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子どもの本屋さん、復活

ブックハウス  カフェ

 

この春のこと。

ああ、ここもまた、と思った。神保町交差点から九段下方面に、歩いて4, 5分。児童書専門の店 ブック ハウス が、閉店していた。少子化、出版不況。しかたないのか。でも、このあたり、岩波ブックセンターも消えたし、淋しいじゃないですか。
それが、ブックハウス  カフェとして、この5月、ふたたび開店したという。行ってみた。店の前にはお祝いの花。店内の真ん中はカフェ。
『うさこちゃんとふがこちゃん』『こどものとも   おいしいおやつをくださいな』(ともに福音館書店刊)の2冊を購入して帰る。

たいへんでしょうが、がんばってください。

 


木組み博物館へ

木組み博物館

 

木組み博物館へ行った。

暮れから正月にかけて「一陽来復」で大賑わいの、早稲田・穴八幡の隣のビルの3階にある。入場無料。「だから、なかなか大変なんです」と、館長の 谷川一雄さんは、言った。
「約40年間。工務店、建設会社で働いて木造建築にたずさわってきましたが、伝統工法という日本の文化が、このまま、忘れられては淋しいと思いましてね。幸い、手持ちの資料がありましたから、それをもとに、新しく加えて、一昨年オープンしました」
二つの会場には、たくさんの木組みの模型。木の種類のいろいろ。茶室の模型。大工道具…… などが、展示されている。「ショップも、あったほうがいいと思いまして」。Tシャツや木の洗濯バサミなどが、並んでいる。
博物館の印象を一言で言うなら、立体的『チルチンびと』!  谷川さんの書棚にも『チルチンびと』が、並んでいるという。


………
毎月、イベントも開かれている。
6月17日(土)14時から。木組みの森劇場  ―  幸田露伴作『五重塔』の読み語り。館長の解説。

 


「裸体モデル誕生」トークショー

「裸体モデル誕生」トークショー

 

いつも、この「広場」の『私のセツ物語』を、ご愛読いただきありがとうございます。前回、登場して「裸体モデル誕生」を語った  渡部倫枝さんから、こんなメールが届きました。
……
〈こんにちは。弥生美術館でのトークショーが、急遽、決定しました。
5月28日  15時からの開催です。予約不要で、美術館の入場料のみで、参加いただけます。ぜひ、よろしくお願いいたします。〉
……
渡部さんは、『私のセツ物語』を、こんなふうに、つづっています。
「あなた、コスチュームやったらどうかしら?」 コスチュームとは、着衣のモデルという意味です。 ……  「裸体も大丈夫です」と言ってみると「ああ、それなら…… 裸体は痩せていれば誰でもいいから」と言われました。痩せてれば誰でもできる。……
(この続きは、コチラでごらんください。)
……
弥生美術館での『生誕100年  長沢節展』は、文京区の弥生美術館で、6月25日まで開催中。

 


練馬燃ゆ

練馬区立美術館「19世紀 パリ時間旅行  ー   失われた街を求めて」6

 

「やっぱり、マクロンだったわね」
「39歳だって。うちの息子と同じトシよ。でも、大丈夫なのかしら。トランプやプーチンを相手にして」
「おたくも、24歳トシ上のオクサンを探してあげればいい。それにしても、ルーブル美術館のところで挨拶したの、テレビでみて、よかったわよ」
「ねえ、今日、ルーブルあった?」
「ルーブルあったかなあ」

練馬区立美術館の帰りに、コーヒーを飲みに入ったら、隣の席が女性2人連れ。話はエンエンとつづいた。練馬燃ゆ。

(練馬区立美術館「19世紀 パリ時間旅行–失われた街を求めて」6月4日まで)

 


平良敬一さん 建築論集の出版を祝う会

 

5月11日。神田の學士会館で、『平良敬一建築論集 機能主義を超えるもの』の出版を祝う会が開かれた。
会はまず、内田祥哉・磯崎新・原宏司・長谷川尭・益子義弘・安藤邦廣 ……
という発起人のみなさん、平良さんを囲んでのスペシャル・トーク。そして、乾杯。そして、つぎつぎ、スピーチ。スピーチへの感想を聞かれた 平良さんの「今日は補聴器の具合が、どうも……」という返事に、大笑い。歓談。また、笑い声。
楽しく、賑やかだった当日のアルバムを、ごらんください。

 

平良敬一さん 建築論集の出版を祝う会

平良敬一さん  建築論集の出版を祝う会

平良敬一さん 建築論集の出版を祝う会

平良敬一さん 建築論集の出版を祝う会

平良敬一さん 建築論集の出版を祝う会
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平良敬一 建築論集  機能主義を超えるもの』(平良敬一著)は、風土社刊。定価(本体3000円 +税)。好評発売中です。

 


帰ってきた「青蛾」

青蛾

 

伝説の「青蛾」が、復活…… などという記事を、新聞や雑誌で見かけた。
昭和22年、新宿で誕生し、サロンとして愛された喫茶店が、東中野で復活。家具も食器もランタンも、当時のものである、という。

JR 東中野駅西口を出て、通りを渡って、左へ。五分ほどの右手に「青蛾」。広く、澄んだ空気が感じられる店内。壁に、竹久夢二の絵など。ブレンドコーヒー500円。

家に帰って、『広辞苑』で、青蛾をひいた。
①まゆずみで書いたみどりの眉。蛾眉。②転じて、美人の称。

 


さよなら、セツ

セツ・モードセミナー

 

4月23日。晴れ。
この日、セツ・モードセミナーの卒業式。そして、学校が終わりを告げる日。朝刊に、「セツ・モード閉校  創設者 故  長沢節さん生誕100年に合わせ」の見出し。

私が君たちに願うことは唯一つ。美しいものが本当に分かる人間になって欲しいということです。人生において美しいものは必ずしも絵だけではありませんが、絵を描くという実践の中では、少なくとも君たちは美と醜についてのキビしさの中に立たされます

と、入学案内に、長沢節さんは、書いたという。みんな、世の中の美と醜を見分けることのできる人間になって欲しい、ということだろうか。生徒たちが、階段を上がって教室に入っていく。その姿に、いろいろな人がダブって、消える。貧しくて交通費もままならなかったけれど、ここに通う日は、わくわくしたという人の話も思い出した。胸が詰まる思いがした。

………
この “ 広場 ” では「私のセツ物語」と題して、卒業生の方々が、セツの記憶をつづっています。ぜひコチラからごらんください。

 


「茶の湯」展で。織部の茶室・燕庵

「茶の湯」展

「茶の湯」展

「茶の湯」展

 

サクラが終わっても、上野公園の人出は散ることがない。東京国立博物館平成館へ行く。「茶の湯」展(6月4日まで)。

日本美の粋、茶の名品ずらり。37年ぶり、奇跡の大「茶の湯」展…… というのが、パンフレットにのぞくキャッチフレーズ。

近ごろ、美術展では写真撮影を許可するところが、よくある。あちこち勝手に撮影して、係の人が注意すると、食ってかかる客がいる、という話も聞いた。ここでは、織部の茶室・燕庵が、会場に設えられていて、記念撮影は、こちらで、ということだった。

 


カッサンドル・ポスター展

カッサンドル・ポスター展

 

「グラフィズムの革命」というサブタイトルのついた「カッサンドル・ポスター展」へ行く(八王子市夢美術館。6月25日まで)。ウクライナに生まれ、フランスで活躍した20世紀を代表するグラフィックデザイナー、とパンフレットの解説にある。

大胆で力強い、と評されるように、パスタ製造工場のポスターから鉄道や船舶など、大判のポスターに迫力がある。しかし、それらよりも、エリック・サティ のピアノ作品集など、その何分の1かの大きさのレコードジャケットに、惹かれた。

 


花醍醐と五分散り

花醍醐と五分散り

 

花醍醐という言葉を、岡野弘彦氏の文章で知った。〈『東京新聞』4月11日夕刊・美しく愛(かな)しき人々〉。


……


 吉野山の桜が咲ききわまった頃、風がぴたりと静まって不思議な静寂が続いたと思うと、俄かに山が鳴り突風が吹き起こって、全山の花を空に吹きあげ、一転してゆっくりと地にふりそそぎはじめる。魂をうばわれるような美しさを、「花醍醐」というのだそうな。


……


花見をしたくなって、井の頭公園に出かけた。途中の道で、帰ってくる友人とすれ違った。「咲いてた?」というと「五分散りかな」と答えた。