2011年12月31 の記事一覧

祈り

西早稲田の穴八幡宮

 

私は、西早稲田の穴八幡宮で、一陽来復のお守りをいただく列にいる。先頭まで、三百人はいるだろう。前に並ぶ老夫婦が、話している。「昨年、ここに並んでいたときは、大地震のことなんか、想像もできなかったね」

四月一日。この「チルチンびと広場」はスタートした。それより三週間前、3・11東日本大震災が発生した。直後から、その地域にある工務店を気遣うメールが行き交った。みんな無事か? 会社はどうした? なに、流された? どうしたら、支援できるだろう? 必要なものは何? それを、どう届ける? ルートは? 荷物の集積場所は?

この工務店の助け合いのメールを時系列に構成し、スタートする「広場」に載せることになった。プリントアウトされた部厚いメールを読み、原稿に仕上げていく。メールの短いやりとりは、どこか武骨で、どこまでも友情に満ちていた。北に走るトラックのタイヤのきしみまで、聞こえるようだった。この「チルチンびと地域主義工務店の会 東日本大震災支援報告」は、いま読んでもアツイ。

いつのまにか、私のお参りの番になった。私は、頭を下げ祈る。どうか、この「広場」に集まり散じるみなさまに、よい一年を、と。