続・寒中冷麺
まだ、雪の残る白山通りを、息を白くして、私と友人は、冷やし中華をめざした。神保町の交差点をわたり、二つ目の角を左折。揚子江菜館へ。『池波正太郎の銀座日記』にも—神保町の〔揚子江菜館〕で上海焼きそばとシューマイを食べる — と登場する店。入り口に、゛元祖冷やし中華゛の看板。
冷え切ったからだで、店に入る。二人とも、「三絲冷麺」1250円を注文した。ほぼ満員のお客さんのテーブルから、あれはスープか、あれは中華丼か、あれはナニそばか。あたたかい湯気が、立ち上っている。しかし、われわれは、冷やし中華である。これを食べて、寒中水泳のように、心身を鍛えようというのだ。緊張からか、寒気がする。
きました。三絲冷麺。このお店は、富士山のように麺が盛られている、という話だが、周囲のたっぷりのタレに浮かぶ小島のように見える。固めの麺と細く切ったニンジンやタマゴなどの具とゴマのタレの、絶妙な組み合わせ。オイシイか? オイシイ。また、来たいか?
うん。でも、今度は、夏がいいね。