ヴァレンタイン前史

チョコレート

 

ちょっと早いですが、と言ってチョコレートらしきものを、いただいた。

 その夜、『チョコレートの世界史』(武田尚子著   中公新書)を、読んだ。19世紀前半に薬局を経営していたジョーゼフ・フライが、登場する。

〈…… ジョーゼフ・フライのアイデアは、搾油していないカカオマスに、ココアバターをさらに加えるというものだった。増量されたココアバターによって、より多くの砂糖を溶かし込むことが可能になり、苦味が軽減した。よくかき混ぜて練り上げると、なめらかな舌ざわりで、甘くて風味のよい固形物になった。冷ますと、成型、型抜きも容易だった。このようにして湯や水に溶いて飲むのではなく、そのまま食べる「チョコレート」が一八四七年に誕生した。薬学に造詣が深く、専門的知識を持つ人物が、ココアを改良し、食べるチョコレートを作り出した。〉

もう、100年以上昔の話だ。