2013年12月 の記事一覧

明治のこころ ―モースが見た庶民のくらし― @江戸東京博物館

 

展示入口「モースの肖像画」と「明治のこどもたち」

 

大森貝塚を発見したことで有名なエドワード・モース。

全米最古といわれるピーボディー・エセックス博物館とボストン美術館の収蔵から、

モースが収集した様々な明治の生活道具などが里帰り。

コレクションの展示数に圧倒された。

当時の写真に写る人々の表情は、そのほとんどが笑顔で、

自然にあたたかい気持ちになる展示会場だった。

12/8(日)まで

 

 


流れる季節

『幸田文のマッチ箱』(村松友視著・河出文庫)

「幸田   文展」に行った。(世田谷文学館・12月8日まで)

婚礼衣裳がある。400字詰の原稿用紙に、エンピツで書かれた原稿がある。愛用の着物がある。父・露伴についての展示もある。ゆっくりと、行きつ戻りつした。帰りがけに、『幸田文のマッチ箱』(村松友視著・河出文庫)を買った。そのなかの「〈流れる〉季節」の章に、徳川夢声氏との対談があった。

夢声    芸者屋のまえにも、どっかへご奉公をなすったことがあるんですか。

幸田    それはね、たださがしてあるきました。自分のいどころを、どこかに求めたいと思って。書くことでないことで。それで、あっちこっちあるいたんです。犬屋さんだとか、パチンコ屋さんだとか  ………。

幸田文さんは、そんなふうに、作家までの長い時間を、語っている。人はみんな、いどころをさがしてあるく。それぞれに、流れる季節がある、と思った。