2012年3月 の記事一覧

九州出張 最終日 鹿児島編

最終日は鹿児島。また雨だ。鹿児島は両親の故郷なので祖母がまだ生きていたころはよく訪れた。晴れた空に横たわる桜島を見たかったのだが、残念。雨の中、最初に訪れたのはトロイメロイさん。静かな山深い住宅地の中の広々とした一軒家に、所狭しと家具屋小物がたくさん詰まっている。食器棚などはほとんどSOLDOUTが貼ってある。素敵なお店でした。

 

次に訪ねたのはしょうぶ学園さん。広々とした敷地の中に、パン屋、お蕎麦屋、ギャラリーなど、木造りやユニークなペイントがされた洒落た創りの建物などが建ち並ぶ。きちんとアポとりもしていなかった我々に学園長の福森さん自らいろいろなお話をしてくださった。

 ここはアートありきの施設ではなくて障がいを持つ人々が無理せず、それぞれの個性に合った仕事を見つけて自分の力を存分に発揮することができる場所であること。嫌なことや我慢することが根本的に理解できていないのに無理強いするのはすっかりやめてしまったこと。皆ただ一心不乱でものづくりに集中していていること。結果出来上がったものが、驚くほど凄いものができたりするのだが、造っている本人は対価や評価を求めておらず、作品への興味もないこと。そのピュアな精神はものづくりの原点で、感動させられるし本当にカッコイイなと思う。と。また布、木、紙など、どの素材がどの人に向いているかの見極めや、つくり始めと止め時がわからない人もいる、そんなときには手助けが必要なこともあり、スタッフがそのサポートをしていること・・・

 

その後実際にギャラリーを見て、たまげた。ちょっと鳥肌がたった。想像も限界も軽く越えていくような感じの、凄い作品ばかりだった。どれだけ天才的な感性なのだ!いただいたライブイベント映像のDVDを戻ってから見てみたが、こちらも素晴らしくてプリミティブなエネルギーが画面を通してもガンガン伝わってくるような熱いライブ、ノリに乗っている指揮者をよくよく見やれば、なんと学園長!多彩なお方だったのだ。こちらからも少しご覧いただけます。

 

しょうぶ学園 nui projectの展示

 

昼ごろwhite galleryさんへ。少し晴れてきたが、桜島には雲がかかっていた。晴れていたらさぞかし素晴らしい眺めだろう。高台で、美術鑑賞しながらご飯もいただける、絶好のランチスポットです。館長の三坂さんから、次は何処にいくの?と聞かれ、RHYTHM -リズム-さんにおじゃますることを伝えると、「ちょうど3月17日からここで展示をするんだよ。よろしく伝えてね」と。先ほど訪ねた福森さんともよく御存じの仲らしい。繋がっている。RHYTHMさんではPandAの早川さんともお会いできたり、知り合いのお店や作家さんを数々ご紹介いただき、また、かなり読み応えのある小冊子under’s highという冊子をいただいたりして、鹿児島のものづくりびとたちのネットワークの強さ、熱さを垣間見た気がした。

 

今回は作家さんの多かった長崎や佐賀へも行けず、訪ねた県にしてもあまりに移動距離が長くて効率的に周れたとはいえず、次回への課題は残してしまったけれど、また何度でも足を運びたくなるような魅力に満ち満ちた九州縦断でした。突然の訪問を温かく迎えてくださった皆様、ありがとうございました!タイルびと、運転おつかれさまでした。またよろしくお願いします!

 

 


九州出張 3日目 熊本編

3日目。レンタカー乗り換えのため福岡空港へ向かう。前日の雪が嘘のような晴天。九州北部への高速道路はほぼ通行止めだったが我々にはさほど影響なく、すいすいと熊本方面へ進む。大牟田市を周る途中、三池炭鉱跡に行ってみた。飄々とそびえたつ赤レンガの煙突からは、高度成長期を支えたという堂々たる存在感を感じると同時に、救急車、負傷車…と書かれた人車を見ていると犠牲になった多数の死者や中毒患者、閉山後も何十年にもわたり後遺症に苦しんだり寄る辺を失った人々の怨念のようなものも感じて、昨今の原発事故とも相まって複雑な気持ちだった。人間は権力に抗えない生き物、そして同じ過ちを何度でも何度でも繰り返す生き物なのだと突きつけられているようだ。知ろうとする気持ちと忘れないという意志を持ち続けていないと、簡単に自分本来の思いとは違う所へ連れて行かれてしまう。人も物事もいい面だけでも悪い面だけでもなくて、置かれた立場でも善悪変わったりもするけれど、黙っていたら偏って知らされることばかりが多い世の中で、自分は無知だと知る前に何かを選択するのはとても危険だ。実際に足を運んだり体験談をきいたり、本を読んだり映画を見たりと、同じ出来事をいろんな角度から見て初めて、知らなかったことに気づくこともある。

 

お昼は山鹿市のいつものごはんji-uさんで頂いた。塩麹をつかった蓮根ハンバーグや呉汁、キンカンと生姜シロップのデザートなど地元の材料を存分に使った優しい味に癒される。山鹿も素晴らしく風情のある街で、少し散策してみると造り酒屋さんや麹屋さんが軒を連ねている。こうじ専門店木屋本店さんの前を通ると、勝手に見学してもいいというので入らせていただいた。米粒の中にある汚れを箸で取り除く作業をしている人がいたり、麹を入れた箱が積み重なっていたり、昔のテレビや人形がならんだりと博物館のようだ。ここで念願の塩麹を買ったり美味しい甘酒をいただいたりしてとまたまた道草を食ってしまったので、急いで熊本市内へ向かう。

 

観光ばかりしているようで恐縮なのだが、熊本城の石垣は熊本出身のモザイク職人荒木さんにお薦めされたマストポイント。噂の石垣は、それはそれは見事で、確かに忍者ぐらいしか登れないだろう。カラスも停まろうとして滑り落ちていた。延々と連なる石垣を眺めていると、モザイクの道に進んだ荒木さんの原風景を見た気がした。島田美術館さんやミドリネコ舎さんなど市内数軒のお店を巡った後、金子典生工房の金子さんに会いにいく。

 

金子さんとは前からお会いしたいと思っていた。その温かい人柄は常々みじかいメールの文章や電話口の一言で伺われていて、一度お会いしてみたかったのだ。想像通りの方で、いきなり私は「タケチャンマン」という懐かしくも恥ずかしい小学生以来のあだ名で呼ばれた。新鮮なヒラメ、タイ、オコゼ、タコ・・・とびきり新鮮ないけす料理や馬刺し、辛子蓮根など食べたかった郷土料理が全部ここに・・・そして美味しいお酒とお茶目な金子節で笑いに笑って楽しい夜を堪能しました。忙しい時間の合間に、心づくしのおもてなし、本当にありがとうございました!!

 

あまりに楽しすぎてノリで帰り道に熊本ラーメンを食べてしまった。きくらげとねぎがたっぷり、コクがあるのに後味すっきりでペロリと入った。酔って満腹中枢がおかしくなっていたせいではないと思う。過酷なドライバー業務に疲労困憊気味だったタイルびともすっかり回復して「なんていいとこなんだ!熊本大好き!俺は熊本に住む!」と言い出す始末でした。

 

(最終日 鹿児島編に続く)


九州出張 2日目 大分~久留米編

 

2日目は大分からスタート。wakako ceramicsさんを訪ねて杵築市へ。予備知識がまるでなかったので着いてみてびっくり、とても情緒ある坂の城下町だった。「綾部味噌店」の前に車を停め、聞けばこちらは昔お酢屋さんだったそうで、石畳の坂道から、武家屋敷の風景を一望できる「酢屋の坂」というのがすぐそこにありますよと教えてくれた。「私のぬりかべ散歩」の小林澄夫さんにも帰ったら聞いてみようと特徴ある土壁を写真にとったりしながら、杵築城まで散策した。その後大分市に入り、商店街を歩いているとぶんごという一子相伝の小鹿田(おんた)焼を中心に扱う民芸店を発見。囲炉裏を囲んでコーヒーも飲めます。大分県も結構いろいろなお店やギャラリー、作家さん、いらっしゃるけれど場所がばらついていて、大体来る人もビルの2階以上にはあんまり行かないそうなのだ。もっと素敵なお店がこのあたりにも増えるように、大分もがんばらんとねーと、とあるギャラリーの女主人が言っていました。

 

大分市を後にし、朝からほとんど何も食べていないことに気づいて栄養補給に温泉卵を食べるか!と別府の道の駅に立ち寄ると、大きなスピーカーから「ONLY You~~♪」と繰り返しエルビスの甘い歌声が。すかさずタイルびとが「そういうことか!」とウレシそうな顔をしている。別府は町中からもうもうと煙が出て、硫黄の香りがして、まさしくONLY湯~。温泉天国?地獄?の景色が広がっていた・・・

 

日のあるうちに未来工房さんのある久留米市へ到着のはずがもう夕方。しかし途中うきは市には訪ねたかった四月の魚さんとぶどうのたねさんがある。ご主人の田中さんは突然の雨でびしょ濡れの私たちに、手染めのタオルを貸してくれ、反物の並べてある美しい部屋に招き入れてくれた。元は呉服屋さんからはじまったというお店の由来などお話を伺っているうちに、ご主人の独特のゆったりした器の大きさに、このままお酒でも酌み交わしたいような気分になってきたが、先を急ぐ。未来工房さんにたどり着いたのはそんなこんなで夜の7時。すっかり真っ暗になってしまった。待ちぼうけさせてしまったが金原社長、馬場さん、武下さんのお三方が待っていてくださり、モデルルームをたっぷりと紹介してくださった。古材を使った天井のあるカントリー風キッチンや、屋根裏とはしごで繋がる子供部屋、隠れ家のような和室など、これが同じ1軒の中にあると思えないくらい、いたるところに遊び心のある「やかまし村の家」。未来工房さん、本当に待ちくたびれさせてしまって申し訳ありませんでした。ありがとうございました。

 

次の日レンタカーを福岡空港で乗り換えるため、久留米ラーメンをかっこんでまた福岡市に戻る。雨はみるみる雪に変わり、市内につくと牡丹雪が降っていた。九州でこんな雪に遭うとは驚きだ。あまりに寒いので中州まで出歩く勇気もなかった。丸一日、ゆで卵と久留米ラーメンだけで終日運転をしてくれたタイルびと、あたりまえだがヘトヘトのご様子。仕事よりもハードだった模様。本当にお疲れ様でした!!!

 

(九州訪問 3日目熊本編へつづく)

 

 

 


九州訪問 初日 福岡編

格安のツアーを見つけ、九州一週の運転手をかってでてくれたタイルびとのスケジュールを3泊4日で捕まえて九州へ。この日程では全県を周れそうにもなかったので、福岡~大分~熊本~鹿児島の4県に絞って行ってきました。

 

初日は福岡からスタート。 福岡では、かなり古そうなアパートをリノベーションして、いくつものお店や作家さんが集まっているというところによく遭遇した。探していたお店のあるビルに偶然Clair de Luneさんがいらっしゃった!とか、TRAMさんという雑貨屋さんを訪ねたら、先月オープンしたばかりのTable&Lifeさんにも出会えて「TRAMさんの1Fでよかった!」「こちらこそ!」なんていうこともあり。こちらのお店ではうきは百姓組さんという地元福岡の若手農家集団の方々の育てた食材も扱っているようです。なんだか気になる存在です。coffonさんにうかがう途中、なにやらセンスのいい花屋Ogami さんを発見しました。こちらはめったにお店にいらっしゃらず、生け込みが中心とのことで、出会えてラッキーだったのですが、ちょっと歩いただけでもこんな風に芋づる式の出会いがあって、お店を営む側にも訪れる側にも自由で懐の深い雰囲気があるような、楽しい街でした。

しかし福岡がこんなに寒いとは思わず。この日はvigoの友人でもある「Flat House(古い平屋)を探して」の本田さんと「中国茶をご一緒に」の村田さんにもお会いするつもりが、なんと御二方ともお子さんがインフルエンザで残念ながら今回は会えなかった。本当に流行っているようなので皆様も気を付けてください。そしてかかってしまった方、くれぐれもおだいじに!

夜は水炊きを食べたくなって数件に連絡をいれてみたけれど、どこも満席。外の屋台もいっぱいで、福岡の夜は活気がありました。結局ホテル近くの居酒屋いずみ田さんでもつ鍋を食べたら、これが美味しかった!ホウレンソウやらキャベツや豆腐や餃子!?など、スープがなくなるまで具を追加注文できるのがうれしい。閉めの麺も、煮詰まったスープとよくからんで、病み付きの味。中目黒と日本橋にも支店があるようなので、あの味が恋しくなったら行ってみたいと思います。

 

(2日目 大分~久留米編に続く)

 


ひな祭り♪

あかりをつけましょ♪ぼんぼりに~♪

ところがどっこい…

…ぼんぼりがない…我が家 (>▽<;;

…というか、ひな人形がない我が家…。

 

私のひな人形は実家にあるのですが

母に「これかわいいから欲しい」と言われ

結婚した時にもらえませんでした(笑)

w(゚ー゚;)wワオッ!!

 

ということで、毎年、我が家は手作りひな祭り。

 

今年は、プラスチックのコップに

切り込みを入れ、千代紙を貼り付けて

顔を書いて完成♪

 

 

お内裏様を作ったのは旦那さん

お雛様を作ったのは私♪

 

いかがでしょ?

 

二人暮らしには、ひなあられの量が多いので

桜餅とお茶でほんわかお祝いします♪

 

ひな人形を飾ると

家の中が華やかになって

春らしくなりますね~♪

 

amedio。.:♪*:・'(*⌒―⌒*)


暮らし家

 辞典『言泉』で、か〔家〕をひいてみた。説明の4番目に「あることを専門とする人」とあり、その語例が並んでいる。

 医家 演出家 演奏家 音楽家 画家 外交家
鑑定家 企業家 脚本家 教育家 銀行家 芸術家
劇作家 建築家 作家 作曲家 事業家 実業家
宗教家 酒造家 書家 小説家 声楽家 政治家
創作家 彫刻家 著作家 登山家 咄家 批評家
評論家 文芸家 文筆家 法律家 漫画家 有職家

 —- いやいやまだまだ、 114 もの例があった。
ただ、そのなかに「暮らし家」はなかった。暮らし家は、おなじみ塩山奈央さんの゛肩書き゛である。さっぱりしていて、とてもいいなあ、と思う。クラシカと初めて耳にしたとき、私のアタマには、なぜか「風の谷のナウシカ」が浮かんだ。
 塩山さんの『FERМENTED FOOD! 発酵食をはじめよう』(文藝春秋)が出た。ページをめくっていくと、「私のお気に入り基本調味料」という章がある。もしかしたら、暮らし家とは、ステキな暮らしのステキな調味料かもしれない。

FERМENTED FOOD! 発酵食をはじめよう