
「おめでとうございます」「今年もよろしく」という挨拶のあと、話題は、幼き日の雑煮体験へ。
「うちは、餅つき器で、オバアサンがつくるお餅。具は、ホウレン草、三つ葉、ナルトなど。特色は、朝から雑煮とお汁粉が用意されていて、どちらを食べてもよかったんですよ」とkurara 。
「へえー」とtakeko。「うちは、すまし汁仕立てですが、カマボコ、トリ肉、三つ葉。それに、お煮しめの材料のサトイモ、ゴボウ、ニンジンたちが加わる、具だくさん」。
「お餅をちょっと焼いてから煮る、というところが、千葉風なのかどうか。すまし汁にホウレン草、カマボコ、ナルト、三つ葉、ゆず」は、kuro。
「うちもみんなと似ていますが、ユニークポイントは溶き卵を入れること。卵の黄身の黄色、三つ葉の緑、ナルトのピンクとにぎやかになりますよ」とamedioが言えば、「具はホウレン草とナルト。カツオと昆布だしで、お汁が濁らないように気を遣う」のはa-van。
「どこも、似たりよったり。うちの、ちがうのはブリがはいっていたこと」とmorimori。
「ふーん。うちではね、雑煮の前の酒の回し飲みが特徴かな。一個の盃で、金箔のキラキラ浮いた酒を回し飲む」とはvigo。へえー。そうですか。その幼少のころから、この正月まで、日々、サケノ切レルコトナク ! ! ! —-。
morimori
今回、新春という文字を書いて頂いたのは、書家の北村宗助先生。直木賞受賞作 「利休にたずねよ」の題字も手掛けられています。2月には、全国版コラムで広場に登場して下さいます。また、左官や建築についてのコラムなど、本年も新しいコラムを沢山ご用意しています。「チルチンびと広場」どうぞ引き続きお楽しみ下さい。
vigo
2012/01/01 morimori, vigo, その他, 食べ物
AUTHOR:chilchinbito

私は、西早稲田の穴八幡宮で、一陽来復のお守りをいただく列にいる。先頭まで、三百人はいるだろう。前に並ぶ老夫婦が、話している。「昨年、ここに並んでいたときは、大地震のことなんか、想像もできなかったね」
四月一日。この「チルチンびと広場」はスタートした。それより三週間前、3・11東日本大震災が発生した。直後から、その地域にある工務店を気遣うメールが行き交った。みんな無事か? 会社はどうした? なに、流された? どうしたら、支援できるだろう? 必要なものは何? それを、どう届ける? ルートは? 荷物の集積場所は?
この工務店の助け合いのメールを時系列に構成し、スタートする「広場」に載せることになった。プリントアウトされた部厚いメールを読み、原稿に仕上げていく。メールの短いやりとりは、どこか武骨で、どこまでも友情に満ちていた。北に走るトラックのタイヤのきしみまで、聞こえるようだった。この「チルチンびと地域主義工務店の会 東日本大震災支援報告」は、いま読んでもアツイ。
いつのまにか、私のお参りの番になった。私は、頭を下げ祈る。どうか、この「広場」に集まり散じるみなさまに、よい一年を、と。
2011/12/31 morimori, イベント
AUTHOR:chilchinbito
暮れもおしつまった仕事納めの昨夜、大掃除真っ最中のやぶさいそうすけさんを訪ねた。
12月半ば、こちらで行われた展示会「やぶさい屋」で出会ったセミオーダーの帽子。形は何種類かきまっていて、布は自分で好きなのを選べて、さらに頭の形に合わせてやぶさいそうすけのオーナー兼帽子工房imonataを主宰する吉川さんが、アレンジを加えてくれる。

真剣に帽子を選ぶ
そして、こんなのができました。ジャーン!

つばの折り方やかぶる角度で可愛くも、ダンディにも
世界にひとつだけの、私のためだけの帽子。
元のサンプルのとはまた表情が変わって、予想していたのとも少し違っていて、セミオーダーなのにまるで自分の頭に合わせてオーダーでつくった特注品みたいに感じた。なんとしっくり。いい帽子をかぶると、えっへん。ちょっと気取った、改まった気持ちになりますね。作り手である吉川さんも作りながら、どうなるかなと、本人がかぶるまでわからなくてドキドキだったそう。この、期待以上の相性の良さ具合に、お互い「うれしいなー」「うれしいなー」言い合い、一緒に来てくれたvigoにも「いいよ!うん、いいよ!」と褒められ、なぜか両方が照れるという図に。
その後、ほうじ茶ととびきりおいしいチョコレートをいただきながら、「やぶさいそうすけ」という名前の由来とか、作家さんの話、富山出身の吉川さんと能登出身のvigoのジモトークや、北陸出張で出会った人が偶然共通の知り合いでびっくり!など話は尽きない。夜更けの大掃除の最中だったのにかなり邪魔をした我々でしたが、年末を気持ちよく終えるにふさわしい、楽しいおしゃべりタイムだった。吉川さんはモノづくりの人なのだけれど、やはりギャラリーのオーナーさんだけあって、惚れ込んだ作品とその作家さんの話が出てくる。自分のこと以上に紹介したくてたまらないのだなと伝わる。こんな人に惚れ込まれたら幸せだと思います。
昨夜もまたひとり、素敵な作家さんを紹介してもらいました。

清水秀輝さんの灯り。お城や森が、奥深く幾重にも重なって神秘的
すうっと物語の世界に引き込まれるような、陶器の灯り。年末のすこししんとした空気と、やぶさいさんの空間に、このほんのりと灯る不思議な箱がぴったり。作家さんは意外にも男性でした。清水秀輝さんという、益子で活動されている方です。
振り返ると、ほんとうに様々な場所や人や出来事に出会った1年だった。
新潟、愛媛、香川、関東近県、近畿、岡山、広島、北陸3県、仙台…それぞれの土地の風土や住む人の気質、まだまだほんの一角なのだろうけれども足を踏み入れてみて、話してみて、びっくりすることや面白い発見がたくさんあった。
広場のオープン間近で頭が朦朧としつつ走り続けていた最中に大地震が起き、9か月以上が経つのにまだ希望が持てない暮らしを余儀なくされている方々もたくさんいる。今年、物理的にも心理的にも、日本人が受けたダメージとストレスは本当に本当にとても大きかった。と、同時に自分たちがいままで無意識にやってきたことへの意識もとても高まったと思う。
そんな中で生まれた「チルチンびと広場」。広場を作り上げていく過程で、自分を信じて長いものには巻かれず、自分の作品や、お店や、家族とたいせつに過ごしている「ぶれない人」にたくさん出会って話を聞いた。そのたびにそうか私はまだまだだなとか、この方向であってるんだ。いや、やっぱりちがう、とか、こんな私がやってていいんだろうか、いや、だめだ、いや、いい!とかとか…日々迷いを抱えつつも、この仕事があって、そして心からの本音で自分を理解してくれる家族と友人に支えられて、この一年を乗り切れたと思っている。いままで気にもとめなかったようなことが新鮮に感じられたり、譲れないと思っていた価値観がじつは、どうってこともなく思い込みにすぎなかったと感じたり。自分が少しずつ変わったと感じる一年だった。
みなさんは、どんな一年でしたか?
来年、少しずつ何かがまた変わって、新しい風が吹いて、素敵な出来事がどの人の元にも訪れますように。
2011/12/30 takeko, その他, ギャラリー, 雑貨
AUTHOR:chilchinbito

浅草寺の羽子板市に行った。羽子板の人気はかわらないが、羽根のほうは、肩身が狭いように見えた。「羽根つき」とか「追い羽根」という言葉は、忘れられて行くのだろうか。追い羽根をつくる職人さんに、昔、話を聞いた。
「羽根のタマは、ムクの実です。ベークライトでつくったら、重すぎて羽根が回らない。ついたときの音も、悪い。ホウの実でつくったら、軽すぎて回らない。音も、よくない。不思議なもんです。羽根はニワトリのハネ。これを蒸して、キレイに伸ばす。それをハサミで形よく切り、洗って、染める。そして、タマの穴に刺していく。刺すのも、かまわず刺していく、というのではなく、羽根の癖をよく見て、風車の形になるように刺すんです。そうすると、羽根はキレイに回って上がり、キレイに回って落ちるんです」
一つひとつに手間をかけていた。庭に、一本のムクの木があった。「タマに使う実が、いつの間にか転がり落ちて、育ったんですよ」ということだった。こういう仕事があり、こういう人がいた、というこを、憶えておこう。そう思って、書いた。
2011/12/26 morimori, イベント, 雑貨
AUTHOR:chilchinbito
ツリーを探しに夜のおでかけ♪

このツリーは1つ1つ小さなサンタクロースで
できています。

よーくよーく見てみると
あれ??

大黒様だ☆
実は、このほかに、弁財天と恵比寿様も紛れ込んでいて
探すのが楽しかったです( ^^)
外のイルミネーションもすごく豪華!
音に合わせて、色が変わるのですが、
近くで見ていると、宇宙にプカプカいるような
不思議な感覚がするほどキレイでした☆


みんなに幸せが訪れますように…
☆*Merry*ヽ(^∇^*)ノ☆*X’mas*☆
amedio
2011/12/25 amedio, イベント
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師走である。映像も活字も、1年の回顧ということになるのだけれど、今年は、3・11以降に尽きる。
あの日、大きな揺れが2回あり、どうやらそれが収まった5時過ぎ、私は、社を出た。神保町の交差点近くに行くと、「神田 達磨」というタイヤキ屋さんに、3人が並んでいるのが見えた。私は、その後ろにつき、タイヤキを3匹420円で買った。前の人が「3匹」といったので、マネをしたのである。それから、コンビニでお茶を買い、銀行でお金をおろし歩き始めた。
黒い川のような帰宅者の帯は、黙々と続いていた。途中、公衆電話に並ぶ人と自転車を買い求める人と、公衆トイレの列だけが、流れに淀みをつくっていた。しかし、ビニールの袋のなかのタイヤキが、不思議な余裕と安心感をくれた。3匹は、1人で食べるには多すぎる。どこかで、誰かに差し上げてもいいと思った。
しかし、そのまま袋を提げて、4時間後、自宅について、すっかり冷え込んだタイヤキを1匹、温めて食べた。残りをどうしたかは、思い出せない。

2011/12/21 morimori, 食べ物
AUTHOR:chilchinbito
こういう帽子、どこかにないかな」と、vigo がいった。愛用品が傷んできたという。どこかにないかな、は、探してくれというイミである。カンタンカンタン。お引き受けしますよ。
こういう帽子とは、写真を見ていただくと、おわかりでしょうが、口で表現するのは、意外にヤッカイだった。帽子屋へ行って、「ほら、よくあるでしょう、オワンみたいな」とか、いうのである。時節柄、サンタクロース風なものが多い。その上部を手でカットしたりして、説明する。しかし、ないんだな、これが。歩いていると、井上陽水の゛さがしものはなんですか゛という歌が、頭の中に響く。私の踏破は、10軒を超えた。そのとき、ある店で「ああ、イスラム帽か」と女の店員がいった。「それだったら、帽子屋より、女のコ向けの雑貨屋さんにありますよ」
キッカケを掴んで、本質に迫ろうというのは、ヒッグス粒子も帽子も、同じだ。いまではもう、店の前に立つと、イスラム帽の気配を感じるようになった。
「
2011/12/18 morimori, 雑貨
AUTHOR:chilchinbito