2013年8月24 の記事一覧

京都で「イチめぐり」

「イチめぐり」の柴山ミカさんに朝市の楽しさを教えてもらってからというもの、どこかで市をやっていると、つい気になって立ち寄るようになった。こちらのイチ文化というのは尋常でなく発達していて、わざわざ調べたりしなくても、自然と遭遇する機会がとても多い。そういえば柴山さんも京都のご出身だった。イチ好きは彼女のDNAに深く刷り込まれているのにちがいない。

毎月第一日曜日は東寺のがらくた市が開催される。店の人も茹だるような、こんな灼熱の8月でも行われているのである。がらくた市というネーミングとは裏腹に、すごいお宝が潜んでいるかもしれないと思わせるような、素通りできない磁力のあるような、ご店主たちの味と年季を感じる市。ツウの人はものすごい朝早起きして行くみたいなので、もう朝方に勝負はついた! という感じなのかもしれないけれど昼前にやっと着いた私でも、気持ちが高ぶった。

毎月15日にある百万遍さんの手作り市は、うってかわって和気あいあいとしたムード。周辺のお店でもフリーマーケットをしたりしていて”イチ”モードが街中に広がっている感じ。今月は五条坂の陶器市があったり、下鴨神社の古本市があったり。どれもかなりの店舗数で、汗だくでふらふらになりながら、なぜ8月に?と思いながら、とりあえず全店チェックを目標にマイバッグを片手によく歩き回った。どこからか力が湧いてくるから不思議だ。

古くから寺社に人は集まり、お祈りをしたり、学問をしたり、物を売ったり、藝を披露したり、ヒト・モノ・コトをつなげてきたというし、京都に祭りや市が多いのは、寺社が多いことを思うと当然といえば当然かもしれない。でもそれを守りつづけて衰えることもなく、むしろ進化しているように見えることに驚き、感動してしまう。

全国に広がりつつあるイチ文化、みなさんとても気軽にやっているようだけれど何を売るか、何を買うか、どこで、だれと、どんなふうにやるか、値段はどうつけるか? など決断も次々にせまられ、じつはとてもアイデンティティを試されることだと思う。失敗もしたり、喜びや発見があったり、見知らぬ人や土地との出会いがあったり・・・いろんな刺激が生まれる。未経験の人にこそ、一歩足を踏み入れてほしい世界なのです。