その他

小さな「粋」

『チルチンびと』75号

 

『チルチンびと』75号の “ 小さな「和」” という特集を読んでいて、「和」というのは「粋」のことかもしれない、と思った。

粋といえば、Fという下駄屋の方のこんな話を、切り抜きに見つけた。「あたくしども、手を拝見すれば足の文数がわかります。足の大きさによって、鼻緒のすげ具合を加減しますが、昔の粋なお客さまは前つぼをきつく、きつくとおっしゃいます。深く履くのはヤボだとおっしゃって、爪先につっかけるようにして足早にさっさとお歩きになる……」

友人が「息子がどうにか、大学を卒業した」と言う。よかったじゃないか、と答えると 「 なに、下駄を履かせてもらったんだろ」と笑った。下駄を履かせる、というのは、採点を高めにあんばいしてもらった、ということだろう。あまり、下駄も見かけなくなった今、こんなことばも、通用しなくなる。ヒールをつけてもらう、とでもいうのだろうか。まさか。

(『チルチンびと』75号は、ただいま発売中です。)


小さな和、小さな話

「チルチンびと」75号

 

和のある暮しといっても、それなりのセンス は必要だ。和室を作ったからと招待されるこ とがあるが、主役でございと構えている囲炉裏 や、そこに骨董店か何処かで見つけてきたらし い自在鉤があったりするとうんざりする。 (「a day in the life 」 安西水丸 )

大学の建築学科でも「床の間」を読めないだけ でなく、知らないという学生が増えてきました。 (「『和』のデザインとは何か」中山章 )

そもそも 「座」という字は 「空間」を意味する。 (「日本人の坐り方」 矢田部英正 )

「 “ 和 ”っていうのは調和の和。その調和をつくり出す のが素材なんですよ 」と泉幸甫さん。( 「家族を包む やわらかな『和』の光 」)

洋食が多かった我が家の食卓は、出産後、すっかり 和食に変わった。肉料理が減り、魚が登場する回数 が増え、煮物やお浸し、焼き魚などシンプルなものを つくるようになった。 ( 「 日々、まめまめしく。」塩山 奈央 )

(以上は、『チルチンびと』 75号 特集 “ 小さな「 和 」” に見つけた言葉です。  『チルチンびと』75号は 3月11日発売です)

 


柱時計

トライフル

 

あれは、なに通りというのだろう。西荻窪駅南口を出て、「輪島ボクシングジム」やカキ氷で人気「甘いっ子」のある道を歩いていくと、アンティークの店「TRIFLE」(トライフル)。店内は、カチカチコチコチボーン、という音がたえず聞こえる。「柱時計は家族ですよ」と、店主の寺山和弘さんは言った。時計のネジを巻くときも「あ、ご飯をあげてなかった。ゴメンゴメン」と思うそうだ。いいなあ。と私は何度も言った。この幸福感はなんだろう。それにしても、いいなあ。

「時間はね、こうやって、大きい時計に入れて家の柱にかけとくのが一番いいんだよ。みんなで同じ時間を持つことができるから、しあわせなんだ。腕時計なんかに入れて、時間を外に持ち出そうなんて、とんでもない考えだ 」  ー 臓器交換序説 ー (『両手いっぱいの言葉』新潮文庫 )

こんなふうに、寺山修司は書いている。それにしても、いいなあ。私は、また言った。

 

「今日もアンティーク日和」(トライフル篇  )はこちらからごらんになれます。


日常の贅沢

九州出張帰りのvigoからは、大川お番茶会さんの「ごぼう+黒大豆のやさい番茶」、takekoからは、うきは百姓組さんの「梨のドライフルーツ」をいただいた。

この番茶は、ちくご産のカラダにやさしい素材を使用。お茶を楽しんだあとは、ごろごろと入った「ごぼう」「黒大豆」を食すと香ばしくておいしい。

大好きな「梨」は、砂糖、添加物を一切使わず、素材のままのドライフルーツに。梨独特のシャリシャリした食感がたのしくておいしい。

どちらも他の種類をいくつか揃えているようなので、お取り寄せしてみようかなと、こんな日常の贅沢がうれしい。


確定申告



やっと前年度の区民税・住民税の支払いが終わった頃にやってくる、確定申告のお知らせ。

e-Tax(国税電子申告・納税システム)を毎回勧められるが、なんとなくまだ100%信用出来ないので、管轄の会場に足を運び、長~い行列に並び、順番待ちにじっと耐える。担当者によって、とてもスムーズに進んだり、驚くほど滞ったりする。こればっかりは「運次第」と嘆いていたら、お役所に勤務する知人が反論した。「予備知識もほとんどなく、この時期はその現場に配属される」のだそうで、対応に慣れるまで必死なのだとか。

今年は初日に手続き出来たこともあって、例年より寛容な気持ちでいられた。

国民の義務である勤労、納税、教育。税金は、どうか有効に使って欲しいなと思うのだった。


美しい解体

テトリス

 

丹下健三の設計による、千代田区紀尾井町にある、旧グランドプリンスホテル赤坂新館が、再開発計画のため解体されている。

建物の屋根は最後まで壊さず、上層階から少しずつ縮む「テコレップシステム」という新工法で、瓦礫や粉じんが飛ばず、静かに解体できるそうだ。解体作業は2013年5月頃まで継続される予定。

解体現場の動画が、沢山公開されている。どこかテトリスのようで、鮮やかな解体現場の動画に、じわじわと興奮した。


新政府展へ

久しぶりにワタリウム美術館にvigoと行ってきた。

展示中の「坂口恭平 新政府展」は、平日にもかかわらず、若者たちで混雑していた。

襖に無数の建築物を連続的に描いた作品、彼が観察した数々の路上生活者の描写を、見つめるていると、気の遠くなるような時間を重ねただろう、その作品たちが、じりじりと迫ってくるようだ。

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なぜ人間だけがお金がないと

生きのびることができないのか。

そしてそれは本当なのか。

 

車のバッテリーで

ほとんどの電化製品が動くのに、

なぜ原発をつくるまで

大量な電気が必要なのか。

坂口恭平『独立国家のつくりかた』(2012年)より

 

展示会は2月3日(日)まで。

 


初めて花梨を漬けてみた

花梨を購入し、はちみつに漬けた。輪切りにして、はちみつを注ぐだけ。

とろりとしたはちみつが、さらさらになり、たっぷりの花梨のエキスがあがってきている。

花梨は、甘酸っぱい香りが特徴で、のどにやさしいそうだ。


2013@明治神宮

2013年の初詣は、例年、日本一の参拝者数がニュースになる明治神宮へ。

以前、原宿の南参道から参拝した時は、玉砂利の参道の長さに、ヘトヘトになったが、今回のルート、北参道から本殿へは、とても近く感じた。

大鳥居は高さ12m、柱の径1.2m、柱間9.1mで、檜造りの明神鳥居としては日本一だそうだ。写真は北参道の鳥居。鳥居の向こうに見えるのは、新宿のdocomoタワー。この景色には、ちょっと複雑な気持ちだ。

ご朱印帳にご朱印をいただき、心身の健康を願った。



 


たまねぎの効用

 

どうも少しのどが痛いかな? という身体のシグナルを無視して、大晦日の夜も元旦の夜も、山の上にあるふきっ晒しの露天風呂で洗い髪をバリバリに凍らせながら長湯をしたせいか、年明けから咳がとまらない。

ついに来たか・・・これがkuroの言っていた、今年の(明けちゃったけど)風邪だな。それほど熱もないのだが、どうもだるいので横になる。本でも読むか、と思うとマスクがふきとびそうな勢いで咳が出て読書どころではない。普段使わないみぞおちのあたりの筋肉が1日で痛くなる。これはマズイ。でも正月休み中だし、morimoriから伝授された に風邪は体の交通整理と書いてあったようだし、ここは民間療法でなんとかしたい。

薬に頼らない咳止め方法を検索してみると、かりん酒、大根あめ、レンコンすりおろし汁、ネギを喉に撒く・・・色々でてくる。が、だるいし、そんなことやってられないよーと思っていたら、玉ねぎを切って枕元に置いておくだけ(!?)という超簡単なのを見つけた。半信半疑で切った玉ねぎを枕元に置くと、あら不思議、すこし鼻とのどのあたりが楽になって、咳も止まってきたようだ。これは早めにkuroに教えてあげたかった。

 

もちろん、これは根本的な治療にはなってなくて、効く効かないの個人差もあると思う。私の場合、もう咳が出て出て体力消耗して辛い!っていう状態は止まったけど、喉のかゆみや不快感がなくなったわけではなく、限界にくるとケホケホッと出てくるし、玉ねぎから離れたり切り口が乾くともうゲホゲホ。瑞々しい玉ねぎの汁が表面に出て、それをちゃんと近くで嗅いでいるときのみ、効いているようです。結構すぐに乾くので、そしたらまた切り口を増やしていくといいみたい。あくまでも対症療法のひとつとして、試してみてくださいね。