ギャラリー

皇帝の愛したガラス

皇帝の愛したガラス

東京都庭園美術館にて開催されている「皇帝の愛したガラス-Glass Admired by the Russian Tsars-」

展示構成は、1章[ルネサンスからバロックの時代へ]、2章[ヨーロッパ諸国の華麗なる競演]、3章[ロマノフ王朝の威光]。

無色ガラスに、糸状の乳白色ガラスを挿入した鉢やカップ。どういう工程で出来上がるのか想像もつきませんが、このような質の高い技術が15世紀~18世紀の時代にすでに確立されていた事に驚きです。

鉢・タッツァ

鉢・タッツァ ヴェネチア 16世紀後期

一番、私が魅せられたのは、ナポレオン1世のモノグラムのある旅行用タンブラー、革のケース入り。Nの文字の下にカットを入れ、その下に細やかなカット、そして、グラスの底の部分に湾曲したカット、それが外側の大きめのカットに反射してまた別のカットが映し出される。美しい。

旅行用タンブラー、革のケース入り

旅行用タンブラー、革のケース入り フランス、19世紀初頭

他にも素晴らしい技術の数々。

それらが陳列されている館内、玄関には、René Laliqueのガラス・レリーフ扉があり、ところどころにアールデコ的な装飾がほどこされた列柱やベランダ廻りのレリーフなど、庭園美術館は建物そのものが美術品と言ってもよいのではないでしょうか。

そういった事も含め、十分に満足できます。
この展覧会は9/25(sun)まで開催されています。

 


東北の底力、心と光

東北の底力、心と光

21_21ギャラリーにて開催されていた特別企画”東北の底力、心と光。「衣」、三宅一生。”

浅葉克己さんがグラフィックデザインを担当、生活の基礎となる「衣食住」の「衣」に軸をおき、21_21 DESIGH SIGHTディレクターのひとりである三宅一生さんが、東北で生み出される日用品の数々をその背景とともに紹介しています。

みなさまも是非と言いたいところですが、2011.7.26(Thu)-7.31(Sun)までの展示だったようです。

東北における厳しい自然環境の中で生まれた、ものづくりの知恵や、長い歴史のなかで伝えられ、磨かれてきた伝統的な手仕事の技にふれる事ができました。タイトルにもある様にまさしく東北の底力、一つ一つの手作業にこめられたいろいろな思いが強い作品となって表現されている、そんな感じを受けました。地域におけるそういった手仕事の文化に対し、微力ながらも私たちチルチンびと広場も貢献していけたらと思っています。

ISSEY MIYAKE コレクションより東北との仕事・東北からの発想

ISSEY MIYAKE コレクションより東北との仕事・東北からの発想

弘前こぎん研究所(青森県弘前市)/こぎん刺しを施す様子と完成品

弘前こぎん研究所(青森県弘前市)/こぎん刺しを施す様子と完成品

由利本荘市(秋田県)/天鷺ぜんまい織の原料と、糸を紡ぐ様子

由利本荘市(秋田県)/天鷺ぜんまい織の原料と、糸を紡ぐ様子

 

次回の21_21ギャラリーの企画展は「アーヴィング・ペンと三宅一生 Visual Dialogue」。 2011年9月16日(金) – 2012年4月8日(日)

「VOGUE」誌などでも有名な、20世紀後半を代表する伝説的な写真家Irving Pennとファッションデザイナー三宅一生が高めた二人の仕事が展示されます。

アーヴィング・ペンと三宅一生 Visual Dialogue」展

アーヴィング・ペンと三宅一生 Visual Dialogue」展

 


広島・岡山行ってまいりました

自然をうまく利用したカフェ・レストラン、小さいながらもこだわりのある雑貨店・ギャラリー、地域で活躍されている方々にいろいろとお話させて頂きました。

今回のお店探索において、そういった方々のゆったりとしたエネルギーの大きさを改めて実感した次第です。

気になったアイテムの一部ですがいくつかご紹介します。こちらを購入したお店も近日中にチルチンびと広場に掲載される予定です。

最後になりましたが、3日間で約30件という強行スケジュールをなんとかこなせたのもご協力頂きました広島県の坂田工務店さん、岡山県の福富建設さん、タイルびとこと白石普さん、白石普さんのご両親である陶芸家白石齊さん、イコン画家白石孝子さんのおかげです。

どうもありがとうございました。


韓国旅行(アート編 韓国国立中央博物館)

韓国旅行の中で、実は、楽しみにしていたのが韓国国立中央博物館

 

2年前に韓国旅行した際は、ほとんどが繁華街巡りでおわってしまったので、

今回は是非行ってみたかったところ。

 

駅から歩いて5分ほどのところにあるのですが、広くてビックリ!

建物の迫力からしてすごかったです。

 

入場料は無料というのも魅力の一つ♪

 

館内は、フラッシュをたかなければ、撮影可能だったので

気に入ったものをご紹介します。

 

日本語の案内(イヤホンで聞くタイプ)もあります。

1つ1つじっくり見て回ったら、丸一日はかかってしまうほど!!

 

日本のものも、たくさん展示してあり、より身近に感じた博物館でした

 

amedio(^O^)


GW後半 山梨編

 

GW後半は、夫の実家、山梨へ。今回初の甲斐善光寺にいってみた。

迫力のある二匹の天井図「鳴き龍」の下で手を叩く。足型があるので、

そこで手を叩くと、明らかに単なる共鳴音ではない、ギュウ~!と、龍が鳴いてる

ように聞こえなくもない音がする。本堂の下の真っ暗闇の中を歩く「お戒壇廻り」

もやってみた。「極楽のお錠前」と呼ばれる鍵に触れると極楽浄土が保障されるらしい。

ちゃんと探り当てたけど、見知らぬ人も沢山触ってしまった。

 

お次は清春芸術村。エッフェル塔の設計者、エッフェルが造ったラ・リューシュは

存在感たっぷり。ここはなんと、素人でも絵を描く目的さえあればアトリエとして

利用できます。他にもルオーの記念館や梅原龍三郎のアトリエ、この春出来たばかりの

安藤忠雄の光の美術館など、広い公園にぽつぽつと見どころが点在して見飽きない。

その後は清里現代美術館へ。現代美術マニア垂涎の本が山ほどある資料館で

館長さん兄弟がいろいろ教えてくれる宝箱のような場所。じつは元旦にも来た。

初めて見る作家の画集がいっぱいあってここにくると発見だらけ。何時間でもいてしまえる。

が、どちらも、GWだというのにとても静かだった。あの渋滞はいったいどこへ?

とおもったら周辺のアウトレットは大にぎわい。近くにこんないいとこがあるのに、

素通りしてたらもったいないよー。近くまで来たならぜひ行ってみて欲しい所です。

 

そして一日のしめくくりは必ずここ、ほったらかし温泉で富士山を眺めながらの湯。

温泉のあとの一杯の牛乳が、ウマい!

あまり温泉好きとはいえない私でもハマってしまう場所なのです。

 

 

清春芸術村で。こんな車で、実際画家たちが絵を描いていた

ルオーを記念して建てられた礼拝堂。ドアからして素敵だった

清里現代美術館。ひっそりと静かな場所に佇んでいます。

 

 

 

 

どの部屋も目線が近くて展示もセンスよくて嬉しくなる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


続・金子國義さんの表紙

 金子さんの絵は、女性誌の表紙としては、かなり異色で刺激的だった。イチゴを手にした裸の女、少年ボクサー —- 絵とはいえ、ヌードも男の子も、この雑誌には初登場だった。
 その表紙に包まれた誌面も負けずに、挑戦的だった。女性の身体と病気、更年期、性的欲求、結婚、離婚、嫁姑の確執などに、遠慮なく大胆に向かっていった。読者の体験をどんどん取り入れた。セックスの記事など「少し行き過ぎじゃないか」と大新聞のエライ方がいい、しかし、その方が、実は、愛読者であることがわかり、大笑いしたりした。
 女性誌を男性が読みだせば、しめたものである。部数は急上昇し、やがて30万を超えた。「変わったことをやれ」「自分が読みたいと思うものを載せろ」というのが成功の秘訣であると、あらためて知った。
 —- このギャラリーに飾られている金子ワールドの人や動物たちとは、その苦楽と想い出を共有していると思った。いくつもの記憶が、この店で甦ってきた。
 店にはいって、棚にポストカード、手前に金子さんが装丁した新刊書、奥にポスターのように大きなカレンダー。そして、絵。その絵を彩る、独特の赤、ブルー、黒、グリーンたち。そうだ、赤は、たいてい、血のような赤だった。それらが、やはりここでも、薄暗い店内の、ほのかな灯りの下に浮かんでいた。あのころと、少しも変わっていない。私は、私のこころの中を、のぞいているような気がした。

美術倶楽部ひぐらし


金子國義さんの表紙

higurashi

 『チルチンびと』を 発行している風土社から、歩いて90秒ほどのところの路地に、小さな店がある。そのたたずまいから、カフェかケーキ屋のような。しかし、昼間はいつも仕舞っていて、わからない。ところが、ある夕方、入り口が開いていた。
 オヤッ。
 誘われるように中にはいる。そこは、なんとも懐かしい世界だった。目の大きな少女。こちらを見ているウサギ。黒い服に身を包んだ男。なにか挑発するような女。あれは、「不思議の国のアリス」じゃないか。 ここは、画家・金子國義さんのギャラリー・美術倶楽部ひぐらし だった。
 金子さんが、女性誌の表紙を描いていたことがある。私は、その担当だった。初めて、ご挨拶にうかがうとき、それは四谷のアパートだったが、「うちは、扉が赤いから、すぐわかりますよ」といわれた。行ってみると、アパートのいくつか並んでいるドアの、金子さんの部屋だけが、赤かった。そのドアを開けると、中は真っ暗だった。
 担当者になると、月に何回か、うかがうことになる。まず、絵の受け取りがある。いつも、作品はギリギリにできあがる。暗い部屋の中は、絵の具の匂いに満ちていた。絵はまだ乾いていない。それに汚れやキズがつかないように、運ぶための箱を特注でつくらせたりした。
 しばらくして、四谷から大井へ引っ越すことになった。直接、つぎの家に移ると、いいことがないという卦から、いったん海外へ行くという。帰国したころ、新居を訪ねた。部屋には大きなテーブルがあり、その天板の部分は鏡だった。
<この項つづく>

路地裏のアリス展路地裏のアリス展 5月8日(日)まで
神田神保町1丁目の路地裏、同じ十字路を挟んで位置するアリスと縁の深い3店舗(美術倶楽部ひぐらし・SPIN Gallery・古書たなごころ)とカフェクルークが、「不思議の国のアリス」をモチーフにした展示を行ないます。路地裏のアート散歩に、ぜひおでかけください。

美術倶楽部ひぐらし 千代田区神田神保町1‐26
℡:03(3219)2250