2015年7月6 の記事一覧

島育ちのやさしさ

The  TAKASAGO  Times

 

「小笠原からの手紙」でおなじみ、植物学者・安井隆弥さんから、メール便。開けてみると『The  TAKASAGO  Times』誌(高砂香料工業株式会社)。表紙に「特集・小笠原」とある。安井さんは 「小笠原の野生植物について」こう、書いている。

〈 海洋島の植物は草食動物の食害を全く受けなかったので刺をつけたり、毒を持つなど身を守る機能を進化の途中でかなぐり捨てたかのようである。そこへヤギが入って来て瞬く間に食べつくす。また大陸からの外来種は競争力が強く、小笠原本来の林を占拠しアカギやモクマオウの林にしてしまう。このように外来の生物の侵入によって、固有種をはじめ既存の植物は追いやられ、細々と生きている。〉
〈小笠原の自然はユニークであるが脆弱でもある。外来の動植物により小笠原の固有種をはじめ在来の生物が圧倒されようとしている。私たち小笠原野生生物研究会では細やかながら植生回復の作業に参加し、美しい自然を次世代へ伝えようとしている。〉

島育ちのやさしさ。外部勢力の圧力。その中にあって、世界自然遺産を守るご苦労 …… お疲れさまです。