号は、特集「60、70代 夢を叶えた家」好評発売中。お早めに書店へ。『ベニシアと正 2 -青春、インド、そして今-』も、好評発売中 ! お早めに書店へ。

 

『チルチンびと』夏  112号

ベニシアと正 2 -青春、インド、そして今-


『ジャン・ブルーヴェ展 椅子から建築まで』のご案内

ジャン・ブルーヴェ展 椅子から建築まで

 

〈…… アール・ヌーヴォーの画家の父と音楽家の母のもとに生まれ、金属工芸家としてキャリアをスタートさせたブルーヴェは、1924年に初めて自身のアトリエを開き、家具の制作から建築へと、徐々にその仕事を拡張していきました。
プルーヴェはデザインから生産までをトータルに捉え、新たな素材と技術を追求することで、画期的な構造と機能を備えた家具を次々と生み出しました。なかでも、1934年の発表後、長年開発が続けられた椅子は、プルーヴェの構築的原則を表すものとも言えます。また、小規模住宅から高層ビルまで、プルーヴェがが幅広く手掛けた建築では、工場製の生産方式やガーデンウォールの開発、数人で建設が可能な組み立て式住宅などが知られています。……〉

「ジャン・プルーヴェ展」は、7月16日から10月16日まで。東京都現代美術館で開かれています。

 


『生誕100年 朝倉摂 展』へ

「生誕100年 朝倉摂展」練馬区立美術館

 

絵画、舞台、絵本   知られざる創作の全貌に迫る初の回顧展
というサブタイトルのついた『朝倉摂展』。

〈 画家・舞台美術家として活躍した朝倉摂(1922~2014)の全貌に迫る、はじめての本格的回顧展です。彫刻家・朝倉文夫(1883~1964)の長女として東京・谷中に生まれた朝倉摂は、17歳から日本画家・伊東深水に学び、モダンな人物像を洗練された色彩感覚で描き出し、若くしてその才能を認められました。戦後は新制作協会に所属し、パブロ・ピカソやベン・シャーンなど海外作家の研究を通して、新しい絵画表現を模索します。………60年安保闘争などの社会的問題に取り組む中で、演劇やデザインなど多様なジャンルの芸術家との共同制作に可能性を見出し、60年代半ば以降は舞台美術へと活動の比重を移しました。……〉
というのが、パンフレットに描かれたプロフィール。

6月26日~8月14日まで。練馬区立美術館で開かれる予定。

 


『ベニシアと正』1 と 2

『ベニシアと正』1

 


『ベニシアと正  2  -青春、インド、そして今-』(風土社刊)は、もう、お読みになりましたか。

もしかして、なぜ『ベニシアと正   2』なのだ、とお思いの方がいらっしゃるかもしれませんね。で、「 1 」について、のご紹介を。
『ベニシアと正、人生の秋に - 正ありがとう。すべて、ありがとう』
というのが、「1 」のタイトル。この本の初めは、「正へ」というベニシアさんの文章で始まっている。

〈  正、ありがとう。いつもありがとう。
若いとき、いろいろあったけれど、許してほしい。
どっちが先かわからないけれど、たぶん私ね。
ありがとう。すべて、ありがとう。
もういろんなことがあったね。許さないといけないこともいっぱいあった。〉

……………

そして、目次を開くと、
二人の出会い、結婚   /   京都大原、古民家での暮らしが始まる   /   ベニシアの庭、僕の山 …… とつついていく。おわかりのように、今回発売の青春萹とあわせて、二つの人生が描かれる。二人にとって、幸せのしっぽ、幸運の手とはなにか。どうか、1、2、二冊お楽しみください。

………


『ベニシアと正、人生の秋に  ー  正ありがとう。すべて、ありがとう』(梶山  正、ベニシア・スタンリー・スミス)は、風土社刊。好評発売中です!