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コハルアンとうるしびと〈神楽坂デイズ〉

コハルアン

村上修一

 

この「広場」の好評連載「コハル・ノート モノと語る」(はるやまひろたか)のなかで、「会津の塗りもの」について、こう書かれている。

〈 先人たちの知恵を使ってコーティングした、生活のための木の器。そんな観点で漆器を見直せば、高いと思われた敷居は、少しだけ低く見えるようになるかもしれません。僕自身、漆器についてはそういう見方で接してきたので、お椀も家ではがんがん使ってしまいます。味噌汁用の器というポジションにとどまらず、洋風のシチューやスープなどにも。……〉
そして、日々愛用している器をつくる、村上修一さんについて、話が展開する。
その村上さんが、『チルチンびと』107号に「うるしびと」というタイトルで登場。〈会津若松市内の山間部、山道の先に、ウルシの林はある。……
漆掻きの作業手順は至ってシンプルだ。まずはカマで木表面の硬い樹皮を削り取り、表れたやわらかい樹皮にカンナで傷をつける。傷から染み出してくる樹液をヘラで掬い取り、掻き樽にためる。単純な繰り返しだが、足元の悪い山中を動き回る重労働だ。……〉そして、器にうるしをほどこしていく様子も細かく見てとれる。

コハルアンは、地下鉄東西線の神楽坂駅下車。新潮社の一つ手前の通りを入って左側にある。店主のはるやまさんと村上さんの手による器が、出迎えてくれるだろう。

 

『チルチンびと』春107号

『チルチンびと』春 107号 好評発売中


3・11 と『チルチンびと「地域主義工務店」の会』

チルチンびと「地域主義工務店」の会』震災支援報告

 

「3・11」から10年ということで、たくさん「あの日」の回想が映像や記事で流れた。この「広場」に掲載された〈『チルチンびと「地域主義工務店」の会』震災支援報告〉も、忘れることができない。
震災直後、地元の工務店に支援の手を、という活動がすぐ始まった。物資の手配、トラックはどうする。ドライバーは?  コースは?  打ち合わせのためのメールが、行き交った。
「こちらで用意した品物は、ブルーシート、ロープ、カップラーメン、電池、トイレットペーパー、飲料水」、「支援物資には、女性用品も必要です」、「うちは、女性社員に品揃えさせました」などというやりとりもある。トラックは 、あちこちで物資を積みながら、東北へ向かう。メールのすべてに善意があふれ、熱かった。やがて、トラックが到着する。〈本日、物資を南三陸町の志津川にとどけてまいりました。衣類、毛布、布団〈わあ、久しぶりの布団だあ)。避難所を出る際、道を歩いている人みなさんから、お礼を言われたのが印象的でした。〉支援物資は工務店とその周辺の方へ届けられた。これぞ、地域主義 !〈涙ばかりでます。ありがとうございます〉という受け取った人の喜びは、また、荷物を運んだ人の喜びでもあった。
このたくさんの感動メールを構成した記事は、すばらしいノンフィクションとなった。
今年の「3・11」に再度ご紹介するつもりだったが、あいにく(?) 3月11日は『チルチンびと』107号の発売日とかさなり、そのお知らせを優先した。


八ヶ岳に移住しませんか -『チルチンびと』107号の予告篇 -

八ヶ岳に移住しませんか

 

春風に誘われて『チルチンびと』107号の発売近し!  今号の特集は『60代、70代の家づくり」「祈りのかたち」そして、「八ヶ岳に移住する」。
特集「八ヶ岳に移住する」から「豊かな自然に囲まれ、日々をゆったり愉しむ」をご紹介しましょう。
登場するのは、Kさん夫妻。夫妻が移住を考え始めたのは、5、6年前のこと。奥さんは「ドライブで八ヶ岳を訪れ、なんて素敵なところなんだろうと感動して、それからちょくちょく八ヶ岳を訪れるうちに、いずれこんなところで暮らせたらと思うようになったのです」と振り返る。その思いはご主人も同じで「私も妻も定年まで残すところ数年でしたので、移住を真剣に考え始めました」。
そして、いま。「この恵まれた環境を、私たちだけで独占することはとてもできません」という心境であるという。

『チルチンびと』春107号


『チルチンびと』春107号は、3月11日発売です。お楽しみに

 


祈りのかたち、供養のかたち -『チルチンびと』107号の予告篇-

祈りのかたち

 

春風に誘われて『チルチンびと』107号発売近し。今号特集は「60代、70代家づくり」、「八ヶ岳に移住する」と、異色特集「祈りかたち」。そ祈りかたち」から、ご紹介します。

暮らしが変わって、仏壇離れもすすむ昨今。さまざまな「祈りたち」コレクションです。そなかでデザイナー・松葉孝夫さん異色文章をご紹介します。
〈…… 困ったり、悩んだり、そして又、嬉しいことや何か良い事が有ったとき/  亡き人とお話がしたくなりませんか? 年に一度、お盆にお墓詣りをするだけで/  満足なでしようか? 月命日、いや毎日、側に居られたらと……  /  今、求められている供養かたちは、時代変化や家族構成/ 住まいなど著しく変化して来ました。それは日々暮らしている /  陽当たるリビングなど何時も目に触れ家族会話が聞こえる場所で / 手をあわせ日々出来事を報告したり感謝したり祈るだけで / 身も心も不思議に安らぎ、幸せな気持に成るもです。……〉

そして、オススメ仏壇、骨壷、花立て、お線香立て。ぜひぜひ。

 

『チルチンびと』春107号

 

『チルチンびと』春107号は、3月11日発売です。お楽しみに

 


老後の家は、塀を低く-『チルチンびと』107号の予告篇-

老後の家づくり

春風に誘われて『チルチンびと』107号の発売近し。今号の特集は「60代、70代のづくり。つまり、終の棲みの研究ですね。ほかに特集として「祈りのかたち」「八ヶ岳に移住する」

「60代、70代のづくリ」のなかで、建築中山繁信さんが、「老後のづくりと題して、「敷地と道路の境界をあいまいに」という提案を。ご紹介します。
〈普通セキュリティのために敷地を高い塀で囲いがちですが、できるだけ低い生け垣などで囲うことをおすすめしたいのです。そうすることによって、庭の清掃や草花の手入れなどの屋外での作業が増え、近所の人たちと接する機会が増えるのです。反面、セキュリティを重視するため高い塀で囲い閉じた敷地では世間との接点も少なくなり、孤立感や孤独感が増してしまいます。〉
いかがですか。

『チルチンびと』春107号


『チルチンびと』春107号は、3月11日発売です。お楽しみに。


段差のない間取り。老後の家づくりのヒント -『チルチンびと』107号の予告篇-

60代、70代の家づくり

 

春風に誘われて『チルチンびと』107号発売近。今号特集「60代、70代家づくり」「祈りかたち」「八ヶ岳に移住する」

特集から。父親老後住まいを設計した建築家・岡本一真さんは、そ体験から、家づくりヒントをここに見つけます。
それは、主屋と距離感。ほどよい握り手すり。段差ないり。水まわりと物干し。温度差をなくす。
たとえば、段差ないりについては、
〈高齢期を迎えると視野が狭くなったり、糖尿病影響などで足が運びにくくなってくる。床素材や模様が違うと段差に見えたりすで、アプローチから段差ないようにつくるが基本中基本。玄関から奥部屋まで一直線に導かれた動線に沿って、壁際に手すりをり付けた。〉

お役に立てば幸いです。

『チルチンびと』春107号


『チルチンびと』春 107号は、3月11日発売です。お楽しみに。


水平線を眺める家は、いかが -『チルチンびと』107号の予告篇-

水平線を眺める家

 

春風に乗って『チルチンびと』107号の発売近し。今号の特集は「60代、70代のづくり」「祈りのかたち」「八ヶ岳に移住する」

終の棲みの研究ともいえる、60代70代のづくり。豊富な事例のなかから水平線眺めご紹介。
〈屋内にはいると、まず目に飛び込んでくるのは青の絶景だ。東伊豆、相模湾から伊豆諸島望む高台に建つ。
全室通して間仕切りのほとんどないM邸。扉はトイレとお風呂場だけという徹底ぶり。「アメリカに住んでいた頃、間仕切りのないワンルーム・ハウス知って、開放感に惹かれました」とご主人。〉
この眺めなら、このなら、長生きができるように思われる。

 

『チルチンびと』春107号

『チルチンびと』春107号は、3月11日発売です。お楽しみに。

 

 
 

ベニシアさんへの誕生日プレゼント -『チルチンびと』107号 予告篇-

ベニシアと正、明日を見つめて

 

春風に誘われて『チルチンびと』107号の発売間近。今号の特集は 「60代、70代の家づくり」「八ヶ岳に移住する」「祈りのかたち」
もちろん、人気連載「ベニシアと正、明日を見つめて」(梶山 正)もありますよ。今号のテーマは「介護する人も、外の空気を吸いたい」です。

梶山さん、子供の頃から山が好き。ここ数年間は冬に「日本百名山」を登ることをライフワークにしている。『日本百名山』とは、深田久彌著の山岳随筆集。登山に集中したい梶山さんだが、目が不自由になり、介護の必要なベニシアさんのもとを離れられない。そこで、山行きの代償にと、ベニシアさんの誕生日プレゼントづくりに、せいをだす。プレゼントとは、布団カバーと電気毛布を買う。土間に敷くスノコづくりなど。文章の最後にこう書くのだ。
〈とにかくプレゼント作りにがんばったし、また僕は山へ行くぞ。追い詰められた状況にある介護側の人だって、新鮮な外の空気を吸いたいのだ。〉

………

 

『チルチンびと』春107号

 

『チルチンびと』春107号は3月11日発売です。お楽しみに。

 


ドアノーのパリ

写真家 ドアノー  音楽 パリ

写真家 ドアノー  音楽 パリ

『写真家 ドアノー  音楽 パリ』(Bunkamura  ザ・ミュージアム、3月31日まで)に行く。会場のパンフレットによれば、「パリに暮らす “  普通の人々  “のきらめきに満ちた生活を目撃する」ということである。
「日常生活の中で偶然出会う、小さな種のような瞬間をカメラに収め、それが人々の心の中で花開くことを思うと大変うれしい。」というドアノーの言葉も、パンフレットにある。「白黒(写真)はいいね」という小さな声を会場で聞いた。今はもう見ることのない、コンタクトというのか密着というのかを、懐かしく見た。
帰りにショップで、ファイルとイチゴジャムを買って、コロナの街へ出る。そんな、冬の終わりの日。

 


回想の『あしたのジョー』

 『あしたのジョー』展

 

あしたジョー』展(世田谷文学館、3月31日まで)に行く。
あしたジョー」は『週刊少年マガジン』に1968年1月から連載された。1973年5月に最終回。掲載当時、ラストシーン話題。そ自分ことを思い出す。会場を訪れている人たちも、そんなふうに、作品と時代と自分を重ね合わせてみているではないか。