2013年2月8 の記事一覧

九州に行ってきました 長崎編

長崎は今日も雨だった。と歌の題名にもなるだけあって、やっぱり雨だった。街には赤い提灯がぶらさがっていて、これはちょうど今週末から始まるランタンフェスティバルというお祭りのためのものらしい。路面電車とバスとタクシーが次から次へと行き交い、遠くには海が見え、古い建物が建ち並ぶ港町の風情。町の中心地には大きな商店街が縦横に延び賑わっている。

そんな長崎の中心商店街、ベルナード観光通りの一角にある「カメラのフォーカス」さんを訪ねた。HPからしてちょっと他とは違ったこだわりを感じていたフォーカスさん、最初に目にとびこんできた看板も、置いてあるアルバムや見本写真も、普通の写真屋さんとはちょっと違うこだわりを感じる。昔はごく普通のいわゆる富士フィルムのお店だった、という代表の原口さんが、デジタルが主流になってきてもう店をたたもうとしていたところ、10年来のお客さんだったカリオカさんが「それは困る!」と一念発起、絵を描いたり、キャラクターをつくったり、ワークショップや写真展を企画するように。毎月発行している「写真便り」や長崎ネコをマスコットにした「まちねこ」を目当てにやってくるお客さんなどがだんだん増えてきて、この日も月曜だというのに次から次へとお客さんが来ていた。失われつつあるフィルムの良さを再確認させてくれる、いろんなアイデアとオリジナリティに溢れた、元気な写真やさんでした。 

左から代表原口さん、スタッフ前田さん、カリオカさん

 

次に訪ねたのが出島にある「たてまつる」さん。店名の由来は奉行所跡だからだそう。店に並ぶ手ぬぐいについて尋ねると、それまで物静かだった店主の高浪高彰さんの口から長崎の歴史や、風俗文化、人物、名物などいろんな話が飛び出す。そんな長崎うんちくがオリジナル手ぬぐい「たてま手ぬ」に染め込まれている。高波さんは今農業をされているそうで、農作業には旧暦が合うんです、といって店に置いてあるまなてぃさんという方がつくった旧暦手ぬぐいを見せてくれた。日付の上に「ブロッコリーの天ぷらを堪能する。」「にらの花が咲いたら葉と共に刈払う。」とか書いてあって面白い。長崎散策の前に、まずはこちらに立ち寄って色々と聞いてから出かけると、もっと長崎の町が楽しめること請け合いです。 

高浪さん。奉行所らしく、店内にも門がある

 

お昼は、フォーカスさんに教えてもらったharupizzaさんでランチ。薄くてパリパリした生地に、里芋、ゴボウ、ゴマ、長ネギ、ゴマ、トマト、キノコなどいろんな野菜が乗っている。ソースも、トマト、味噌、トウガラシベースと、何枚食べても飽きない味。あっさりだけど満足度の高い、新食感のピザでした。

前菜も美味しい。野菜がたっぷりいただけます

 

harupizzaさんに教わった、近くの山王神社まで行ってみる。ここには、原爆によって片方が吹き飛ばされ、一本柱となった鳥居がある。 

その奥には爆風にやられて一度は枯れたものの、命を吹き返し青々と茂った、堂々たる大クスノキがある。幹に残された大手術の痕のような傷を見ていると、人間の犯した行為の愚かしさをつきつけられ向こうからじいっと見つめられているような、底知れない怖さとすさまじさを感じる。

 

出島に戻り「List:」さんへ。List:さんが主宰するナガサキリンネのお話しなど伺う。店主の松井さんは、福岡のキナリさんでも日田リベルテさんでもその名を聞き「List:さんなら間違いない」みたいなしっかり者ウーマンのイメージだったけれど、会ってみるとゆったりして、にっこりして、気さくな人。でも、たくさんの作り手さんと一緒にイベント運営や雑誌作りを自然体でこなしてしまう頼もしさもきちんと持った、素敵な方でした。

松井さんもお店もゆったりした雰囲気

 

広場からも吉田健宗さんやカリオモンズコーヒーロースター さん、アンペキャブルさん、ティア長崎銅座店さんなどが参加予定の「ナガサキリンネ」は、3月26日(火)〜 31日(日)(クラフト&フードマーケットは30、31日の週末2日間)長崎県美術館にて開催されます。

 帰りがけ、木の看板が気になって入ってみたカフェ「ユラク」さんは三角型のビルの間取りと、それにそってつくられた木のテーブルが面白い。オープンして半年ぐらいだそう。窓の外には路面電車と出島資料館が見え、長崎らしさを満喫できます。ひと休みして空港へ。

 

3泊4日と今回も駆け足だったけど、ひとつひとつが心に残る、いい出会いに恵まれた旅でした。皆様、ありがとうございました!