書籍

貝原益軒の予防心得

貝原益軒『養生訓』(中公文庫)

 

外出は遠慮、となると、家で読書か。この時期に向いた本は貝原益軒『養生訓』(中公文庫)かな。本箱から引っ張り出して、読む。1712年の作といわれるこの著は、たくさんの項目があり、おもしろい。初めの方に「予防が大事」という項があった。これ、これ。こういう訓えです。

〈「聖人は未病を治す」というのは、病気がまだおこっていない時に、あらかじめ用心すれば病気にならないことである。…… 病気のない時に、あらかじめ養生をよくすれば病気はおこらず、目に見えない大きい幸福になる。孫子がいうのに「よく兵を用うる者は赫々の功なし」と。その意味は、兵を用いることの上手な人は、そとに見える手柄がないということだ。なぜなら、いくさのおこらぬさきに戦わずして勝つからである。また「古の善く勝つ者は勝ち易きに勝つ者なり」ともいう。養生の道もこのようにしなければならない。心のなかで、ただ一すじに心がけて病気のまだおこらないさきに、勝ちやすい欲に勝てば病気はおこらない。よい大将が戦わないで勝ちやすいものに勝つようなものだ。これが、上策である。……〉

おわかりかな。

 


追悼 平良敬一さん

平良敬一さん

 

平良敬一さんが、亡くなられた。享年94。その著書『平良敬一建築論集 機能主義を超えるもの』(風土社刊)に 、建築家 磯崎 新氏が、こういう文章を寄せている。引用させていただく。(写真は、その出版記念会から。中央が平良氏)

………

対抗者 平良敬一

対抗者の視座がある。抑圧されている側によりそって、運動を起こしている。
事件の渦中に好んで入っている。
ユートピアが死んで、マニフェストが無効になった時代の近代建築を
新しい媒体としての建築雑誌(メディア)をつくりだすことによって活性化する。
宮古島生まれのオキナンチュウヒララが記しつづけたのは、
中心にある権力に対して、これを足元からゆすぶりながら
崩していこうとする南島の風土に根づいた記憶にある。
いつも控え目ではにかんでいる。だが編集の手つきは過激である。
ゼネコンのつくった編集部にいながら、
町の工務店の手仕事を扱うメディアをつくりはじめる。
テクノクラートがつくる都市を批判して、エコがつくりだすすまいをさがす。
91歳のいまも、対抗者でありつづける。

…………

ご冥福をお祈り申しあげます。

平良敬一建築論集 機能主義を超えるもの』は、風土社刊。発売中です。

 

平良敬一建築論集 機能主義を超えるもの

 


ベニシアさんのテレビ番組

古民家暮らしを営むベニシアさん

 

4月26日夕方6時からNHK-Eテレで『猫のしっぽ  カエルの手」の特集編が、放送された。外出自粛のおり、家でご覧になった方も多いだろう。

番組は、ベ二シアさんの人生の旅をたどる。イギリス貴族の家庭に生まれた1人の少女が、その生活をこっそり抜け出して新しい世界へ、と夢見るところから始まる。そして、旅の途中で出会った友人……アメリカ男性、畳屋さん、陶芸家、現在の夫。そして、京都大原の古民家、ハーブの庭、ハーブ料理……。楽しい旅ばかりではなかったろう。「雨の中で踊るのが人生」という、番組のサブタイトルが、心にしみた。

ごらんになった方も、見逃した方も、『ベニシアと正、人生の秋に - 正  ありがとう  。すべて、ありがとう』〔風土社刊・好評発売中)を、ぜひ。

 

ベニシアと正、人生の秋に

 


今夜、ベニシアさんのテレビ

古民家暮らしを営むベニシアさん これまでを振り返る特別編

 

NHK_Eテレで、今日 夕方 6時から「古民家暮らしを営むベニシアさん これまでを振り返る特別編」が、ありますね。古民家、ハーブ、友人……と、新聞の予告にある。楽しみに。

そして、傍にこの一冊『ベニシアと正、人生の秋に』を、ぜひ。

 

ベニシアと正、人生の秋に


星センセイの『暮しの手帖』

星センセイの『暮しの手帖』

 

…… 『暮しの手帖』、ボク 被写体はともかく 、 川内倫子さんの写真は、さすがです。25日に店頭に並ぶそうですから、ちょっとのぞいてみてください。 …… というメールが、星信郎センセイから届いた。
  さっそく、買いましたよ。「私の手帖  心の垣根をなくしたら」という記事。たとえば、「自由も大事だけど、ぼくはむしろ自然体が好きだね」「周りと比べるよりも、自分の『遊び心』を大切にしたほうがいいと思うんだ。お茶を淹れるのだって、素敵な人を見て、ああいいなと思うのだっていいんだ」などと話している。
 この「広場」の連載 『私のセツ物語』は、甘酸っぱい青春をセツ卒の人たちが描いて好評だが、そこに毎回添えられる星センセイのコメントも人気だ。よくまあ、生徒一人ひとりの在学中のプロフィールを、的確に記憶力たしかに書くものだ。そこに、静かな愛情を感じさせる。いまも、週末「代々木デッサン会」に出席、モデルと向かい合う、という。人や絵に寄せる、穏やかな愛情と視線。
   「 さっそく、読みましたよ 」とセンセイにメールしたら「笑っていいとも!  ですよ」と一昔前のギャグが、返ってきた。
   どうか、いつまでも、お元気で。


咲くや春

道念邦子「花に聴く」

 

特集〈ごはんを楽しむ家〉  特集〈スーパー台風に強い屋根
2つの特集を組んだ『チルチンびと』春号はただいま、好評発売中です。お早めに。

好評連載「花に聴く」は、椿がテーマ。
道念邦子さんは、こう書きます。
……   椿は1年中青々と繁り、滑らかな木肌と光沢をもった葉をそなえ、古木となってからでも春には花を咲かせ、散り際もお見事。いけばなの花材としても魅力的かつ重宝する代表と言える。……

ごはんを楽しむ家とは、春を楽しむ家のことかもしれない。

 


強い屋根の下の幸せ ー『チルチンびと』103 春号の発売間近。その予告篇 !

強い屋根の下の幸せ ー『チルチンびと』103 春号

 

『チルチンびと』103号は特集二本立て。特集「ごはんを楽しむ家」と、もう一つの特集は「スーパー台風に強い屋根」。異常気象つづきの昨今、住まいを、あなたを、強風や大雨から守ってくれる屋根を考える。そこにある「頑丈な金属屋根をつくり続けて55年」という記事をご紹介します。語るのは、元旦ビューティ工業・舩木元旦会長。

「創業当時、金属屋根はスレート屋根に圧されて、下手をすればあと5年でほぼ、壊滅という状況でした。でも私が開発した新しい横葺き屋根が世間に認められて、どうにか持ち直したんです」。1942年1月1日生まれ、だから、元旦。16歳の時に板金工の兄の下で修業を始めた。ここにその、一代記を読むことができる。


……


「チルチンびと』103  春号は、「特集・ごはんを楽しむ家」「特集・スーパー台風に強い屋根」。3月11日発売。お楽しみに!

 


台所道具作家の顔 ー『チルチンびと』103 春号の発売間近。その予告篇 !

10人の台所道具作家

 

この号の特集は「ごはんを楽しむ家 ー  孤食から家族食へ」。そこに「10人の台所道具作家」という記事がある。10人の作家が、それぞれの作品へよせる想いを書いている。こんなふうに。

たとえば、土鍋。それをつくった陶芸家・城 進さんの文章。

〈器をつくることは、誰かの生活とかかわること。  生活とは、積み重ねること。器を使い込むことは、新しい日々が生まれ、積み重なっていくこと。誰かの台所に食卓にいつもある器になってゆく。いつもの風景の中に。そんな思いをこめて。〉

………

『チルチンびと』103  春号は、特集「ごはんを楽しむ家」。特集「スーパー台風に強い屋根」。3月11日発売。お楽しみに!

 


空の下の「茶の間」 ー『チルチンびと』103 春号の予告篇!

空の下の「茶の間」

 

『チルチンびと』103号の記事「空の下の茶の間」から、ご紹介。

〈……  夫妻は家族の成長と変化に合わせて  “ 今の暮らしになくてもよいもの”  を潔く手放した。たとえば車は「自転車も家族の人数分、5台停める必要があるので」手放し、夫妻の寝室も和室と兼用にした。実生活に必要な機能を絞りながら、「外の景色を取り込んだ自然と調和した家にできたら」とご主人。「中庭をつくってごはんを食べたい」「小料理屋のような気分のカウンターテーブルのあるダイニング・キッチンにしたかった」と奥さん。そして「食」を中心に家族が集う家ができあがった。〉

春よ来い  早く来い  という歌がある。春。早く、この「茶の間」で、食事を楽しみたい、という気持ち、わかります。


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『チルチンびと』103  春号は、特集「ごはんを楽しむ家」。「スーパー台風に強い屋根」。3月11日発売です。お楽しみに!

 


ふぐの宴 ー『チルチンびと』103 春号の発売間近。その予告篇 !

ふぐの宴 ー『チルチンびと』103  春号

 

春高楼の花の宴、という歌がある。さて、こちらは、「囲炉裏端  ふぐの宴 ー  作庭家・古川三森の世界」である。古川さんの文章から。

〈高校を卒業しておおよそ五十年。皆、人生に花を咲かせ、今は七十路の真直中。暇はあるとみえて同窓会は度々行われているが、たいていは大阪か神戸の街中。久々、私の家の囲炉裏を囲んで、ふぐでも食べようか、という話になった、令和二年も明けてすぐのことであった。……〉

以下、ふぐの宴の、そしてふぐと自身の縁が、楽しげに展開される。誌上で、ご味読のほどを。


……


『チルチンびと』103号は、特集「ごはんを楽しむ家」、特集「スーパー台風に強い屋根」。3月11日発売。お楽しみに !