夢二・清宮・早実

『夢二繚乱』展

 

『夢二繚乱』展へ。(東京ステーションギャラリー。7月1日まで)
 
「東京駅で逢いましょう。」というキャッチフレーズ。「夢二式」といわれるたくさんの作品が、ささやきかける。
夢二の年譜をみると、1901年に、家出して上京。1902年に、早稲田実業学校に入学、とある。
後輩、日本ハムファイターズの清宮幸太郎が、早実を卒業したのは、2018年である。大学かプロかで、プロを選んだ。
ミュージアムショップで『竹久夢二詩画集』(石川桂子編・岩波文庫)を買う。そのなかの「夢二の言葉」にこうある。
第一流になるか第三流になれ。第二流になることは最も平凡なことである。(日記  大正六年一月十五日)
清宮が進学せずにプロを選んだのは、こういうことだったのかもしれない。夢二式である。


鮮やかなラディッシュ

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ラディッシュは

カブではなくて

ダイコンの仲間だそう。


『名作誕生』熱中症

名作誕生

サクラが散ったあと、いまの上野は修学旅行生の花ざかり。石畳みに腰をおろした生徒に、先生が話している。「いいね。今日も30℃近くになるという話だ。みんな、水分補給だけは忘れないように」。そこを通り越してしばらく行ったら、ベンチに座っている女生徒に「大丈夫?  水を飲まないと、また具合わるくなるよ」と、先生らしい人が、言う。「ハイ」と言うか声が聞こえた。

『名作誕生』(東京国立博物館 平成館で、5月27日まで)に向かっているのである。
「…… この展覧会では、名作が、あれこれの格闘や闘争を経て生まれたということをダイナミックに感じ、見た方に美術史家の気分になっていただきたいのです」と、佐藤康宏・東京大学教授が『朝日新聞』の「展覧会記念号外」で、語っている。雪舟、若冲、宗達、仏像……に熱中し、人混みを抜けて外へ出るとき、水分の不足に気づき、鶴屋吉信の喫茶室に行き、アイスコーヒー(378円)を飲み、人ごこち。

 


『99歳、関頑亭』展

『99歳の彫刻家   関頑亭 ー 声字実相義』展

国立の「変奇館」へ、山口正介さんを訪ねる。「ちょうどよかった。いま、関先生の個展をやっています」と、チケットをいただいた。『99歳の彫刻家   関頑亭 ー 声字実相義』展(たましん歴史・美術館。7月1日まで)。

関頑亭さんは、1919年生まれ。それでいて「未完成だし、成長中だから柔らかく生きている」という。山口瞳さんの作品には、ドスト氏としておなじみだ。この “  広場 ” の「変奇館  その後」にも、なんども登場した。

彫刻、書、画…… どれも、力強かった。


………
山口正介「変奇館、その後」は、コチラからごらんいただけます。


金柑のピクルス

 

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冬にビネガーに漬けておいた金柑。

皮ごといただきます。


『林芙美子 貧乏 コンチクショウ』展へ

『林芙美子  貧乏 コンチクショウ』展

『林芙美子  貧乏 コンチクショウ』展

あなたのための人生処方箋 ―というサブタイトルのついた展覧会である。
『林芙美子 貧乏コンチクショウ』(世田谷文学館、7月1日まで)である。

『浮雲』や『めし』など、いくつかの作品の原稿が展示されている。400字詰めの原稿用紙に整然と万年筆で書かれている。そのなかに〈小説は論文ではないのだから、只ひととうりの材料を書きこなすと言ふだけの気力だけで書かれたものはつまらないと思う。〉という文章もあった。

会場のあちこちに、林芙美子の詩をプリントアウトした カードが置いてあり、自由に手に取れる。いい企画だと思った。詩の一つは、こんなふうにはじまっていた。

わたしの下宿料は三十五円よ
ああ狂人になりそうなの
一月せっせと働いても
海鼠のように私の主人はインケンなんです。

 


パディントンに会いに

くまのパディントン展

くまのパディントン展

『くまのパディントン展』(Bunkamura  ザ・ミュージアム、6月25日まで)に行く。
ご存じ、パディントンは、物語の主人公。『パディントンのにわづくり』『パディントンのサーカス』など、何冊もシリーズが出版されている。生誕60周年記念だという。60年前といえば、長嶋茂雄選手が、ブロデビューした年だ。

くまのパディントンは、ペルーから、やってきて、ロンドンのパディントン駅で見つけられた。それで、その名がついた。大きな帽子とダッフルコートとマーマレードが、彼のトレードマークだ、といえば、その姿を思い出す方も多いだろう。会場には、たくさんの原画が、展示され、帽子とコートも、飾ってある。パディントン駅の写真もある。ショップには、マーマレードラスクを売っている。これをお土産に買う。1080円だった。

 


パパイヤ

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パパイヤってこんなに

美味しかったんだと気が付いた。


『建築の日本』展へ

『建築の日本』展

『建築の日本』展

 

『建築の日本展 ー その遺伝子のもたらすもの』(森美術館、9月17日まで)に行く。
入り口の”目次”に、いう。

01 可能性としての木造
02 超越する美学
03 安らかなる屋根
04 建築としての工芸
05 連なる空間
06 開かれた折衷
07 集まって生きるかたち
08 発見された日本
09 共生する自然

そして、厳島神社と安藤忠雄設計《水の教会》。ダ・ヴィンチに着想⁉︎ 江戸時代に現れた奇想の建築《会津さざえ堂》などなど……。
客の半数は、外国人のように見えた。むろん、六本木という場所柄でなく、テーマが呼ぶのだろう。


『横山大観展』のオミヤゲ

『横山大観展』のオミヤゲ

横山大観展

 

『横山大観展』(東京国立近代美術館、5月27日まで)は、結構な人出だった。黒山の向こうに、富士を見る、というふうであった。
帰りのオミヤゲに「焼きあづき」(850円)を買う。この外箱にも、富士。横山大観  群青富士(部分)  1917(大正6)年頃  静岡県立美術館  ー  と記してある。

〈横山大観といえば富士の画家と呼ばれる通り、生涯でいったいどれほどの富士の絵を描いたか、その総数は千五百点を超えるとも言われている。しかし、大観が本格的にこのテーマを描きはじめるのは昭和期に入ってからである。〉…… と、『横山大観』(古田 亮・中公新書)にある。そして、「私は、富士に自分の理想をうつしている。また富士の美しさは季節も時間もえらばぬ。」という大観自身の言葉も、引用されている。