2017年6月5 の記事一覧

『チルチンびと』夏号の特集は、「草編みびと」です!

『チルチンびと』夏号の特集は、「草編みびと」です!

 

『チルチンびと』夏号の特集「草編みびと」にちなんで、「草の本」のビブリオバトル、または、読書会。
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Uさん。私はオーソドックスに『柳宗民の雑草ノオト』(柳宗民  文、三品隆司 画・ちくま学芸文庫)。あとがきに、こうあります。〈雑草という言葉は、差別的ではあるが、半面、庶民的な親近感がある。題名を『雑草ノオト』としたのも、美人も不美人も差別なく、私たちの身近に普通に見られる草、と解釈していただきたいと思うからである。〉
そして、たとえば、夏の章のドクダミについて、書きます。〈わが国では、花は美しくともやたらにはびこって嫌われ者の雑草だが、西洋では、東洋のエキゾチックな花として庭に植えて鑑賞する。こんなものを植えたら、はびこって始末に悪くなるのではないかと余計な心配をしたくなる。〉   私はひところ、寝る前に「一草」ずつ、読んで知識を得ましたよ。

Sさん。私は、ちょっと変化球で『無限の網    草間彌生自伝』(草間彌生・新潮文庫)。「スミレの声を聞いて」という章に、こうあります。〈生家は格式高い旧家で、百年くらい前から広大な土地で種苗業及び採種場を営んでいた。〉
そして、こういう文章があります。〈幼い頃から、私は採種場へスケッチブックを持ってよく遊びにいった。そこにはスミレ畑が群をなしていて、私はその中でもの思いにふけって座っていた。すると突然、スミレの一つ一つがまるで人間のようにそれぞれの個性をした顔つきをして、私に話しかけてくるではないか。そしてそれがどんどん増殖していって、耳が痛くなるほどに語りかけてくる。〉   ひとの才能は、こういうふうに育ち、花開くということが、少しわかったような気がした。
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『チルチンびと』92号の特集は「草編みびと」と「買う家と、つくる家の違い」の2本立て。6月9日(土)発売。お楽しみに。