その他

松井秀喜の青春

雪景色

 

お正月。いかがお過ごしですか。私は、読書三昧。昨夜は、『七割の憂鬱 ー 松井秀喜とは何か』(村松友視著・小学館)を読んだ。三割打者松井秀喜の光と影を描いている。こういう文章があった。

晴、曇、雨、風、霰、雹、雪、雷が一日のうちにあるのが加賀の天候と言われる。…… このような一瞬にして急変する空もようを、加賀の人たちは微動だにせず、それを土地の特色として味わうという、まことに大人びた気力と余裕をもっている。

そして松井は、自らに訪れた数々の試練を加賀の心もようで、やわらかく受け止めていたのではないかと、村松さんは書くのである。松井は、引退の記者会見で、こう語った。「振り返りますと、北陸の本当に小さな町で生まれ育ち、そこで野球を始め、地元の高校に進学し、小さなときからの目標であった高校野球で甲子園に出るという目標を達成することができました」

松井の野球人生でいちばん楽しかったのは、きっとこの青春時代だったろう。新年の北陸は、大雪にみまわれているという。彼の青春は、深い雪の下で眠っているように思われる。

 


東京駅丸の内駅舎復原

国の重要文化財に指定されている東京駅丸の内駅舎は、本来の姿に近い形態に復原され、2012年10月、生まれ変わった。南口、北口とも、ドーム型の天井レリーフが凝っている。建物は夜間にはライトアップされるので、より躯体に重厚感が増して映る。東京ステーションホテルもリニューアルされ、駅舎内にオープンしたTORAYA CAFÉでお煎茶と和菓子をいただきたかったが、いくら待っても入店できそうにないので、今回はあきらめた。

 

 

大規模な再開発で、商業施設も整備され、観光スポットとして、人足が繁くなるのは、すばらしいことかもしれないが、丸ビルと新丸ビルの大混雑ぶりには辟易としてしまった。土日祝日に、以前のようなゆったりとした空間に戻ることは、もうないかもしれない。

2012年12月21日(金)~28日(金)の8日間、予定されていた東京ミチテラス2012。12月24日(祝)の「TOKYO HIKARI VISION」の上映は、来場者があまりに多く、安全を考慮し、予定を変更して中止となり、12月25日(火)以降の上映は、現時点では未定だそうだ。

 

 


薪割り

薪

 

幸田文さんの薪割りの話は、いいよ、と友人が教えてくれたことがある。それは『父・こんなこと』(新潮文庫)のなかにある。「薪割りをしていても女は美でなくてはいけない。目に爽でなくてはいけない」と父親に言われ、風呂のたきつけをこしらえる話を、こんなふうに書いている。

庭木は檜は楽だったが、紅梅は骨が折れた。抵抗が激しく手が痺れたが、結局これもこなして焚口へ納めた。しまいには馴れて、ふりおろした刃物がいまだ木に触れぬ一瞬の間に、割れるか否かを察知することができた。(「なた」から)

『チルチンびと』74号〈特集・火は我が家のごちそう〉を読んでいると、あちらこちらに、薪の話が顔を出した。それで、友人の話を思い出した。

幸田さんは、父の教えたものは技ではなくて、これ渾身ということであった、と書いている。ストーブや暖炉や風呂で暖まることができるのは、薪に込められた気持ちが熱いからだろうと、私は思った。

 


「古道具、その行き先 -坂田和實の40年-」へ

松涛美術館は、閑静な住宅街にある、区立の美術館。先週、「古道具、その行き先 -坂田和實の40年-」に行ってきた。

展示品には、キャプションも額装もない。展示品との触れそうな距離感に、ドキドキする。

大切に使われてきた、ひとつひとつの古道具が、今も、館内で静かに、息をしているよう。展示品に近づくと、展示品に話かけられそうな気がした。

以下、とても気になった展示品3点。

 

「リネン文様木製ドアー」16世紀 フランス

古くて、どっしりとした木材に、やわらかそうなリネン模様が彫刻されている。このドアには、どんな人が訪れ、どんな人を送りだしたのだろう。

「質屋包み紙」 江戸末期~明治

この包み紙たちは、近づく前から、ただならぬ雰囲気を醸し出していて、少し怖いくらいだった。束ねられた紙を、ほどいてはいけないような気がした。

「木製イコン」17世紀末 ロシア

約20㎝四方ほどの木製のイコンの存在感は、ためいきが出るほどだった。彩色は劣化しているが、たくさんの人が祈りを捧げてきたんだと感じ、不思議だった。

 


チャンスをつかめ

 

ユカイな本だと教えられて「弱くても勝てます」開成高校野球部のセオリー(高橋秀実著・新潮社)を読んだ。有数の進学校である開成が、東大ならぬ甲子園を目指す、ユニークな戦法である。ドサクサに紛れて大量点を取り、コールドゲームで勝つのが、監督の方針。練習は週一回。グラウンドでやるのは練習ではない、実験と研究だ、という。

—–「グラウンドを練習ではなく、『実験の場』として考えるんです。あらかじめ各自が仮設を立てて、それぞれが検証する。結果が出たらそれをまたフィードバックして次の仮設を立てることに利用する。—」この繰り返しでそれぞれがコツをつかみ、それをまた反復すると、監督はいうのである。

『チルチンびと 別冊42号・今こそОМソーラー』に、「ОМが求められる理由」という座談会があり、ОМソーラーの考案者と牽引者が語っている。そこに、奥村まことさんのこういう発言がある。「設計というのは、困った問題が起こった時がチャンスで、そこで考えるからアイデアが生れる。それが設計の楽しさですね。—- ピンチがチャンスなんです」

夜、寝た時、昼間読んだこの二つの話が、頭に浮かんだのはなぜだったろう。わからない。しかし、新しい世界に挑戦する楽しさを知ったのは、幸せな気分だった。

(『チルチンびと 別冊』42号は、11月28日発売です)

 


秋の自転車通勤

正門

高く青い空に誘われて、初の自転車通勤。 住宅街やオフィス街でなく、国立代々木競技場、明治記念館、迎賓館赤坂離宮をぐるっと廻るようなコースなので、歩行者が少なく、歩道が広く、空気がすがすがしい。 順路途中、国宝に指定されている「迎賓館赤坂離宮」には圧倒され、思わず自転車を降り、しばらく眺めた。華麗という言葉がぴったりだ。
迎賓館(遠い)

迎賓館(遠い)

この辺りは、青山通りまで紀州徳川家の屋敷があった敷地で、日本で唯一のネオ・バロック様式の、完全なシメントリーの建築物です(ちょうど通りかかった、ツアーのガイドさんによる)。こういうツアーってあるんですね。

帰宅時の正門

11月1日~3日まで前庭を一般公開していたようだ、一足遅かった。残念。 来年の迎賓館赤坂離宮参観には、ぜひ応募しようと思う。

怪談 消えたポスト

ポスト

 

都心の会社に勤める、私の相棒の話です。そ奴は、ある夕、一通の手紙を書き終えました。いまどき、メールでも電話でもない、手紙というのは、それだけこころを込めて、ぜひ先方へ伝えたいことがあった、と思し召せ。で、いつものポストへ急ぐと、オヤ、こんなところにもポストが。投函したあと、脇にあるプレートで最後の集配時刻が18時半であることも、確認。やれやれです。

さてつぎの週。その道を通りかかると、ポストがない。ない。急ぎ会社に戻り、同僚に確認すると、「毎日あそこを通るけど、ポストなんか見たことない」「疲れてんじゃないですか。幻覚ですよ」と冷たい。郵便局に訊いた。「ポストが現れて、消えた? いやあ、ポストの設置や移動には手続きが必要で、必ず記録を残しますが、それも残ってないし」と局員。で、その角にある店を訪ねた。おばさんが、いう。「ここにポスト? 見たことないわねえ」 それでも、と食い下がり「なんかこの辺、変わったことなかったですか」「ああ、そういえば、先週ドラマの撮影があったわね。私の店も貸してあげたけど。そのとき、ポスト? ウーン、そういえばロケ隊の荷物に、赤い箱があったような……」 それだ。

店にあった名刺を頼りに、制作会社に連絡する。「ええ、確かにロケでポストは使用しました。ポストには撮影直前まで注意書きを貼り、終了後には、すぐ撤去するはずなんですが。いやでも、そーですか、あなたは、それに手紙を入れた。そーですか。いますぐ、そのポストから手紙を探して、私のほうで投函しましょうか」

それから半月後の夜。くだんのドラマは放映された。ポスト? もちろんありましたよ。赤い姿が主役に見えましたね。

(写真のポストは、当゛事件゛とは関係ありません)


今年の風邪は長引きますよ(ほんとに)。

―2日目―

喉の違和感がひどくなるので、お医者さんへ。処方箋は効果なし。

―4日目―

話題の「扁桃炎」か?と心配になり、再度お医者さんへ。しかし、発熱しないと、ほとんど相手にされない。

―1週間―

ゴボゴボと咳が止まらず、またまたお医者さんへ。「ちょっと長引いてますね」と、今回、抗生物質を処方される。

―2週間―

「マイコプラズマ」や、「肺カルチノイド」がニュースになっていたこともあり、今度は呼吸器科へ。胸のレントゲンを撮るが異常なし。今回は、ぜんそく用吸引薬を処方される。

―3週間―

発熱、頭痛、関節炎、倦怠感、全てなし。乾いた咳と、湿った咳がランダムに止まらない。お医者さんは、結構のんきだな。

―4週間―

うがいも、ぜんそく用の吸引薬も、さぼりがちに。

―1か月―

寝不足が続き、だんだん、もう、どうでもよくなってくる。

―1か月と1週間―

今度は「咳ぜんそく」ではないかと、不安がつのる。

―1か月と2週間―

ようやく、のど飴なしで生活できるようになり、峠は越えたと実感する。

―1か月と3週間―

それでもなかなか完治しない。コホッコホッ。

―約2か月―

もう一生、風邪なんてひかない、と誓う。とてもつらかった。

恐ろしい色したうがい薬

 


本日は晴天なり

秋が日に日に深まるうれしい季節だが、

気持ちまで晴れるようなお天気の日は、1年のうち、4,5日しかないと思う。

今日はそんな、貴重な日だった。

 


それぞれのストレス解消法

「ストレスを解消するために何をしますか?」と聞いてみた。

聞いてどうという訳ではないけど、たまにくだらない質問をしたくなる。

 

morimori「ストレスはあまり感じない。しいて言うなら悪口を言う」

takeko「前はフラメンコだったけど、最近はお風呂と本を読むかな」

kuro「そりゃ、もちろんお酒でしょ。あと、掃除」

amedio「太鼓!太鼓がない日は、おいしいもの食べるとかお茶したりとか」

 

グラス

 

ちなみに自分は、kuroとほぼ近い。お酒もしくは、PABLO CASALSを聞きながら、かたっぱしから棚のグラスをみがきまくる。

 

YouTube Preview Image