植物
脱スーパー
花は花屋で、肉は肉屋で、野菜は八百屋で、魚は魚屋で…と言った調子で市場に行き始めてから、最近めっきりスーパーで買い物をしなくなった。
猫柳を買いに花屋に行ったら、1本2,000円だと言う。花屋のおじさんが「こんなのはあと1週間ほどすればバカみたいな値段になるからそのくらいにおいで。今日はこっちの花がいいよ」と言われ、1本100円の菜の花を買った。こんな感じがたまらなくいいのである。
植物力日記
毎年けだるくモヤモヤするこの時期。花粉症とまではいかないが、なんだか目耳鼻周りもモゾモゾする・・・でも、今年は植物パワーに助けてもらっているせいか、いまのところとても快適に過ごせています。
3/8 AM
第4回彩工房暮らしと住まいのセミナーのお手伝い。今回は植物を楽しむクラフトや、個人宅、お店の庭津造りを手がける奥田由味子さんを講師に迎えてガーデンクラフト講座と庭づくりのお話。形が自由に作りやすいワイヤーと、あまり頻繁に水をあげなくてもいい多肉植物の特性を生かした可愛い作品ですが、籠を作る作業はなかなかハード。みなさんワイヤーと格闘していました。
宇治「たま木亭」の美味しいサンドイッチとほとり・ポトリの和久さんが淹れてくれた美味しいフェアトレードコーヒーでランチの後は、奥田さんが参加者の方の庭づくりや植物の育て方などさまざまな疑問やお悩みに答えてくれる質問タイム。園芸店や専門書とはまた違って、暮らしにとりいれやすい解決法を、ご自分の経験をふまえてわかりやすく教えてくださるので、次々に質問が飛び出した。
3/8 PM
帰り道、小さい部屋さんに「静かな春」展を観に寄る(ここで奥田さんにバッタリ遭遇!)。とりことりさんの細い細い糸で編んだ種子は、隣に双子のように置いてある本物以上に形状が深く印象づけられ、名前も覚えてしまう。センダン、イロハカエデ、シャリンバイ。道に落ちた実を見て「あ、センダン」と思うようになった。美しい種子の立体図鑑でした。
金属に見えたこちらの箱は蝋引きした紙で出来ており、近くのlagado研究所さんで作られているというので行ってみた。こんなところに・・・という意外な場所にひっそりある骨董&bar? cafe? 古いヨーロッパのお伽噺に出てくる物知りじいさんの部屋のよう。
3/9 PM
お松明(東大寺修二会)を観にいく。752年から数々の戦火や災害をくぐり抜け、一度も途絶えることなく続けられてきたという奇跡のような行事。童子(といってもベテランさんは70歳近い!!)という世話役さんが、大きいもので長さ8メートル、重さ60キロという自ら作った巨大松明を持って二月堂の欄干を走る。暗闇に浮かぶ炎が流れていく様子はとても神秘的。天下泰平、無病息災を祈り火の粉をかぶりました。餅花つくりのときに教えてもらった染司よしおかさんの和紙の椿が、この奥に咲いているのだな、と思いながら見た。神事と植物にも古来から伝わる深い縁がありそう。
3/14 AM
アトリエミショー鞍田 愛希子さんのメディカルアロマテラピー講座に行く。プレ講座で良質の精油の見わけ方、抽出方法、禁忌事項など、アロマを効果的に楽しむための知識を教えてもらう。精油の、ほんの数パーセントの分析しきれない未知数な部分が希望でもあり危険も孕むという鞍田さんのお話が心に残る。薬にも毒にもなる植物の奥深さ。その後今回のテーマ「柑橘系」の植物についての講義を香り嗅ぎながら聴き、最後に自分の好きな香りのオイルや洗剤、シアバターなどを作る。私がつくったマッサージオイルはカロフィラムというすこしカレーの香りのする植物油に、辛めな香りの柑橘系オイルを垂らし、仕上げにカルダモンを2滴。インド風。少しスパイシーなこの香りを嗅ぐと体がふっと軽くなって、さぼりがちだった睡眠前のストレッチまで俄然やる気になる。この日は植物をモチーフにした素敵なアクセサリーをつくっているAFLO+さん、革工房Rimさん、植物の香りの研究をしている現在臨月妊婦さんなどなど生徒さんも多彩で、楽しく充実した講義でした。
3月某日
テノナル工藝百職さんに教わったたま茶さんの「春のおとずれ」というハーブティー。ほのかに花の香りのする緑茶のよう。爽やかでリラックスできて、頭もすっきりする。癖になる。ほぼ珈琲、ときどき三年番茶というお茶ライフに、かなりの頻度でこのハーブティーが食い込んできています。
植物の力を感じる日々は、まだまだ続きそうです。 そういえば、「植物色図鑑」も本日更新。春の香り立つような桜色が素敵です。
能登野菜でこうぼ発酵中
加賀野菜、能登野菜と一言で言ってもその種類の多さにびっくりします。
その中で、今回私がこうぼ用に選んだのはちょっと変わった能登産の黄人参と赤軸ほうれん草。おまけで個人的に好きなふきのとう。
できあがりは黄人参はサラダに、赤軸ほうれん草は汁物に、ふきのとうは焼き物に… 次はどの野菜にしてみようかなどいろいろ想像しながらこうぼ発酵中です。
オイシイモノ紀行でご紹介させていただいた「蜜菓子」の中加川さん、「チルチンびと広場」で掲載させていただいている「ピクルス」の金沢のピクルスさんなども石川県産のめずらしい野菜にチャレンジされています。是非一度ご覧ください。
市川ナヲさんのコラム「こうぼと暮らそう」ではこうぼの作り方などいろいろな使い方、レシピなどが掲載されています。
みたてる心
川口美術 さんに教わって昨年秋訪ねたみたてさんは、和花や山野草、花を生ける器を中心に扱われていて、四季折々の山野草の息吹を感じるお店。見たことはあっても名前を知らない枝や草花が、切り方、生け方、器、空間・・・などの“みたて”でぐっと存在感を増す面白さ。訪れるたびに新鮮な驚きと感動があります。
こちらで開催される展示や教室も、花にまつわる興味深いものばかり。 先月、「市川孝さんの花遊びの道具展」の期間中に、江戸期より代々日本古来の植物染めをされている染司よしおかの吉岡更紗さんを講師に迎えての「餅花つくり教室」に参加してきました。
お正月のこの季節デパートなどでつくりものの紅白の玉のついた枝はよく見かけるけれど、本来餅花は小正月に五穀豊穣を祈って飾るものだそう。食べられるほんとうの餅を使ったものは、今回初めて見た。というかいままで気づいたことがなかった。店主の西山隼人さんが用意してくださった紅葉、ねじき、山香ばし、木瓜(ボケ)などの中から好きな枝ぶりのものを選び、お餅を小さく丸めてつけていく。
この日は偶然にもチルチンびと広場にも登場いただいていた藤かご工房紡ぎさん、また京東都さんや万年青さんなど、ものづくりやお店をされている方ばかりが集まってみなさん手際がいい。わたしは一番シンプルな木瓜を選んだのに餅が乾いてくっつかなかったり、形がいびつだったり不ぞろいになったりと苦戦したけれど、途中お餅を食べたりしながらの作業は楽しかった。
仕上げに、紅白交互になるように餅に紅をひとつ置きに塗っていく。吉岡さんが持ってきてくださった本物の「紅」は、広大な紅花畑からわずかしかとれないとても貴重なもの。「染司よしおか」さんは、東大寺のお水取りで使われる椿の和紙を納められているそう。実物を見せていただいた。
「植物色図鑑」でも、植物の生む色がとても神秘的で、繊細で豊かであることを毎月教えていただいているけれど、じかに見るとまた一層深く心を捉える気高さがある。植物染料には漢方の役割もあって、たとえば紅は血行をよくしたり婦人病の予防にもなり、昔の上流階級の女性がよく貝殻に入った口紅を薬を塗るように薬指でとって塗るので別名「紅差し指」とも言われるそう・・・吉岡さんの植物と色にまつわるお話にはまだまだ引き出しがあるように思えて、またゆっくりお話を聞いてみたい。映画「紫」も気になる。
花のない季節に、餅を花にみたてて豊かな一年への祈りをこめる「餅花」。またひとつ日本のたいせつな習慣を教わりました。みたてさん、よしおかさん、ありがとうございました。
木瓜の枝には、先ごろ花が咲きました。
山野草でリースをつくる会@恵文社cottage に参加してきました
コトバヨネットさんのところで気になっていた高知のアハナベックさんの山野草リース。優美で可愛らしいけれど野性味を感じる、とても印象的なものだった。そのリース作りが、この11月に恵文社さんにopenしたばかりのcottageで体験できるというので、参加してきました。
まずは、高野川で材料探しから。スーパーの袋を片手に20名が道端の草を観ながらぞろぞろと進む光景は、周りからみたら異様だったかも!? 講師はアハナベックのオーナーで、リース作家の林のりこさん。
「宝物がいっぱい落ちてるから、よーく探してね」「こういう枯れかけたのも、ほら、可愛いね」「あっちのほうに、いい場所、あるから」・・・とてもチャーミングなのりこさんに言われると、山野草が好きでたまらない病が伝染してテンションが上がってきて、これも、あれも、使えそう! と夢中になり、寒さも時間も完全に忘れてしまった。
ひとやすみして川べりで青おにぎりさんの美味しいおにぎりを食べながら団らんしたり、帰り道に「あれ欲しいねえ。でもひとんちのだから怒られるね」などなど言いながら、歩くのも楽しかった。
午後は制作タイム。まずベースとなるヒバの丸め方や材料の留め方を教わって、あとはめいめい仕上げる。乾燥した手に樅のとげとげが刺さるのだけれど「これもキリスト様の受難を思って、ここは頑張るとこ」ということなので、素手でぐいぐいと頑張って丸める。その後の仕上げは材料とにらめっこしているうちに軽いトランス状態に入ってしまった。たぶん皆同じ状態で、夢中だったと思う。我に返って周りを見ると、同じ場所で拾ってきたものと思えないほど、それぞれ個性があって素敵なものが出来上がっていた。道端や川べりに生えたり落ちているものだけで、こんなリースができるとは!! という驚きと感動が会場中に満ちていた。
ひとつひとつ見て回りたいほどだったけど、時間切れ。おやつにミナルスイさんのビジュアルも味も抜群なマフィンと、日土種雨(ひとしう) さんの濃厚なカボチャポタージュをいただき、のりこさんの「みんな天才! 」という評をいただいて、あっという間の4時間が終了してしまいました。
このワークショップ以降、道端や川べりを観る目が変わった。珍しい草や木の実の宝探しも楽しいし、頼りなげに風にそよぐ草花の葉先がうっすら紅葉しているところや、すっかり葉が落ちた枝にちいさな冬芽がついているのに気付いたり、散歩しているだけでも時間も気温も忘れるくらいに遊べることを教えてくれた。材料費をかけないからこそ、思いがけない独創的なリースができるのも大発見だった。林のりこさん、こんなに充実&満腹のイベントを企画運営してくださったみなさま、ありがとうございました!
渓谷ハイキング
寒さも厳しくなってきましたが
11月の中旬にハイキングへ。
今回は、西沢渓谷、温泉施設立ち寄りつきの
日帰りバスツアーです!!
残念ながら紅葉は終わってしまっていましたが
晴れ渡る空の下、渓谷を歩くのは
とっても気持ちが良いものです♪
風がないので、そこまで身体も冷えることなく
ハイキング日和でした♪
西沢渓谷は見所も多く
「七ツ釜五段の滝」に代表される
大小さまざまな美しい滝が
次々出現するので
景色の変化も楽しみながら
5時間ほど散策しました♪
- 渓谷ゴールの展望台から見えた景色♪
- 七ツ釜五段の滝の別角度♪
- 一番有名な七ツ釜五段の滝
- 母体淵。胎内を思わせるような淵です
- 天気が良くて最高でした~
- 水がキラキラしています♪
- 散策中も渓谷からの水の音に癒される
- 水が澄んでいる♪
- 歩き始めてすぐ吊り橋が♪
- いよいよ出発!!
足元が岩場だったり
鎖を伝って歩いたり…
思っていたよりハードな箇所も
ありましたが
心折れることなく楽しくハイキングができました♪
これを機に山ガールデビュー
してみようかなぁ~と思う
amedioでした♪
(●ゝェ・)ノ
生きる力を育む庭
大暴れの台風18号。川が氾濫したり浸水の話をあちこちで聞いた。信楽の方からは線路が流された!!とも。テレビに映る場面以外にも、もっと被害が甚大なところはもたくさんあるのだと知る。この連休中も後片付けに追われ心休まらない方々も多いと思う。一日も早く日常が取り戻せますように。
同時に、台風一過の秋晴れは、まんまると大きく綺麗な月を観せてくれた。次に「中秋の満月」が見られるのは8年後だそう。自然は脅威にもなれば、安らぎと華やかさを与えてくれもする。
今月出たばかりの『チルチンびと 2013年秋号』を眺めていると、怖さや美しさやあらゆるものを含んだ力強い自然の息吹が聞こえてくるような、生き生きとワイルドな庭がたくさん登場している。人間都合の庭造りではなく、自然との共存がつくる庭の面白さ。「人間と同じ。いとおしいと思うこともあれば、あまりの逞しさに憎たらしい時も(p23)」という奈良の辻田さんの言葉に納得。
福島から避難されているお母さんたちを訪ねて、ここ京都にもいらしていたという境野米子さんのエッセイ(p186~)には、手入れすることをやめても、元気にあおあおと育ち続ける植物の写真があった。避難、除染、農作物や漏れ続ける放射能。まだ何も問題は解決していないけれど、環境がどうあろうと逃げることのできない植物は、凛として、その美しさが変わることはない。
我が家の、庭ということもないほどの小さな土のスペースにも、ドクダミやシダがわらわらと繁殖して、なんかうっそうとした場所になってるなーと思っていたら、その中から突然すっくと背の高い茎が伸びて小さな花がさいていたり、ドクダミも白い花をつけて可愛らしくなっていたり、せっかく愛着がわいてきたと思ったらいつのまにか猫におしっこをかけられて枯れてしまったり。こんな短い間でもちいさなさまざまな生命の営みがある。