2012年4月27 の記事一覧

泥の詩人の鎮魂歌

文筆家であり、元「左官教室」の名編集長であり、そして「私のぬりかべ散歩」の著者、小林澄夫さん、別名“泥の詩人”から詩集が届きました。

 

東北レクイエム

蛎殻の海
減反の野
廃屋の棟に
風に吹かれる百合の花
壊れゆく土蔵
終末の予兆は
木の風景の潜点の
そこここに揺れていた

3月11日14時46分

 

ゴールデンバットの包み紙を見ても、庭の木にとまるメジロを見ても、散歩をしていても、ふと考えている東北のこと、放射能のこと、人生の時間の儚さ・・・。

装飾や演出とは縁のない無骨で繊細で実直な“泥の詩人”の言葉の結晶に、静かな力を感じます。