父親の方がウキウキ?
子供をあずけている保育ママさんが、玄関先にとてもかわいい月ごとのカレンダーを作ってくれます。私は、工作が得意ではない方なので、毎月、楽しみにしています。
これを見て、子供は指をさし、モゴモゴといつも何かを言っています。来年には、ちゃんと、『おひなさま』『さくら』と言えるようになっているのかなぁ。。
安西水丸さんが、亡くなったあと、いろいろなひとが、いろいろな想い出を、いろいろなところに書いた。その一つ。エッセイスト・平松洋子さんの「水丸さん、ありがとう」(『週刊文春』4月24日号 「この味」)を、読んだ。そこに、こんな二人のやりとりが、あった。
………
安西 空想や想像って、無料で楽しむことができる一番の楽しみ。もうひとつは車窓の風景、あれも楽しいですよね、電車に乗ってね。
平松 自分は動かないのに、向こうがどんどん変化していってくれて。
安西 そうですね。だからね、僕は人間としても車窓の風景みたいな人間になりたいって思ってるんです。絵葉書になるような風景じゃなくて、すーっとこう、みんなが見て通り過ぎるみたいな感じで。
………
車窓の風景みたいな人間 ― それも、また、a day in the life だったか、と思う。そのエッセイに、『チルチンびと』に載ったこのイラストが、そえてあった。
鎧武者をモチーフにした像や絵画が、約90点ほど展示された個展、「野口哲哉展」に、なんとか最終日に間に合い、行ってきた。
博物館などで見る鎧や兜は、どこか恐怖のようなものを感じるが、ここで出会えたのは、真っ赤なソファに腰掛ける鎧武者、シャネルのロゴが家紋の鎧武者、ヘッドホンを着用した鎧武者、プロペラ付きの兜で浮遊する鎧武者、スニーカーを履いた鎧武者、手のひらサイズの鎧武者などなど、空想と歴史が行ったり来たりする、とてもユーモラスな鎧武者だ。切ないような、哀しいような、リアルな表情やポーズが、どこかとぼけていて滑稽なのだが、鎧や兜の精巧さに、うなる。完全にオートクチュールだ。
会場ロビーで野口さんご本人をお見かけするという、うれしいサプライズ付きだった。
■会場構成
・華麗なる有職故実の世界
・仮装現実の中で
・過去からの手紙