書籍

腐らないミカン

腐敗・鮮度保持に関する伝承

間もなく、『チルチンびと』夏  100号の発売です。特集は〈木と土の家〉〈親子の距離と間取り〉 の二本立て。

〈木と土の家〉の特集から「土壁の消臭・防カビ効果を検証する」を、そっとご紹介します。左官の世界をよく識る方が、土壁にまつわる伝承を教えてくれます。たとえば……

「腐敗・鮮度保持に関する伝承」
① ミカンと藁を入れた発酵土をビンに入れておくと、ミカンが腐らない。  ② 土壁の家では、野菜が腐らない。③  藁の発酵土に死体を埋めると、ミイラになる。④  穀物蔵は田んぼの土でつくり、内外荒壁仕上げにするとよい。 ⓹ 酒蔵、味噌蔵は、藁を大量に入れて腐らせてつくった。 檜はだめで、杉、松を使用。


……

これらの伝承に、門奈理佐さんが、科学的解説を加えます。面白いですよ。


………
『チルチンびと』100  夏号は、6月11日発売です。お楽しみに。

 


やぎゅうまちこさんの『どこいくの』

やぎゅうまちこさんの『どこいくの』

 

信州  黒姫に住む  柳生まちこさんから、郵便がとどいた。開けてみると、絵本。『どこいくの』(こどものとも  年少版・福音館書店刊)。
女の子、ネコ、カエルたちが、ぶーらぶらと、楽しげに歩いて行くお話。眺めていると、その楽しさが伝わってくる。

柳生弦一郎、まちこさんが、黒姫で暮らすようになって、もう、何年経つだろう。「黒姫は、まだ雪がいっぱいだけど、光はもう春です。」と、そえられた手紙にあった。どうもありがとう。

 


私、平屋を建てました

私、平屋を建てました

 

ともに、近頃人気といわれる平屋と古民家。『チルチンびと』99  春号 の特集は「平屋の暮らし」と「古民家の再生と創造」。ではその「平屋特集」のなかから、「ゆったりとした里山時間のある平屋」をご紹介します。

〈夫婦は設計について、大きく二つの要望を出した。それはシンプルで開放感のある平屋ということ、みんなが集まれる広さがあること、だった。工務店探しのときから平屋ということは決めていた。「平屋だと子どもの様子が伝わり、大きくなってからも、リビングを通って顔を合わせられる間取りがいいなと思いました」。そう、建主の奥さんは語っている。〉

平屋主義 !

……
『チルチンびと』99   春号は、3月11日発売です。おたのしみに!

 


民家 希少物件情報 !

『チルチンびと』99  春号

 

『チルチンびと』99  春号

古民家 希少物件情報 !

『チルチンびと』99  春号 の特集は「平屋の暮らし」「古民家の再生と創造」の二本立て。では、その古民家の特集から。「新潟県十日町市・築120年  頑丈古民家あります」をご紹介します。

〈新潟県十日町市、雪景色の静かな集落に、その立派な古民家は建っていた。伝統的な中門造の古民家だ。持ち主だった方の話。「中越・中越沖・東日本・長野北部、四つの地震にも頑張って耐えた。冬になれば積雪は2メートルを優に超える。雪の重みに耐えられるよう民家は頑丈につくってあるから、結果的に耐震性にも繋がったんですよ」〉

いかがです?


………


『チルチンびと』99  春号 は、3月11日発売です。お楽しみに !

 

 


あなたは「平屋派」?

『チルチンびと』99 春号 平屋ころがし

 

ともに近頃人気、といわれる平屋と古民家。『チルチンびと』99  春号の特集は、二本立て「平屋の暮らし」と「古民家の再生と創造」です。
作家・村松友視さんは「二階派」らしく、「平屋ころがし」というエッセイのなかで、こう書きます。

〈…… 疎開先は祖父の在所にある農家の納屋の二階だった。…… そして東京の大学へ通ったときの下宿の部屋も二階の西日のさす三畳間だった。二階に厄介(八階)になるてえわけでしめて十階の身の上ですな…… てな落語のひとくだりが思い浮かぶが、今こうやって原稿を書いているのも二階の書斎、カミさんを気にしながら細々と物書きをつづけているわけで、平屋の悠然たる雰囲気とはまことに縁遠い暮らしぶりでございます。〉


………


『チルチンびと』99 春号は、3月11日発売です。お楽しみに!

 


カフェ + 本屋

西荻窪の BREW BOOKS

西荻窪の BREW BOOKS

 

書店が、あちこち姿を消していく。それは、さびしい。その一方、カフェ + 書店 というかたちの店が、増えているという。

西荻窪の BREW BOOKS も、その一つ。1階は、書店だが、コーヒーもビールもある。コーヒー200円。2階は、書斎に。「2階の棚にグラスやちょっとしたおつまみがございます。ご自由にご利用ください」とのこと。最初の1時間は、ビール付き、1000円。読書のみ600円。以降、20分ごとに200円、というしくみ。
新聞で、ここの紹介記事を読んだ。「家と会社を往復する生活の中で、読書を愉しめる、ちょっとした空間があれば」と、始めたきっかけを、店主が語っていた。ちょいと一杯、ならぬ、ちょいと一冊ですか。

 


『南海タイムス』と『小笠原の植物』

南海タイムス

南海タイムス

 

八丈島で、『南海タイムス』という新聞が発行されている。島のニュースを伝えて、ユニークである。
たとえば、最新の号の見出しをみると、「ザトウクジラ回遊域北へ北へ」。2015年から八丈島周辺海域で多数の個体が確認されるようになったザトウクジラだが、2 – 3年前から御蔵島から北の島でも目撃情報が増えているという。…… そうかと思うと「1月の来島者微増」。町産業観光課の調べによる1月の来島者数は、7815人で前年同月比11人増加した。…… とのこと。

その新聞の3面に「小笠原 村落内、道際の植物ガイド」の見出し。先日、発売された『小笠原の植物   フィールドガイド III』の紹介だ。「今回は村落内や道際で見られる植物が中心。八丈島でも馴染みのある植物が多い。」という記事。著者の1人、安井隆弥さんは、かつて八丈島で、教鞭を執っていた。シダに憑かれ、いまは、小笠原父島で暮らしている。


……


『小笠原の植物  フィールドガイドIII』は、小社刊。定価 (本体1000円 +  税)。好評発売中。

小笠原の植物


ヴァレンタイン前史

チョコレート

 

ちょっと早いですが、と言ってチョコレートらしきものを、いただいた。

 その夜、『チョコレートの世界史』(武田尚子著   中公新書)を、読んだ。19世紀前半に薬局を経営していたジョーゼフ・フライが、登場する。

〈…… ジョーゼフ・フライのアイデアは、搾油していないカカオマスに、ココアバターをさらに加えるというものだった。増量されたココアバターによって、より多くの砂糖を溶かし込むことが可能になり、苦味が軽減した。よくかき混ぜて練り上げると、なめらかな舌ざわりで、甘くて風味のよい固形物になった。冷ますと、成型、型抜きも容易だった。このようにして湯や水に溶いて飲むのではなく、そのまま食べる「チョコレート」が一八四七年に誕生した。薬学に造詣が深く、専門的知識を持つ人物が、ココアを改良し、食べるチョコレートを作り出した。〉

もう、100年以上昔の話だ。

 


あけましておめでとうございます

あけましておめでとうございます

『池波正太郎直伝  男の心得』(佐藤隆介・新潮文庫)の「早め早めに」という章で、池波正太郎さんの年賀状にふれている。万事、早め早めにというのが、池波正太郎流で、たとえば、その年の年賀状は3月には刷りあがる。そして、たくさんの年賀状を相手の方を思い浮かべながら、少しずつ書いていくのだという。なぜか。

〈…… 半年以上も前から来年の賀状書きを始めるのは池波正太郎が極端なせっかちだからではない。人間は一日ごとに間違いなく死へ向かって近づいて行く。しかも、きょうが最後の一日ではないという保証はどこにもない。大部分の人間はそのことを忘れている。池波正太郎はそれを忘れないだけである。……〉

今年も、たくさんの年賀状をいただき、ありがとうございました。どうか、「チルチンびと広場」をよろしくお願い申し上げます。

 


器の愉しみ

粋な古伊万里  江戸好みのうつわデザイン

 

『粋な古伊万里  江戸好みのうつわデザイン』(八王子市夢美術館、1月20日まで)に行く。大皿あり、小鉢あり。眺めていて、向田邦子さんの器についてのエッセイを思い出した。

〈眼があったとき、「あ、いいな」と思い、この皿にのせてうつりのいい料理が眼に浮かぶものだと、少し無理をしても財布をはたいた。料理といったところで、茄子のしぎ焼きとか、風呂ふき大根とか、貝割れ菜のお浸しとかのお惣菜だが。…… 〉(とんぼの本『向田邦子  暮しの愉しみ』向田邦子   向田和子  ・新潮社)。