2014年7月20 の記事一覧

キャラメル・マキアートのトール

キャラメル・マキアート

「キャラメル・マキアートのトール」というタイトルのエッセイを『おおきなかぶ、むずかしいアボカド』(村上春樹著・マガジンハウス)で読んだのは、3年前のことになる。テーマは、慣れない言葉で意志を伝えることの難しさについて、なのだけれど。

…… ところでキャラメル・マキアートってまだ飲んだことないけど、どんな味がするんだろう ? …… で、話は終わっている。それを読んだことを忘れていたが、編集部 のY 嬢が、「スタバでバイトしてました 」と言ったので、思い出した。じゃ、昼休みに行ってみよう。道すがら、話した。

「キャラメル・マキアートをつくるのは、すぐにできました。キャラメルソース、バニラシロップ、牛乳、エスプレッソを、レシピにそって、入れていくだけですから。難しかったのはカプチーノ。キメ細かいアワがうまく立てられない。飲んだとき、フワッと口に広がって、いい気分にさせてくれるように、感覚と音で、つくっていくんです。私、3年間、働きました。あのグリーンのエプロンをつけると、フシギに、役を演じるような気分になり、あ、これで、今日も、人にやさしい私でいられる、と思ったものです」

キャラメル・マキアートは気立てのいい甘い味がした。