ボーシハント

こういう帽子、どこかにないかな」と、vigo がいった。愛用品が傷んできたという。どこかにないかな、は、探してくれというイミである。カンタンカンタン。お引き受けしますよ。

こういう帽子とは、写真を見ていただくと、おわかりでしょうが、口で表現するのは、意外にヤッカイだった。帽子屋へ行って、「ほら、よくあるでしょう、オワンみたいな」とか、いうのである。時節柄、サンタクロース風なものが多い。その上部を手でカットしたりして、説明する。しかし、ないんだな、これが。歩いていると、井上陽水の゛さがしものはなんですか゛という歌が、頭の中に響く。私の踏破は、10軒を超えた。そのとき、ある店で「ああ、イスラム帽か」と女の店員がいった。「それだったら、帽子屋より、女のコ向けの雑貨屋さんにありますよ」

キッカケを掴んで、本質に迫ろうというのは、ヒッグス粒子も帽子も、同じだ。いまではもう、店の前に立つと、イスラム帽の気配を感じるようになった。

イスラム帽