書籍

『金沢ばあばのまほう手帖』置いてくださっている本屋さん

旬の献立や掃除の工夫、季節のきまりごとなど暮らしの知恵をご紹介する『金沢ばあばのまほう手帖』。

金沢ばあばのまほう手帖

 

81歳のスーパー主婦マスダさんは、地元の旬の食材を水にさらしたり、塩で揉んだり、寝かせたり、よく和えたり……ちょっとしたひと手間や盛り付けで献立をぐっと美味しくお洒落にしてしまいます。あたりまえにしてきた習慣を忘れずに続けることや身の回りのことを大切にする気持ちが、周囲の空気を清涼なものにしたり、あらゆる命に感謝をもつ実践になっているのだと気づかされます。そんな家事の蓄積を彗星倶楽部の中森あかねさんが丁寧に聞き取りし、画家の武藤良子さんが素敵な絵を描いてくださって誕生した本です。

置いていただいている本屋さんを少しずつご紹介していきます。

 

古書善行堂さん

古書善行堂

ジャズの流れる空間で背表紙を眺めているだけで時間が経つのをすっかり忘れ、どんなジャンルの本を探していても何かしら+αでこたえてくださるご店主の山本さん。ここがきっかけで古本に嵌った方も多いはず。本にまつわるエピソードは何度聞いても落語のようで面白く聞き入ってしまいます。コロナを期に始めた善行堂倶楽部というオンライン選書も大人気。本をつくる人、読む人、皆さんから頼りにされる存在です。

 

 

 

マヤルカ古書店さん

マヤルカ古書店

移転される前も、移転されてからも、昔からずっとそこにあるような存在感の本屋さん。バリエーションに富んだ本棚はずっと眺めていたくなります。店内のあちこちにある民芸品や、2階で開催される展示も楽しく、ご店主の中村さんが独自の切り口で選ぶ新刊コーナーも必見と見所たくさんで、あっという間に時間が経ちます。大人になっても、本屋さんは胸がときめく場所なのだと思い出させてくれます。

 

 

レティシア書房さん

レティシア書房さん

古書、新刊、ギャラリー、そして全国各地のリトルプレスが並ぶ店内。さまざまな装丁や言葉遣いのZINEが放つ静かなる熱気に刺激をうけます。ご店主の小西さんの店長日誌には、毎日愛のある本や映画や音楽の紹介文を丁寧に書かれ、読みたいもの観たいものがまた増えていきます。『金沢ばあば』のことも書いてくださり「この本やったらこんな本屋さんに持って行ってみたら?」と素敵な本屋さんをいくつもご紹介くださり、とても励まされました。

 

1003さん

1003さん

神戸元町にある古本、新刊、リトルプレスの充実した本屋さん。好きな作家さんの本、気になっていた本、知らなかった本、知っていたけど再発見した本。こちらの本棚を巡ると未知の世界をぐるりと旅している感覚に陥り、インスピレーションが湧いてきます。車椅子やベビーカーの方でもすんなり通れるように棚と棚の間の通り道が広く、ゆっくりと落ち着いて本を探すことができます。

 

 

花森書林さん

花森書林さん

ジャンル問わず所狭しと並ぶ古書と雑貨がひしめき合い入れ替わり立ち代わり誰かが立ち寄ってご店主に話しかけていく。地域のいろんなことを繋ぐ場所なんだろうなと感じます。新刊は地元ゆかりのある方を中心に、入り口の棚に置かれています。突然の訪問にも関わらず、大事につくられた本をしっかり読者に届けたいという誠実な姿勢でお話を聞いてくださった印象的なご店主さんでした。


花森書林さんをご紹介くださった「おひさまゆうびん舎」は店主の窪田さんがご自身で手作りした絵本の世界が立体的に広がる楽しいしかけがいっぱいの店内でした。親子連れの方が次々と訪れていました。

 

 

とほんさん

とほんさん
商店街にある新刊が主の本屋さん。まだまだ知らない本や見過ごしていた本、読みたくなる本がたくさんありました。こんなに新しくいい本が生まれているのなら世の中捨てたものではないなと思います。住んでいても旅していても散歩の途中にこんな本屋さんに出会えただけでテンションが上がりそうです。ところで大和郡山は金魚の産地だそうで、店内には金魚が飼われ、人形がぶら下がっている地元感に和みました。

 

突然の訪問にもかかわらずあたたかく迎えていただき、丁寧に本を見て下さり、応援くださったご店主の皆様、ありがとうございました!一冊の本を届ける小さな旅はまだ続きます。

 


「不意のひと」の『ごきげんよう』

歌集『ごきげんよう』

詩人の平岡淳子さん

 

成城学園前駅からほど近いギャラリー「Quo Vadis」の展覧会に行くと、いつもこのひとの姿がある。
2階のカフェで、コーヒーなど運んでくれ、画家やお客さんの中にあって、手際よく、紹介してくれたり、写真を撮ったりする。詩人の平岡淳子さんである、と知ったのは、少しあとのことになる。このほど、歌集『ごきげんよう』(発行クリップ編集室)を上梓した、と知ったのは、ついこのあいだのことである。
紹介の文によると、「母・平岡淳子が娘・あみの17歳から26歳を詠う後期子育て歌集」であるという。これで、そうか、そういう母親であったのかと知った。絵は、宇野亜喜良さんであるという。そんなふうに、平岡さんは、不意のひとである。まだ、ほかにもいろいろな秘密があって、これからも、快い驚きを提供してくれるだろう。

  


行く春

「花に聴く」(花・文 道念邦子 、 写真・ニック・ヴァンデルギーセン)

 

春は、別れの季節。
本誌の連載でも、「花に聴く」(花・文 道念邦子 、 写真・ニック・ヴァンデルギーセン)が、最終回を迎えた。

水仙が、いけられ、文章はこんなふうに、終わっている。
〈…… いつものことながら逍遥するに無駄はなくいつしか心の扉も開かれる。限られた時間を閉じようとエネルギーが尽きる寸前の水仙に敬意を表して食べられる花をひと花ひと花目から剥がすようにして挿す。……〉

歳時記を見ていたら、こういう句があった。
水仙のこち向く花の香をもらふ 中村汀女

 

 

『チルチンびと』春107号

 

『チルチンびと』107号は、特集「60代、70代の家づくり」。好評発売中


コハルアンとうるしびと〈神楽坂デイズ〉

コハルアン

村上修一

 

この「広場」の好評連載「コハル・ノート モノと語る」(はるやまひろたか)のなかで、「会津の塗りもの」について、こう書かれている。

〈 先人たちの知恵を使ってコーティングした、生活のための木の器。そんな観点で漆器を見直せば、高いと思われた敷居は、少しだけ低く見えるようになるかもしれません。僕自身、漆器についてはそういう見方で接してきたので、お椀も家ではがんがん使ってしまいます。味噌汁用の器というポジションにとどまらず、洋風のシチューやスープなどにも。……〉
そして、日々愛用している器をつくる、村上修一さんについて、話が展開する。
その村上さんが、『チルチンびと』107号に「うるしびと」というタイトルで登場。〈会津若松市内の山間部、山道の先に、ウルシの林はある。……
漆掻きの作業手順は至ってシンプルだ。まずはカマで木表面の硬い樹皮を削り取り、表れたやわらかい樹皮にカンナで傷をつける。傷から染み出してくる樹液をヘラで掬い取り、掻き樽にためる。単純な繰り返しだが、足元の悪い山中を動き回る重労働だ。……〉そして、器にうるしをほどこしていく様子も細かく見てとれる。

コハルアンは、地下鉄東西線の神楽坂駅下車。新潮社の一つ手前の通りを入って左側にある。店主のはるやまさんと村上さんの手による器が、出迎えてくれるだろう。

 

『チルチンびと』春107号

『チルチンびと』春 107号 好評発売中


八ヶ岳に移住しませんか -『チルチンびと』107号の予告篇 -

八ヶ岳に移住しませんか

 

春風に誘われて『チルチンびと』107号の発売近し!  今号の特集は『60代、70代の家づくり」「祈りのかたち」そして、「八ヶ岳に移住する」。
特集「八ヶ岳に移住する」から「豊かな自然に囲まれ、日々をゆったり愉しむ」をご紹介しましょう。
登場するのは、Kさん夫妻。夫妻が移住を考え始めたのは、5、6年前のこと。奥さんは「ドライブで八ヶ岳を訪れ、なんて素敵なところなんだろうと感動して、それからちょくちょく八ヶ岳を訪れるうちに、いずれこんなところで暮らせたらと思うようになったのです」と振り返る。その思いはご主人も同じで「私も妻も定年まで残すところ数年でしたので、移住を真剣に考え始めました」。
そして、いま。「この恵まれた環境を、私たちだけで独占することはとてもできません」という心境であるという。

『チルチンびと』春107号


『チルチンびと』春107号は、3月11日発売です。お楽しみに

 


祈りのかたち、供養のかたち -『チルチンびと』107号の予告篇-

祈りのかたち

 

春風に誘われて『チルチンびと』107号発売近し。今号特集は「60代、70代家づくり」、「八ヶ岳に移住する」と、異色特集「祈りかたち」。そ祈りかたち」から、ご紹介します。

暮らしが変わって、仏壇離れもすすむ昨今。さまざまな「祈りたち」コレクションです。そなかでデザイナー・松葉孝夫さん異色文章をご紹介します。
〈…… 困ったり、悩んだり、そして又、嬉しいことや何か良い事が有ったとき/  亡き人とお話がしたくなりませんか? 年に一度、お盆にお墓詣りをするだけで/  満足なでしようか? 月命日、いや毎日、側に居られたらと……  /  今、求められている供養かたちは、時代変化や家族構成/ 住まいなど著しく変化して来ました。それは日々暮らしている /  陽当たるリビングなど何時も目に触れ家族会話が聞こえる場所で / 手をあわせ日々出来事を報告したり感謝したり祈るだけで / 身も心も不思議に安らぎ、幸せな気持に成るもです。……〉

そして、オススメ仏壇、骨壷、花立て、お線香立て。ぜひぜひ。

 

『チルチンびと』春107号

 

『チルチンびと』春107号は、3月11日発売です。お楽しみに

 


老後の家は、塀を低く-『チルチンびと』107号の予告篇-

老後の家づくり

春風に誘われて『チルチンびと』107号の発売近し。今号の特集は「60代、70代のづくり。つまり、終の棲みの研究ですね。ほかに特集として「祈りのかたち」「八ヶ岳に移住する」

「60代、70代のづくリ」のなかで、建築中山繁信さんが、「老後のづくりと題して、「敷地と道路の境界をあいまいに」という提案を。ご紹介します。
〈普通セキュリティのために敷地を高い塀で囲いがちですが、できるだけ低い生け垣などで囲うことをおすすめしたいのです。そうすることによって、庭の清掃や草花の手入れなどの屋外での作業が増え、近所の人たちと接する機会が増えるのです。反面、セキュリティを重視するため高い塀で囲い閉じた敷地では世間との接点も少なくなり、孤立感や孤独感が増してしまいます。〉
いかがですか。

『チルチンびと』春107号


『チルチンびと』春107号は、3月11日発売です。お楽しみに。


段差のない間取り。老後の家づくりのヒント -『チルチンびと』107号の予告篇-

60代、70代の家づくり

 

春風に誘われて『チルチンびと』107号発売近。今号特集「60代、70代家づくり」「祈りかたち」「八ヶ岳に移住する」

特集から。父親老後住まいを設計した建築家・岡本一真さんは、そ体験から、家づくりヒントをここに見つけます。
それは、主屋と距離感。ほどよい握り手すり。段差ないり。水まわりと物干し。温度差をなくす。
たとえば、段差ないりについては、
〈高齢期を迎えると視野が狭くなったり、糖尿病影響などで足が運びにくくなってくる。床素材や模様が違うと段差に見えたりすで、アプローチから段差ないようにつくるが基本中基本。玄関から奥部屋まで一直線に導かれた動線に沿って、壁際に手すりをり付けた。〉

お役に立てば幸いです。

『チルチンびと』春107号


『チルチンびと』春 107号は、3月11日発売です。お楽しみに。


水平線を眺める家は、いかが -『チルチンびと』107号の予告篇-

水平線を眺める家

 

春風に乗って『チルチンびと』107号の発売近し。今号の特集は「60代、70代のづくり」「祈りのかたち」「八ヶ岳に移住する」

終の棲みの研究ともいえる、60代70代のづくり。豊富な事例のなかから水平線眺めご紹介。
〈屋内にはいると、まず目に飛び込んでくるのは青の絶景だ。東伊豆、相模湾から伊豆諸島望む高台に建つ。
全室通して間仕切りのほとんどないM邸。扉はトイレとお風呂場だけという徹底ぶり。「アメリカに住んでいた頃、間仕切りのないワンルーム・ハウス知って、開放感に惹かれました」とご主人。〉
この眺めなら、このなら、長生きができるように思われる。

 

『チルチンびと』春107号

『チルチンびと』春107号は、3月11日発売です。お楽しみに。

 

 
 

ベニシアさんへの誕生日プレゼント -『チルチンびと』107号 予告篇-

ベニシアと正、明日を見つめて

 

春風に誘われて『チルチンびと』107号の発売間近。今号の特集は 「60代、70代の家づくり」「八ヶ岳に移住する」「祈りのかたち」
もちろん、人気連載「ベニシアと正、明日を見つめて」(梶山 正)もありますよ。今号のテーマは「介護する人も、外の空気を吸いたい」です。

梶山さん、子供の頃から山が好き。ここ数年間は冬に「日本百名山」を登ることをライフワークにしている。『日本百名山』とは、深田久彌著の山岳随筆集。登山に集中したい梶山さんだが、目が不自由になり、介護の必要なベニシアさんのもとを離れられない。そこで、山行きの代償にと、ベニシアさんの誕生日プレゼントづくりに、せいをだす。プレゼントとは、布団カバーと電気毛布を買う。土間に敷くスノコづくりなど。文章の最後にこう書くのだ。
〈とにかくプレゼント作りにがんばったし、また僕は山へ行くぞ。追い詰められた状況にある介護側の人だって、新鮮な外の空気を吸いたいのだ。〉

………

 

『チルチンびと』春107号

 

『チルチンびと』春107号は3月11日発売です。お楽しみに。