ギャラリー

雨が、あがりました。

cafe+gallery 芝生 風鈴

暑い日が続くこのごろ、「cafe+gallery 芝生」さんでは涼しげな展示会が開催されています。

うつわや風鈴、アクセサリーなどの小倉志都香さんと永井伽林さんのガラス作品が並んでいます。作品はもとより、お二人自身が透き通った涼やかな雰囲気でした。

小倉志都香永井伽林

 

こちらの展示は7月31日(火)まで。

cafe+gallery 芝生さん、ハルカゼ舎さん、URESICA(ウレシカ)shop & galleryさん、和食OTAKIさんなど、経堂すずらん通りは素敵なお店がいっぱいです。

散歩がてら足を運んでみてはいかがでしょうか。


ベルント・フリーベリ

ギャラリー北欧器 初夏の間借り展

現在、表参道 ELEPHANTで開催中の「初夏の間借り展」。 「チルチンびと広場」にも掲載させて頂いている「ギャラリー北欧器」さんのイベント。 通常はアポイントメント制のところ、今回はギャラリーでの展示即売をされております。 ベルント・フリーベリ、アクセル・サルト、ルーシー・リーなど。 思わず手に入れてしまいたくなる品の数々。6月6日(水)までです。ただし、買いすぎにご注意を!

ベルント・フリーベリ

「ベルント・フリーベリ」こうやって棚に陳列されていると全部が欲しくなる。並べて飾りたい。 

ベルント・フリーベリ

「ベルント・フリーベリ」約3cm~5cm程度のミニチュアサイズの陶器。この精密さ、実際に観てさわれるなんて。

 

<ベルント・フリーベリ>

スウェーデン生まれ。Stig Lindbergと共にGustavaberg社の黄金時代を作り上げた陶芸作家。生涯、数千におよぶ器を自ら轆轤で制作、東洋的な釉薬を追求した。器、釉薬とも女性的な美しさを感じさせる繊細で優美なものが多い。とくに、指先にのるほどの小さな陶器は器の宝石と例えられる。スウェーデン国王をはじめ世界中にコレクターが多く存在。ニューヨークメトロポリタン美術館ほか各国の美術館にパーマネントコレクションされている。ミラノトリエンナーレにて金賞を3回受賞。1981年没。

※説明文は「ギャラリー北欧器」さんHPより引用。作品などの詳しい詳細はHPでご覧下さい。


目に青葉

sen art gallery北村宗介先生の個展を観に世田谷「SEN ART GALLRY」へ。
天気が不安定なこのごろ。この日はちょうど良い天気。

こちらの建物はもとは1942年に建てられた日本画家 郷倉千靱氏の和風建築によるアトリエ。
作品はもちろん建物から見える景色も楽しめます。

6月2日(土)~6月30日(土)は「酒巻洋一展」が開催されます。渋谷駅からバスで約35分、お時間のある方は是非。

 

 

 

sen art gallery

sen art gallery

 


大自然に囲まれた場所にて

イチトニブンノイチの櫻岡さんにご紹介頂いたダグラス・ブラックさんを訪ねて栃木県茂木町に。美しい那須川と大自然に囲まれた場所。

あいにく、この間の低気圧の影響で、新幹線に3時間の足どめをくらい予定より大幅に遅れて到着した我々をあたたかく迎えてくれました。もうすぐ完成するギャラリーのこと、セルフビルドの家のこと、作陶のこと、これからのことなどいろいろお話させて頂きました。詳しくは栃木県connectにて(近日公開)。

ダグラスさんの丸が2つ重なりあったマークをみて、栃木県サポーターの金山さんが「あー、これ私持ってる!」。なんと、3年ほど前に益子市でダグラスさんの器を購入していた事が判明。なんだかんだと繋がっているものです。

そして、ダグラスさんの個展が益子町「ギャラリー緑陶里」にて”3人展:それぞれが辿った道”開催中です。お知らせが遅くなってすみませんが、実は本日が最終日です。お近くの方はぜひ足をお運び下さい。

THREE ROADS TO MASHIKO

昨年の東日本大震災により三人の進む方向は少し変わりましたが、陶芸に寄せる熱い思いは、変わらず持ち続けています。あの日のことを胸に、この一年どんな思いで作陶し、乗り越えたのか、この会場で彼らの作品から溢れるPowerを感じて、そして、これからの彼らを見守って欲しいと思います。


栃木訪問 響屋さんそして麻紙工房

地域主義工務店の会 響屋さんのHPリニューアルを機に栃木へ。

モデルハウス内の水回りの工事が完成していました。ガラスが入った釉薬を使って微妙な模様を作り出しているタイル、ちょっとだけ高さが普通より高いカウンター、持ち運びが自由自在の収納箱、ブラインドインペアガラスなどなど設計者の細やかなセンスが感じられる仕上がり。

うっかり写真を撮り忘れ、お見せできれば良かったのですが…。

 

響屋さんの手掛けた住宅の一部にも用いられている麻紙、栃木県サポーターの金山さんの後輩が制作されていると言う話を聞きさっそく工房を訪ねる。

納屋外観

外壁はねずみ漆喰

納屋カウンター

重い石を2人で積み上げたカウンター

野州麻紙工房の大森さん夫妻、もともと作品を展示するためのギャラリーとして建物を造り始めた様ですが、造り出すうちに思っていたより大きくなっていったため、cafe[納屋]も併設することにしたそう。古材、石、建具を少しずつ集めて、骨組みと瓦以外は、自分達で少しづつ造りあげ4年の年月をかけて仕上がった建物。そこで、麻紙で制作された照明の光も体感できます。

大森さん家族に麻のこと、建物の事いろいろ話をしていただきました。どうもありがとうございました。

野州麻紙工房/cafe ギャラリー 納屋の詳細情報は近日中にチルチンびと広場に掲載予定。

大森さん

加工用に密植して育てた麻と採種用麻

照明

草木染めした麻紙を使用した照明

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大森さん「麻紙の制作を始めて、僕なんか10年程度、まだまだひよっこです」
大森さんの奥さん「この人が高いところが苦手なんで、天井の色は私が柱に登って塗ったんです。おてんばだから、全然平気なんだけど。私、何やってるんだろうって一瞬思った」
大森さんのお父さん「そうだなー、今度は季節の良い時にきたら、麻畑を見せてあげられるよ」
大森さんのお母さん「麻って真ん中が空洞になってるでしょう。昔はね、それを切ってストローなんかにしたりしてね。」

 

そんな話を思い返しながら、新幹線でうたたね。
温かくゆったりした幸せがあった。季節の良い時期にまた来よう。

 

 

 

 


美術館情報

ベン・シャーン

『版画集:リルケ「マルテの手記」より:一行の詩のためには…』《扉-1》        1968 年 リトグラフ・紙          神奈川県立近代美術館(麻生三郎コレクション)© Estate of Ben Shahn / VAGA, New York & SPDA, Tokyo, 2011

 

書道の教室で一緒のお友達。不思議なテンポの後藤さん。
「今日ね、葉山の神奈川県立現代美術館へ”ベン・シャーン展”観に行ってきたの。遠くて疲れたんだけどすごく良かったんだよ。残念ながら今日までだったんだけど」と、展示内容を見せてくれた。いつも何か刺激を与えてくれる人。
いいなー観たかったな。と、思っていたら、
名古屋市美術館2012年2月11日~3月25日、岡山県立美術館2012年4月8日~5月20日、福島県立美術館2012年6月3日~7月16日に開催される模様。

 

タイミングが合えば是非観に行きたい。
寒さにかまけて、ぼやーっと過ごしていた自分に反省し、美術館を検索。
私の独断と偏見で選んだ近日展示もしくは展示中のものをご紹介。
少し遠くても足を延ばして観に行ってみるのも良いかもしれない。

 

北海道立釧路芸術館
「日本を愛した写真家 土門拳の古寺巡礼」2012/1/25(水)~2012/3/25(日)
青森県立美術館
「冬のコレクション展」2011/12/17(土)~2012/3/25(日)
宮城県美術館
「クレーとカンディンスキーの時代」2012/1/14(土)~2012/3/4(日)
平野政吉美術館
「藤田嗣治の旅 - 中南米のエネルギーとコスモロジー」2011/12/15(木)~2012/6/17(日)
郡山市立美術館
「駒井哲郎 1920-1976」2012/1/15(木)~2012/2/12(日)
出光美術館
「三代 山田常山―人間国宝、その陶芸と心」2012/1/15(木)~2012/2/12(日)
東京国立近代美術館
「生誕100年 ジャクソン・ポロック展」2012/2/10(金)~2012/5/6(日)
金沢21世紀美術館
「モニーク・フリードマン展」2011/11/23(水)~2012/3/20(火)
岡崎市美術博物館
「芹沢銈介展 ―手仕事を愛でる―ある染織家の渾身の蒐集」2012/2/11(土)~2012/3/25(日)
クレマチスの丘 ベルナール・ビュフェ美術館
「ベルナール・ビュフェの生涯」2012/2/2(木)~2012/5/8(火)
国立国際美術館
「草間彌生 永遠の永遠の永遠」2012/1/7(土)~2012/4/8(日)
大阪歴史博物館
「柳 宗悦展 -暮らしへの眼差し-」2012/1/7(土)~2012/2/29(水)
伊丹市立美術館
「キース・ヘリング展」2012/1/21(土)~2012/2/26(日)
兵庫県立美術館
「解剖と変容:プルニー&ゼマーンコヴァー」2012/2/4(土)~2012/3/25(日)
西脇市岡之山美術館
「横尾忠則 原景 意識の眼展」2011/10/2(日)~2012/3/25(日)
岡山県立美術館
「長谷川等伯と雪舟流」2012/1/20(金)~2012/2/19(日)
丸亀市猪熊弦一郎現代美術館
「猪熊弦一郎展手の中の小さな言葉-紙に描いた作品から」2012/2/4(土)~2012/3/4(日)
北九州市立美術館 分館
「小さな画面に無限の世界 熊谷守一展」2011/1/2(月)~2012/2/12(日)
佐喜眞美術館
「ケーテ・コルヴィッツ展」2011/1/18(水)~2012/3/5(月)

私の相帽

暮れもおしつまった仕事納めの昨夜、大掃除真っ最中のやぶさいそうすけさんを訪ねた。

12月半ば、こちらで行われた展示会「やぶさい屋」で出会ったセミオーダーの帽子。形は何種類かきまっていて、布は自分で好きなのを選べて、さらに頭の形に合わせてやぶさいそうすけのオーナー兼帽子工房imonataを主宰する吉川さんが、アレンジを加えてくれる。

真剣に帽子を選ぶ

 

そして、こんなのができました。ジャーン!

 

つばの折り方やかぶる角度で可愛くも、ダンディにも

 

世界にひとつだけの、私のためだけの帽子。

元のサンプルのとはまた表情が変わって、予想していたのとも少し違っていて、セミオーダーなのにまるで自分の頭に合わせてオーダーでつくった特注品みたいに感じた。なんとしっくり。いい帽子をかぶると、えっへん。ちょっと気取った、改まった気持ちになりますね。作り手である吉川さんも作りながら、どうなるかなと、本人がかぶるまでわからなくてドキドキだったそう。この、期待以上の相性の良さ具合に、お互い「うれしいなー」「うれしいなー」言い合い、一緒に来てくれたvigoにも「いいよ!うん、いいよ!」と褒められ、なぜか両方が照れるという図に。

その後、ほうじ茶ととびきりおいしいチョコレートをいただきながら、「やぶさいそうすけ」という名前の由来とか、作家さんの話、富山出身の吉川さんと能登出身のvigoのジモトークや、北陸出張で出会った人が偶然共通の知り合いでびっくり!など話は尽きない。夜更けの大掃除の最中だったのにかなり邪魔をした我々でしたが、年末を気持ちよく終えるにふさわしい、楽しいおしゃべりタイムだった。吉川さんはモノづくりの人なのだけれど、やはりギャラリーのオーナーさんだけあって、惚れ込んだ作品とその作家さんの話が出てくる。自分のこと以上に紹介したくてたまらないのだなと伝わる。こんな人に惚れ込まれたら幸せだと思います。

昨夜もまたひとり、素敵な作家さんを紹介してもらいました。

 

清水秀輝さんの灯り。お城や森が、奥深く幾重にも重なって神秘的

 

すうっと物語の世界に引き込まれるような、陶器の灯り。年末のすこししんとした空気と、やぶさいさんの空間に、このほんのりと灯る不思議な箱がぴったり。作家さんは意外にも男性でした。清水秀輝さんという、益子で活動されている方です。

 

振り返ると、ほんとうに様々な場所や人や出来事に出会った1年だった。
新潟、愛媛、香川、関東近県、近畿、岡山、広島、北陸3県、仙台…それぞれの土地の風土や住む人の気質、まだまだほんの一角なのだろうけれども足を踏み入れてみて、話してみて、びっくりすることや面白い発見がたくさんあった。

広場のオープン間近で頭が朦朧としつつ走り続けていた最中に大地震が起き、9か月以上が経つのにまだ希望が持てない暮らしを余儀なくされている方々もたくさんいる。今年、物理的にも心理的にも、日本人が受けたダメージとストレスは本当に本当にとても大きかった。と、同時に自分たちがいままで無意識にやってきたことへの意識もとても高まったと思う。

そんな中で生まれた「チルチンびと広場」。広場を作り上げていく過程で、自分を信じて長いものには巻かれず、自分の作品や、お店や、家族とたいせつに過ごしている「ぶれない人」にたくさん出会って話を聞いた。そのたびにそうか私はまだまだだなとか、この方向であってるんだ。いや、やっぱりちがう、とか、こんな私がやってていいんだろうか、いや、だめだ、いや、いい!とかとか…日々迷いを抱えつつも、この仕事があって、そして心からの本音で自分を理解してくれる家族と友人に支えられて、この一年を乗り切れたと思っている。いままで気にもとめなかったようなことが新鮮に感じられたり、譲れないと思っていた価値観がじつは、どうってこともなく思い込みにすぎなかったと感じたり。自分が少しずつ変わったと感じる一年だった。

 

みなさんは、どんな一年でしたか?

 

来年、少しずつ何かがまた変わって、新しい風が吹いて、素敵な出来事がどの人の元にも訪れますように。

 

 


千葉へ小旅行

千葉市美術館瀧口修三とマルセル・デュシャン展を観に行ってきました。55歳にして人生最初で最後のヨーロッパ旅行に出た瀧口修三。 奥様へのハガキには要約すると「ちょっとダリんち、行ってきたよ。 そしたらデュシャンにあったよ。ミロには会えなくて、残念だったよ」 とさらっと気軽な旅報告のようなことが書かれているが、 じつはものすごいことなのでは?スケールが違います。。。そのたった一度の出会いから、 瀧口修三の人生=デュシャンを探す旅のような活動、それは自分を探す旅よりも根気や知力体力のいる作業だったのではないだろうか。その軌跡が展示されていたのだけれど、実際に会えなくても手紙や、印刷物や、作品を通じて信頼関係は築けるものなのだとわかった。デュシャンへの果てしない興味と尊敬はどこから湧いてくるのか不思議で、かえって瀧口修三とはいったいどんな人なのだろうと興味が湧いてくる。

 

この時代の人たちは、会いたい人や会いたい才能を見つければすぐに 手紙を出したり、電話をして会いに行って、気が合うと有名無名問わず 繋がっていったみたいだけれど、たしかにその人の言葉から信頼や尊敬が汲み取れればなんの問題もない。そして行動力の源は、 行動すれば何かが生まれるという希望とか夢があって、実際にそれを 実現している前例がたくさんあったからとも思う。今は昔より見知らぬ人を知ってつながる手段は豊富だけれど、 すごいことはみんなもう起きてしまった。という醒めた空気もあると思うし、 個人情報保護なんていって誰に対しても「私怪しくないですよ。」ってことを まず証明しなくてはいけないムードが必要以上にある気がする。 あきらめや疑いなんかが前提だったら、開かれる扉も開かれない。 生まれるべき関係も生まれない。でも勇気を出してそのラインを 飛び越えている人たちも全国には沢山いて、たとえば小さなお店が集まって イベントをやることもその一つだと思う。そういう人たちは確実に変化していってるし、 絶対にいつか、というか思ったよりも早く、実になっている気がします。

 

夜は川村美術館に移動して、PLAY ! MUSEUMという美術館コンサートの試みに参加。 夜の美術館に入れるのも楽しかったし、3組すべてが期待以上の素晴らしく幻想的で 美術館にぴったりな音空間を演出してくれてゾクゾクしっぱなしでした。 もっとあってもいいのにあまりない、こういうのも企画者の方たちの陰ながらの 努力あっての賜物だと思います。本当に素晴らしい企画をしていただいて感謝!またこんな風に、美術館コンサート目当てに小旅行してみたい。

 

途中、インドへの旅もあり。


西淑さん個展「よるよ」にいってきました

チルチンびと広場に素敵なイラストを描いてくださっている
西 淑さんの個展にいってきました。

西さんの絵は、見ているとなんだか透き通るような
静かな気持ちになって、わさわさした日常から
遠いところに連れて行ってくれる。

今回の個展の舞台、昔氷屋さんだったという根津の
「やぶさいそうすけ」さんの木と土間の空間が
またいっそう西さんの作品を引き立てているのでした。

ギャラリー店主の吉川知江さんは、「limonata」という
ブランド名の帽子作家でもありテキスタイルデザインも
してしまう多彩な方。「limonata」の帽子をかぶってみると、
軽くて暖かくてフィット感があって、かぶり方によって
いろいろなニュアンスが生まれ、自分がちょっとだけ別人に
なったように錯覚してしまう。いい帽子の持つ魔法がちゃんとある。

静かだけれど、きらりと光りを放つ絵を描く西さんとは
きっと出会うべくして出会った相性の二人。お二方とも、
ほんわりはんなりと、オリジナル街道を突き進んでます。

「よるよ」には、「夜よ」「縁るよ」「寄るよ」・・・
いろんな意味が込められている気がします。

西さんは明日で京都に帰られてしまうそうですが、
個展は11月28日(月)までやっています。
ぶらぶら根津散歩をしながら、がらっと扉をあけて
いろんな「よるよ」を発見してみてください。

12月15日から行われる年末恒例の「やぶさい屋」では
「limonata」も出展されるそう。
どんな帽子たちに出会えるのか、たのしみです。


小さな飛行機

花村泰江

吉祥寺駅から、ちょっと西へ行くと、やきとりの「いせや」がある。まだ明るいうちから、客の声、流れる煙。にぎやかだ。それを横目に、最初の信号の手前。地下へおりると、「Gallery 惺 (さとる)」があった。私は、一枚の版画を訪ねて行くのである。二カ月ほど前、「コピス吉祥寺」で、花村泰江さんという方の、木版・銅板・コラグラフ展があった。私は何気なく立ち寄り、いちばん入り口近くにあった、翼を休める飛行機の、小さな銅板画を見て、好きになった。
挨拶にみえた花村さんに「あれが、好きです」と言った。花村さんは「ありがとうごさ゛います」と答えた。その画が、ここにあることをふとしたことから知り、、出かけたのである。ギャラリーの女性と話した。
「ここを始めるとき、店名を漢字一字にしたいと思い、辞書片手に探しました。この惺の字には、静かに見つめるという意味があり、私の美術への姿勢とぴったりだったんです。始めて十年。ギャラリーは他の業種と少し違い、結果を急がないから、長続きするのかもしれませんね。私など、小さな夢しか持ちませんし」
しかし、飾られたこの銅板画の飛行機は、その小さな夢を乗せて飛ぶために作られたもののように見えた。