2022年2月12 の記事一覧

続・田原町「といしや」復活

田原町「といしや」

田原町「といしや」

 

田原町の「といしや」が、復活したという先日のブログを読んで、早速、行って来ました、というひとがいた。ありがとうございます。「当分の間、午前中だけ営業」と店主の話。

店内は、以前と違い、すっかりきれいに片付いている、前は、左右の棚、真ん中のテーブルの上も下も、床も全部、といしで埋まっていた。わずかの隙間の土間のようなところに腰掛けて。親しくなったご主人の野村さんといろいろな話をした。話しているとポツンポツンとお客さんがきた。ある日、いなせな感じの男が入ってきた。野村さんとの会話をきいていると、いかにもプロというふうにみえた。 といしを一つ持って外へ出て行った。
「彼は、とぎ師なんだ」。車にといしを積んで美容院、料理屋などを回って職人のハサミや包丁などを研ぐのが商売。「いま、試しに持っていったといしでなんか研いで来るけど、絶対に触っちゃいけないよ。彼が研いだものは触っただけでキレるから」。ほどなく 、光る包丁を片手にかざして、彼が店に入ってきた。ふつうなら問題風景だが、ここでは商売柄、日常の風景。「いい石だ」というようなことを、彼は言って、かなりの額の金を払って購入した。来週から、ヨーロッパを回って仕事をしてくる、と言って帰っていった。

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「ある砥石やのものがたり」はコチラからごらんいただけます。