ギャラリー

人間味あふれる写真

『秋山亮二   津軽・聊爾先生行状記』展

 

『秋山亮二  津軽・聊爾先生行状記』展(フジフイルム スクエア 3月31日まで)に行こうとして、地下鉄のホームに降りたら、その広告があった。
広告の写真をみてください。
先生がナントカいう勲章をもらい、ほかに女性の方も受賞。おふたりの祝賀会の場面。正装した先生がカメラを構える。その腰つき。笑顔。その後ろ、女性のお尻と衝突。撮った人、撮られた人。画面から漂うあたたかさ。ユーモア。
写真に添えられたコピーに〈ここに 人間味あふれる  写真家がいます。〉とあるが、いやいや、この一枚の写真が、十分に語っていますよ。

 


太宰治の此の小さい家へ

太宰治の「三鷹の此の小さい家」

太宰治の「三鷹の此の小さい家」

 

太宰治の「三鷹の此の小さい家」に行く。
それは、三鷹駅南口駅前の三鷹市美術ギャラリーの中にある。太宰治は、昭和14年9月から昭和23年6月まで、三鷹で過ごしたということである。このギャラリーのパンフレットに、短い文章を読むことができる。

〈三鷹の此の小さい家は、私の仕事場である。ここに暫くとじこもって一つの仕事が出来あがると私は、そそくさと三鷹を引き上げる。逃げ出すのである。旅に出る。けれども、旅に出たって、私の家はどこにも無い。あちこちうろついて、そうしていつも三鷹の事ばかり考えている。三鷹に帰ると、またすぐ旅の空をあこがれる。(『誰』昭和16年)

「此の小さい家」という展示のタイトルはここからきたのである。小さな机の仕事場もあった。

 


お待たせ、ビュフェ

ベルナール・ビュフェ回顧展 - 私が生きた時代

ベルナール・ビュフェ回顧展 - 私が生きた時代

 

自粛していたら、どんどん会期ギリギリになってしまった。展覧会に行くのは、不要不急なのか。
『ベルナール・ビュフェ回顧展 - 私が生きた時代』(Bunkamura  ザ・ミュージアム、1月24日まで)に行く。
〈  ビュフェがデビューした時代、人々が心に大きな空洞を抱え未来を探しあぐねていた空気は、今の時代、私たちが感じているものにも通ずるのではないでしょうか。…… 〉と、会場のパンフレットにある。
〈私は大海原を航海する一隻の小舟のようなもの。…… 波にもまれながら進んでいるのです。〉というビュフェの言葉も紹介されている。

 


コロナの現在

『透明な力たち』展

 

『透明な力たち』展(東京都現代美術館、2月14日まで)に行く
入り口付近で待ち構えたように、手の消毒をさせられ、体温を測ります、と言われる。オデコを出すと、そうではなく、手首で体温を測る方式であった。
さて、これは、〈現代の表現の一側面を切り取り、問いかけや議論の始まりを引き出すグループ展…… )  …ということである。

 

 

 


石岡瑛子さんの記憶

EIKO 石岡瑛子 展

EIKO 石岡瑛子 展

 

『EIKO  石岡瑛子』展(東京都現代美術館、来年2月14日まで)に行く。たくさんのポスター、映像、衣装……。


パンフレットに曰く 〈サバイブ(生き残る)」を口癖としながら、自らと外の世界との化学反応に賭けつつ彼女が生涯をかけて磨いていった「石岡瑛子の方法」の意義について、本展を通して広く問いかけるとができたら幸いです。〉


その上に置かれたタイトルは「血が、汗が、涙がデザインできるか」である。

 


北欧の旅へ行こう

 

街に似合う季節、というものがある、とすれば、吉祥寺のここは ちょうど今、冬だろう。
吉祥寺駅北口、東急百貨店の裏。「北欧通り」といわれるところ。北欧料理レストラン    ALLT  GOTT   をはじめ、雑貨、カフェなど北欧系の店が並ぶ。そのあたりを中心に、「北欧 WALK」のイベントが展開されるなか、コビス吉祥寺A館7階、PENNY  LANE  GALLERYでは、サクラチエ「北欧の旅のつづき」展(12月18日~24日)も、開催。安全で楽しい北欧の旅へ。

 


笹尾光彦さんの個展

笹尾光彦さんの個展

笹尾光彦展「FLOWERS」

 

笹尾光彦さんの個展、ふたつ

『チルチンびと』本誌の好評連載「すごろく気分」は、村松友視さんの文章とそこにそえられる、笹尾光彦さんの絵とのコラボレーションが、なんとも言えない味がある。この二人、高校の同級生ということだが、そういう懐かしさが、にじんでいる。
笹尾さんの個展『SASAO23  花のある風景』が、渋谷Bunkamura  Gallery で開かれる。(11月18日から11月29日)


案内状によると
……笹尾の作品はいつも人々の暮らしとともにあります。ティーカップや、ソファ、画集。これらキャンバスの中に描かれたモチーフは、画家のお気に入りのものたちばかり。お家時間が増えた今だからこそ、心に彩りを添えるとっておきの作品を見つけてみませんか。……  同時期に、渋谷パルコ「ほぼ日曜日」でも、笹尾光彦展が、ひらかれるとのこと。楽しみだ。

 


日本橋の建築、再発見

『装飾をひもとく-日本橋の建築・再発見』

『装飾をひもとく-日本橋の建築・再発見』

『装飾をひもとく-日本橋の建築・再発見』(日本橋髙島屋史料館、21年2月21日まで)に行く。
〈…… 本展では日本橋髙島屋を中心に、日本橋地域の近現代建築を取り上げます。なかでも建築の細部・装飾に焦点をあて、西洋の古典主義が日本橋界隈の建築にどのように導入されているかを検証します。知られざる装飾の歴史をひもとき、新たな建築の楽しみ方を提案します。……〉
と、会場で配られるパンフレットにある。
『東京新聞(9月24日)にも、この展覧会の紹介の記事がある。〈…… 例えば髙島屋の正面玄関は、3連の西洋風アーチの上に日本の寺院建築で「かえる股」と呼ぶ意匠が施されるなど、和洋が複雑に融合しているという。……〉ということだ。
見終わって外に出て、この界隈の変わりように驚く。

 


『大津絵』閉展間近

『大津絵』展

『大津絵』展

 

『大津絵』展(東京ステーションギャラリー、11月8日まで)に行く。
欲しい!欲しい!欲しい!  何としても手に入れたい! 誰がための画か ー 民衆から文化人へ   ……   というキャッチフレーズが、パンフレットに目立つ。そして、そのパンフレットに、こうある。
〈本展は、こうした近代日本の名だたる目利きたちによる旧蔵歴が明らかな、いわば名品ぞろいの大津絵、約150点をご覧いただこうというものです。〉
予約して展覧会に行くという方式に馴染めず、うっかりしているうちに、もう、閉展間近。

 


詩 × イラストレーション =!

詩 ✖︎ イラストレーション =!

 

平岡淳子さんから つぎのようなご案内をいただいた。
そこにあるように、平岡さんの詩に、イラストが寄せられ、それにまた詩を、という往復書簡のような試みだという。外苑前のギャラリー ダズル DAZZLEで。
おわかりのように 平岡さんは詩人である。ふだんお目にかかるのは、成城学園前のギャラリー クウオバデイス のことが多い。そのクウオバデイスでの一枚を、ごらんいただく。

平岡淳子

 

POETRY-詩によりそう- vol.9 イラストレーショングループ展
2020年10月27日(火)~ 2020年11月01日(日)
12:00~19:00 (最終日17:00まで)

石川ゆかり 上野幸男 すぎもりえり 
ちぎらはるな 吉泉ゆう子 TAIZO
詩:平岡淳子

詩人平岡淳子さんから一篇の詩が提供され、6名のイラストレーターが描きその絵から次の詩が読まれ、それをまた描くという往復書簡のように詩と絵が折り重なってゆきます。
6名それぞれに違う展開になってゆきます。